表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/131

五十九話 S.K.Q

年が明けましたね! 今年も宜しくお願いします!!

 その翌日――参真はさとりに呼び止められ、こう言われた。


「参真。今さらですが、地上に出る方法が見つかりましたね。こいしに連れられて行けは、誰にも見つかることはないでしょうし、こいしも大した負担にはなってないでしょう?」

「「あ」」


 指摘された事実に、全く気付いていなかった二人は間抜けな声を漏らす。素早く横から従者(ペット)二人が、どこからともなく現れて……


「「さすがさと……」」

「「そのネタはもういいよ!!」」


 以前と同じ事象(できごと)が繰り返されそうになった時に、すかさず参真とこいしが言葉をカット。実の姉弟(きょうだい)さながらの連携に、さとりはクスリと笑い、悪意たっぷりに続けた。


「ふふふ……気がついてなかったの? 手のかかる弟だこと……」

「い、言い返せない……」


 長女の暴言に拳をわなわなと震わせるが、実際思い付いていなかったのだから仕方ない。おそらくそんな心情すら読まれてしまうだろうし、こんな安っぽい挑発に乗るほど、参真は子供では……


「全くだよねぇさとりお姉さま……本当に頭の片隅にもなかったの? ぐ・て・い♡」


と、彼が必死に堪えていた所に、いきなりお嬢様口調で、こいしが毒を吐いてきた。心に余裕のない青年は、振り向きざまに叫ぶ。


「こいしお姉ちゃんは気がついてなかったでしょ!?」

「あなたを試してあげたのよ?」

「嘘だっ!」


迫力のある大声を上げ、こいしの戯言を吹き飛ばす。面喰らったこいしは、慌てて次の言い訳を探した。


「えっと……無意識に気がついていて――」

「嘘だっ!!」

「実はちょっとした意地悪で――」

「嘘だっ!!!」

「……昨日は外に出れない日で――」

「嘘だっ!!!!」


あっさりとプライドを投げ捨てた参真は、全力でこいしを責め立てる。


「う、うわーん! さっぶーが反抗期だぁ!! お姉ちゃーん!!」

「仕方ないわよこいし……この年代の弟は気難しいのよ……」


 すると、こいしもなりふり構ってなれなくなったのか、普段の口調に戻して(さとり)に泣きついた。いつの間にか、彼が悪役にされている。


「うう、あんなにいい子だったさっぶーがぁ……『こいしお姉ちゃんと結婚したい』と言ってくれていたさっぶーがぁ……」

「夢見る少年ではなくなってしまったのよ……現実の厳しさに当てられたせいで……でも 今は暖かく、弟の成長を見守りましょう……」

「お姉ちゃん!!」


すべてのセリフを言い終わると同時に、がばぁ! と(こいし)はさとりに抱きついた。このシーンだけ見れば、非常に微笑ましいものであるが、前フリのせいで参真にとっては台無しだ。突っ込みどころが多すぎて、もはや言葉をかける気も起らない。とりあえず――


「……黒子役、お疲れ様」


目立たないように動き回り、今も古明地姉妹のポケットに小道具(ハンカチ)を放り込むなど、地味なアシストを続ける、従者(ペット)二人を(ねぎら)(さぶまさ)だった。


今度は日常回の連打! メリハリは大事ですね!!


……ちなみに、タイトルは『それが古明地クオリティー』の略です。……スペルが間違っていないことを祈るばかりw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ