四話 四人と一人
今回はちょっと短めです。早めの更新だから許してくだしあー
追記:ま た 間 違 え た orz すいません……
「チルノー! 遊びに来たのだ~」
霧の湖のほとりで、ふわふわと浮いているまっ黒い球体が湖に向けて叫ぶ。
「ル、ルーミア!! ちょっと待ってよー!!」
「リグルー? どこなのだー? 見えないのだ~」
「能力を使っているからよ!」
それを追いかけてきたのは、緑の髪を持つ、触角を生やした小さな人影。息を切らしながら黒い球体に話しかけると、唐突に闇が晴れ、その中から金髪の子供が姿を見せた。
「わはーリグルを見つけたのだ~」
いつもと変わらぬマイペースな友達に、リグルはやれやれと思いながらも安心する。宵闇を操る程度の能力をもつルーミアは、普段から能力を使用しているせいで、辺りのことが見えていないことが多々あるのだ。たまにゴツンといい音を立てて、木にぶつかっている姿も目にする。
「ルーミアにリグル! おはよー!」
「おはよーなのだー」
「チルノーおはよう!」
と、二人で話しているところに、湖のほうから氷の羽を生やした妖精が近寄ってきて、元気よく挨拶してきた。霧の湖周辺を縄張りとしている氷精、チルノである。彼女はきょろきょろと付近を飛び回り、首をかしげた。
「あれ? みすちーは?」
「まだ来てないのだ~」
「珍しいね。めったに遅れてこないのだけど……」
普段から四人で遊んでいるのだが、まだ一人来ていない。屋台をやっていたりするためなのか、割と時間に正確な友達なのだが……
「あ! いたのだ~ おーい、みすちー!」
「みすちーおそーい! あれ? ほかにも誰か連れてきてる」
空を見ていたルーミアがミスティアを見つけたらしい。リグルもそちらを向き、彼女に手を振っていたが。よく見るとミスティアの隣に人影がある。
「ほんとだ……ハッ! わかった! きっとみすちーの彼氏だよ!! 一目見ただけでわかるなんて、あたいったら天才ね!!」
特に根拠もなく、突拍子もないことをいいだすチルノ。しかし、ルーミアはどういうことかわかっていないらしく、首をひねっていた。
「彼氏ってなんなのだ~?」
「えっとね、すごく仲が良い異性で、一緒に寝たり抱き合ったり、泣いたり笑ったりしながら、しばらくすると結婚して、子供を作って幸せな家庭を作る……ってけーねが言ってた!!」
「そーなのかー? ……それってすごくたいへんなことじゃないのか~!?」
始めは、意味をよく理解できてなかったようだが、少し時間が経つと、ルーミアは顔を赤くして両手せわしなく動かす。
「いや、さすがにそれは無いと……思…う!?」
リグルがツッコミを入れようとしたときだった。徐々に近づいてくるミスティアの隣には……男性がいて……しかも手をつないでいる。言葉を失ったリグルは、
(まさか本当に彼氏!? うそぉ!?)
などと、チルノが言っていたことを真に受けてしまう。そうこうしている間に、ミスティアと青年は自分たちのところへとやってきた。
「みんなおはよー!! 参真、大丈夫?」
「ご、ごめんみすちー 現実感がわかないというか……ちょっと疲れたから、休んでていい?」
「いいよいいよ。じゃあその間に、参真の紹介を終わらせておくね」
なぜかぐったりしている青年を、やさしく気遣うみすちー。おまけにあだ名と名前で呼び合う仲とくれば……!! もはや疑うまでもない。三人は一斉にお祝いの言葉を口にした。
「みすちー! おめでとうなのだ~!」
「いっぱい子供を産んで、幸せな家庭を築きなさいよね!!」
「式には呼んでね! 虫たちも呼んで盛大にお祝いしてあげる!!」
満面の笑みの三人に詰め寄られるみすちー。彼女はしばし呆然として――
「え? ……ええええええええぇぇぇえええぇえぇ!?!? 何言ってるのみんな!?」
困惑たっぷりに、ミスティアの叫び声が湖畔へと響きわたることとなった。
THE カン違い回。
この四人はいろいろと動かしやすくていいですねー 作者もつい悪ノリでやっちまったんだZE☆