四十二話 次の行先は?
うう、風邪をひいたでござる……作者は結構、病気に強いはずなんですが……皆さんは大丈夫ですか? 今日なんかかなり冷え込んでいるので、体の弱い方は、気を付けてくださいね!!
PV 二十万、ユニーク二万人達成……おお、びっくりびっくり
それと、あとがきにてアンケートをとります。
「いやぁ……いい! 実にいい日だった!! これだけ描ければ大満足だよ!! お姫様、今日はありがとうございました!!」
「ふふん♪ たまにはモデルになるのもいいわね」
初対面の時の、険悪な空気はどこにいったのやら……輝夜と参真はすっかり上機嫌になっていた。
片や良い被写体に出会え、片や自分の美しさを、表現してくれる絵師に出会えてで、互いに自分の欲求を満たせたらしい。
「うんうん。私も元に戻れてよかった~ ところでご主人さま、今度はどこに行くの?」
「決めてないや……どうしよう……」
小傘に聞かれ、参真は首をひねる。今までは、当面の問題に対応するので大変だったし、自由に行動しようと思ったのは、これが初めてだ。おかげで、ロクに 幻想郷を回れていない。
参真としては、妖精や妖怪を描けるだけでも十分だったりするが、せっかくなら、幻想郷にある名物なども描いてみたい。
「お姫様、どこかいい景色のある場所は知りませんか? 珍しいものでもいいです。何かありません?」
こういうときは、地元人に聞くのが一番だ。参真はまだ幻想郷の地理に明るくない。小傘に聞くというのもあったが、一緒についてくる彼女にはいつでも聞ける。それに、姫様からしか得られない情報があるかもしれない。
「そうね……私が知っているものだと、冥界ぐらいかしら? 桜が綺麗らしいわよ。もうすぐ時期だし、行ってみるのも悪くないんじゃない?」
「いいですね! 桜!! 最近見てなかったから、描きたいなぁ……」
「珍しいところは……紅魔館かしら? 真っ赤な塗装の大きなお屋敷ね。こっちと違って洋館になっているそうよ。吸血鬼が住んでいるわ」
「なるほど……ありがとうございます」
冥界に、紅魔館。聞いた限りの話だが、参真はどちらにも興味を持てた。想像するだけで腕がうずうずしてくる。早く描きたくて仕方がない。
「小傘ちゃん。場所わかる?」
「大丈夫だよ~今すぐ行くの?」
「もちろん!」
「……本当にアンタ、絵を描くのが好きねぇ……」
姫様に呆れられながらも、参真はとっとと準備を始めた。姫様の話を聞いてからというもの、いてもたってもいられなかった。特に冥界の方は、時期を逃すと葉桜になってしまう危険がある。あれはあれで味があるが、どうせなら満開の桜を描きたい。
「それじゃ、失礼します! 永琳先生にもよろしく!!」
「行動早いわね!? ま、暇なときにまた来なさい」
軽く別れのあいさつを済ませ、小傘もそれに合わせて、ペコリと頭を下げた。そうして青年たちは、竹林の中を歩いていった。
***
ご主人さまがお屋敷を去って、私たちは迷いの竹林の中を進んでいく。
お姫様とケンカした時はどうなるかと思ったけど、なんだかよくわかんないまま終わって、ご主人さまが絵を描くのに夢中になってた。
(スゴイ絵を描くけど、もうちょっと発作の頻度を下げてほしいかなぁ……)
私の絵もいくつか描いてくれたけど、やっぱり凄かった。綺麗とか、そういうんじゃなくて……上手く言えないけど、とにかくご主人さまは凄かった。
何より絵を描いているご主人さまは、すっごく生き生きしている。私が人を驚かすのに成功したときぐらいかな? ご主人さまは、まるで絵を描く妖怪みたい。
それに、絵を描いていないときは、優しくていい人だし、私のこと拾ってくれたし、直してくれたし、いつも一緒にいてくれるし……
「冥界から先に行こうかな。小傘ちゃん、先導お願いできる?」
「ひゃうぅん!!」
ぼーっと考え事しながら歩いてたら、急に話しかけられて、私が驚く羽目になった。そういえば最近、人を驚かしていないけど、ご主人さまと一緒にいるとおなかが減らない。ホント、良い人に拾われたよね、私。こういしている今も、「大丈夫!?」って心配してくれてるし……とりあえず、安心させないと。
「ごめんなさい~考え事してたの~大丈夫だよ」
「ならいいけど……ところで、何考えてたの?」
ご主人さまが、そんなことを聞いてきた。うーん……ちょっと正直に言うのは恥ずかしいかな? ごまかしちゃえ。
「えへへ~ないしょ……あれ?」
ほんのちょっと、どう答えようかと考えているときに、私は目を閉じていた。でも……その一瞬で、ご主人さまの姿は消えていた。
「ご主人さま? ……え? どこ??」
ついさっきまで気配もしてたのに、今は全くわからない。急に一人ぼっちにされて、不安になって、怖くなって、辺りを見渡す。
「い、いたずらならやめてよ……ね、ねぇ……どこ? どこにいるの?」
返事がない。
おかしい。ご主人さまはこんなことする人じゃない。
じゃあどうして? まるでこれじゃあ神隠し……
そこまで考えてようやく、私はご主人さまがいた足元に、スキマがあることに気がついた。もうほとんど閉じかけて、私は入れそうにない……
「な、なんで……どうしてこんなことをするの!?」
誰もいない空間に、私は叫ぶ。
きっと向こうは、聞こえているに違いない。
ほどなくして……扇子で口元を覆い隠した、金髪の妖怪……
「八雲 紫」は、小傘の前に現れた。
紅魔館か、冥界かのアンケートかと思ったか? トリックだよ……(二回目)
ふふふ……何人引っかかりましたかねぇ……作者に常識は通用しませんよ!! 読者の期待を裏切って行きたいのでね……
で、それはともかく、アンケートの内容ですが……次の場所を回らせた後に……神霊廟編行きます。そうなると、どうしてもネタばれになってしまいますので、タグに「○○話から神霊廟 ネタばれあり」と追加した方がいいでしょうか? というものです。ご協力お願いします。