三十七話 竹林の死闘 Ⅳ
また短いかな? とりあえず投稿するZE!
追記:話数ミスってるー!? って次回もじゃないか; 修正じゃい!
(まいったな……けっこう自信作だったのに……それにもう、作ってあるスペルカードもない!)
二枚目のスペル、「まつぼっくり合戦」も破られた。しかも、灼熱の炎のオマケつきで、返しのスペルが飛んできている。
(これは……「火鼠の皮衣」!? さっきのは「仏の御石の鉢」だったし、残るは「燕の子安貝」と、「蓬莱の玉の枝」か……どんな感じになってるのだろう?)
今まで彼女が使用してきたスペルカードは、『かぐや姫』の話で語られる『求婚の条件に出したアイテム』だったはずだ。これを再現した弾幕を、彼女は使用してきている。
ただ、このスペルカードは厄介なことに、周辺に残り火があって、それにも判定があるようだ。
(くそ! さすがに限界か……!)
地上を炎が覆い、地面にいたまま回避するのが難しくなってきた。一旦弾幕を張るのを中断し、空を飛ぶ準備を始めた。無数の重力の手をイメージし、相殺させるように霊力を乗せる。
急いでイメージを練り上げたため、少々ぐらつきながら中空へと飛び出す。こればっかりは自分の能力の性質上、仕方のないことではあるが……
(……ん? これは……使えるか……?)
イメージを練り上げた際、何故か輝夜の方にも「重力の手」が見えた。それどころか、辺りにある空を飛んでいる物に対し、それが認識できる。
(もしかして、重力が視れるようになってるのかな? それなら……!)
自分の感覚のみを頼りに、即興でスペルカードを練り上げる。空中で身体の姿勢制御、輝夜からの弾幕回避をしながらでは大変だったが、泣き言は後回しだ。上手くいくかはわからないが、他に手もないし、とっとと発動してしまおう。
「拘束『グラビティハンド』!」
宣言と共に、地上から大量の「手」が迫る。
重力を表現したそれは、片っぱしから辺りの「空を飛ぶもの」へと向かっていく。参真はそれに逆らうことなく、手に引っ張られるまま地上へと降りた。
「あんた、何をしたのよ? 別に何も起こらな……うぇ!?」
当然、空を飛び続けていた彼女にも、その影響が現われた。
避ける間もなく……というより、見えていないのだから避けようもなく、彼女は地上へと落とされた。
派手に尻もちをつきながら、彼女はこちらを睨む。
「な、何をしたのあなた!? 空を飛べないじゃない!!」
「ええ、そういう効果のスペルカードですからね……ここからしばらくは、地上戦ですよ!!」
強く大地を蹴り、距離を詰める。向こうも離れようとしたが……動きが鈍い。地上での立ち回りに慣れていないようだ。ここまで狙い通りである。
(やっぱり……予測通りか!)
諏訪子様たちの話や、聖たちとの戦闘で一つ、わかっていたことが生きた。
幻想郷での弾幕ゴッコは、空中戦が主体になっている。地上だと回避が難しいのが最大の要因であり、そんなことをするのは自分ぐらいだった。
諏訪子様も地上で弾幕ゴッコをすることを、あまり良いように思っていなかった。ならば……おそらく自分のスタイル、「地上戦を主体に弾幕ゴッコを行う」のは、異端の部類になるのだろう。
故に幻想郷の住人は……「弾幕ごっこにおける、地上戦に慣れていない」!
「あわわっわわっ!!」
現に、地上へ落とされた彼女は慌てふためいている。良い傾向ではあるが……このまま仕留めきれるとは、どうにも参真には思えなかった。
(彼女が慌てている内に……四枚目も作らなきゃね……)
彼女の背後の竹林を眺めながら、青年は戦闘を続ける。
決着の時は、徐々に迫りつつあった――
スペル解説
拘束「グラビティハンド」
参真が飛んでいる時のイメージを、攻撃に転用したスペル。
参真を中心とした空間に「重力の手」が発生する空間を作る。この空間に入った空を飛ぶもの、空を飛ぼうとする者は、強制的に地面に墜落してしまうスペルカード。参真本人も効果範囲に入っているが、元々地上戦メインのため、影響は少ない。
いやぁ、ようやくこのスペルを出せました。
参真クンがの力がややこしい設定だったのは、原作のゲームで出来ないことを、やってみたかったからなんですよね。
ゲームだと主人公が空を飛べますし、地上の敵といったものが出ないので、結果として、地上戦主体のキャラクターっていないんですよ。
かといって、神主さんがゲーム内で下手にその設定採用すると、別ゲーとなりかねない……やったことある人ならわかると思いますが、地上敵の出てくるシューティングと、出てこないシューティングでは、完全に立ち回りが別物になってしまいますから。
よろしい、ならば二次創作でやってやろう! といった感じで、参真クンの設定が決まっていきました。そこからいろいろと、発展させていったところですかね?