表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/131

三十四話 竹林の死闘 Ⅰ

 さあさあ! 姫様との対決ですよ!

 一回で終わりそうにないので、番号を振りました。

 え? 何故ローマ字? タイトルで察してくださいな……

「よろしい! ならば弾幕ゴッコよ!! それでケリをつけてあげる!! ちょっと外に出なさい!!」

「いいでしょう……それが幻想郷のルールなら……!!」


 険悪な空気をたっぷり振り撒いて、二人は室内から、外の竹林へと移動した。

 ……なりゆきで弾幕ゴッコをすることになってしまったが、今さら引くつもりもない。後ろからついてきてる小傘が、訳も分からずおろおろしていたが……説明するのがさすがに面倒だ。「下がってて」とだけ告げて、彼女を引かせる。


「……ふん。その連れてる妖怪は戦わせないの?」


 静かに飛び立ちながら彼女が聞いてきたが、参真は首を振った。


「あくまでこれは、アナタと僕で決着をつけるべきことです。小傘ちゃんには悪いけど……手を出さないで」

「う、うん……怪我しないでね、ご主人さま! ファイト!!」


 陽気な掛け声が、参真の背中を押す。それだけで力が湧いてくるような気がした。


「スペカは……そうね、5枚でいいかしら?」

「……いいですよ。やりましょう」


 実は参真は、この枚数のスペルカードを思いついていない。それだけの枚数を使えるだけの霊力はあるものの、色々あって作り忘れていた。が、二枚ほど既に作成してある。あとは、戦闘中に作り上げるしかないだろう……

 少ない枚数を指定するという手も考えたが、それだと弱く思われるかもしれない。この時点で、すでに戦いは始まっているのだ。できるだけ実力を隠しておきたい。

 身体をこわばらせ、臨戦態勢にはいる参真。かぐや姫を名乗る彼女も構え、これでいつでも始められる。だが……そのまま硬直したまま、しばし二人は睨みあって動かなかった。


「……? あなた、飛べないのかしら?」


 彼女は、こちらが飛ぶのを待っていたらしい。意外と律儀な人だ……


「いいえ、これが僕の戦い方なので問題ないです」

「ふうん……ならいいわ、始めましょう!」


 宣言と共に竹林上空から、赤と青の弾幕が迫る。始めは彼女を覆う様に動いた後……交差しながらこちらへと降下してきた。さらに、自分のいる場所めがけての弾幕も飛んでくる。

 弾幕が地面を抉り、土ぼこりが舞う。衣服に何発か掠ったが、あえて自身の能力、『自然か不自然を見分ける程度の能力』は使わなかった。

 この能力は、力の消耗具合はそうでもないが、霊力を集めながらや、飛行しながらだと負担が大きい。加えて、今回の戦いはスペルカードを五枚指定している。長期戦になることを予測して、体力を温存しておいた方がいいだろう。幸い、様子見で撃っているものなのか、見切るのに苦労するレベルではない。


「そろそろ行くわよ! 難題『龍の顎の玉 五色の弾丸』!」


 一枚目のスペル宣言。果たしてその内容は――


(レーザー! それだけじゃなく、後ろからばら撒き弾!! そしてスペル名……『龍の首の玉』のことか――!)


 色とりどりの弾幕に魅了されることなく、回避行動を続ける。だが……このままでは火力負けするのが

目に見えていた。こちらが放つ弾幕の何倍の密度で、光弾が迫ってきている。

 さらに状況が悪いことに、向こうは空を飛んでいるのだ。こちらより回避行動のとれる範囲は広いと言わざるを得ない。

 ならば、やることは一つだ。こちらもスペルカードを使用し、相手のスペルに対抗するのみ。

 そして彼は、イメージと霊力を練り上げ――

 初めて己のスペルカードを発動させた――!


「成長『グローリーウッド』!」


 ついに主人公が初スペル発動!

 ……話が始まってから三十四話もかかってるよ、この主人公。

 どんなスペルかは続きをお楽しみに! 構成としては、スペル合戦になる予定でござい。

 あと、主人公は「かぐや姫」のお話を結構覚えています。財宝の名前まで覚えているぐらいには。

 好きな物語だった分、ショックも大きかったってことです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ