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二十三話 守矢神社の愉快な巫女

ようやくテストが終わった……

しっかし、しばらく書いてないと鈍りますね……普段に比べて時間がかかりました。ちょっと調子が戻るまで時間かかるかもしれません。ご了承ください……

 神と人との戦いが終わる少し前――妖怪の山の空に、独特の巫女服を着た緑髪の女性が、へろへろと飛んでいた。


「ふい~ あとちょっとで帰れる……」


 両手に大きく膨らんだ麻袋をぶら下げ、彼女はゆっくりと飛んでいく。久々の買い足しだったものだがら、かなりの量になってしまったのだ。一応人手はなくはないのだが、二人とも祀られているという状況なので、動くに動けない。そのため、人里で買い物をするのは彼女の役目になっていた。


「……!? 神奈子様!?」


 のんびりと飛んでいた所に、彼女は神力を感じ取った。守矢神社の神、神奈子のものであるが……放出される量が、通常のそれではない。まさか……襲撃でもされたのだろうか?


「東風谷早苗――行きます!!」


 最悪の事態が起こっているかもしれない……そう考えた彼女は霊力を開放。一気に加速し、守矢神社へと急ぐ。疲労している身体に鞭打ち、一目散に駆けつけようとした。その時!

 ドゴオオオォォォォォォオォォオオォオォン!!

 轟音と衝撃が妖怪の山に奔る。丁度守矢神社辺りから、ソレは発せられいた……


(まさか……!!)


 悪寒が背筋を駆け巡る。思わず荷物を投げ捨て、さらに速度を上げ、同時にスペルカードもセットし、早苗は突撃した。


「神奈子様あああぁぁぁぁぁぁあぁぁああ!!」


 全身全霊の叫びと共に、彼女は守矢神社へと降り立つ。目を血走らして、神奈子に盾突いた愚か者に制裁を下そうと、辺りを見渡す。


「早苗? そんなに慌てて帰ってこなくても……」

「諏訪子様!? どうして呑気に構えているんですか!! 神奈子様がっ! 神奈子様がっ……!!」

「? 私ならここにいるが?」


 と、上空から神奈子の声が聞こえる。見上げれば、普段通り神奈子様がピンピンしていた。とりあえず早苗は胸をなでおろす。


「よ、よかった~。てっきりグレイ宇宙人に襲撃されて、アブダクションされたのかと……で、こっちで倒れているのが不届き者ですか?」


 ちょうど神奈子様の足元に倒れている青年がいる。身体から湯気が出ているということは、おそらく弾幕勝負で敗れたのだろう。守矢の神に正面から挑むとは……無謀なのか度胸があるのか……


「不届き者? ああ、参真くんのことか……あーうー どう説明したものか……ちょっと長くなるよ?」

「ま、少なくても早苗の考えているような奴じゃないさ。訳あって一戦交えたが……」                 

 ふわりと神奈子様が舞い降りる。そして、二人は早苗に彼のことを話した……


                                        二神説明中……


「なるほど……彼は力の使い方を知りに……」

「そーゆーこと。で、どんなものか見せてもらうために、神奈子と()ったってこと。でも神奈子、後半大人げなかったよ? 参真くんを気絶させることなかったじゃない」

「いやぁ、つい楽しくなっちまってねぇ……まさか一発貰うとは思わなかったよ! おかげでテンション上がり過ぎて……」

「その結果がこれですか。参真さん……南無……って消えてる!?」


 さっきまで確かにいたはずの彼は、いつの間にいなくなっており、そこにあるのは弾痕の残った土地だけだ。慌てて境内を見渡すと……縁側辺りに青い髪の少女がいて、彼を横にして寝かせていた。あの少女は……確か……


「『無害な忘れ傘』……でしたっけ?」


 微妙に違和感がある気もしたが、だいたいあっていたはずだ。人を驚かそうとしてはいたものの、しょっちゅう失敗していたことから、こんなあだ名になった気がする。


「ひ、ひどい! あだ名は『愉快な忘れ傘』だよぅ……あ、でも今は『元』がつくけれど……」


 どうやら聞こえていたらしく、彼女に涙目で返された。だが、たいして気にしてはいないようで、甲斐甲斐しく青年の世話を続けている。にしても、どうしてここにいるのだろうか? 彼女は人を驚かそうとする妖怪だったはずだが……


「ああ、彼女ね……どうも、参真くんに『傘として』拾われたそうだよ? で、そのまま彼の持ち物になったんだって。それは置いていて……早苗、二週間前の新聞あるかい? 確か参真くんについて、かなり詳しく書いてあったと思うんだ」

「あれですね。外来人の方の記事は全部とってありますから、多分ありますよ。少々お待ちをー」


 元々は外の住人だったので、彼女たちは外来人のことが気になってしまう。特に早苗は人間でもあるので、迷い込んだ人々の力になりたいと思っていた。そのため、「文々。新聞」で外来人の情報があれば、とりあえずとっておくことにしている。案の定、まとめて置いてあった新聞の一番上に、彼の記事が載っていた。


「はい、どうぞー ……でも、参真さんでしたっけ? 彼の力に関係あるんですか?」

「うん。仕組みはだいたいわかったんだけど、ちょっと裏付けの証拠が欲しくてね。参真くん本人にも聞かなきゃいけないこともあるけど、まず外堀から埋めちゃおうと思って……五年間山籠りか……さらに『自然か不自然かを見分ける程度の能力』……参真くんの謙虚で朴訥な性格を考えれば……なるほどね」


 古い新聞を眺めながら、一人納得した様子で諏訪子様が頷く。予想通り……ということなのだろう。


「あ! ご主人さま! おはよう!!」

「お、大声出さないでよ……頭に響いちゃう……」

「ふぇ!? ごめんなさい……私のバカバカバカ!!」


 どうやら彼も、目を覚ましたらしい。改めて、早苗は彼を観察する。

 人の良さそうな雰囲気に、青い作務衣、黒髪黒目で、特によくも悪くもない顔。……第一印象としては、「外来人らしくない」と早苗は感じられた。

 と、視線を感じたのか、参真も彼女を見る。その瞳からは……何故か警戒の色が見られた。


「……この方は?」


 たたき起こされ、神奈子様にボコボコにされて、おそらく機嫌が悪いのだろう。かなりぶっきらぼうな聞き方だったが、早苗はビジネススマイルで応じる。


「この神社の巫女の、東風谷早苗と申します。参真さんでしたっけ? 遠路はるばるお疲れ様です」

「あ、うん。僕は、西本参真。こんな挨拶の仕方でごめんね?」


 上体を起こし、早苗に気を使う彼。どこぞの紅白や白黒と違って、礼儀知らずな人種ではないらしい。一段落ついたところで、諏訪子様が一つ、咳払いをする。


「さて、挨拶も済んだことだし……参真くん、本題に入っていいかな?」

「そうでしたね……僕の力について、何か分かりましたか?」


 そっと佇まいを正し、正座で諏訪子様と向かい合う彼。ここから先は、自分の出る幕ではないだろう。そっと早苗は席を外そうとした。


「あ、ちょっといいかい? 早苗」

「どうされました? 神奈子様?」


 その時だった、もう一人の神である神奈子様に、早苗は呼び止められる。特に思い当たる節は――


「いや、早苗は確か買い足しに行ってきたんだろう? 荷物はどこに置いてきたんだい? 今は春先だが、向こうと違って冷蔵庫がないから、早めに蔵にしまわないとまずいと思ったんだが……」

「――」


 ない。と言いたかった。言えれば良かった。というより、永遠に思い出したくなかった。肝心の荷物は、速度を上げるためにパージしてしまって来ている。しかも、急いで来たのに無駄骨だったというオチ付きだ。これで食材全滅の報が告げられれば、参真と同じ目に……いや、下手をしたらそれ以上にひどい目に遭いかねない。妖怪や妖精に取られる前に、荷物を回収する必要がある。


「ごめんなさい! すぐに拾いなおしてきます!!」

「ちょっ!? 早苗!?」


 思い立ったら即実行。東風谷早苗は大慌てで、投げ捨てた食材たちを拾いなおしに行ったのであった……


 キャー東風谷サーン!!

 星蓮船ではお世話になった人も多いはず……Bのボム強すぎでしょう?

 え? テストどうなったかって? 聞いてくれるな……

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