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十八話 からかさの恩返し

 あのあと星蓮船を続けてプレイしてみましたが……幻想郷住民攻撃的過ぎだろ……小傘ちゃんだけじゃなく、他の面々もひどい物言い……なんだか私の小説内のキャラがまとも過ぎて、原作っぽく見えなくなってきた……

 それはともかく、PV30000、ユニーク3000人突破!! 感謝! 感激!! 雨あられでござーい!!!

 星が気絶させられたころ――

 多々良 小傘は、青年を抱え、昨日の部屋へとやってきていた。

 まだ敷いてあった布団に彼を寝かせ、小傘はそっと額に手を当てた。


「うん……大丈夫そう……はやく目を覚ましてね」


 呼吸もしてるし、体温も十分。手加減していたとは言っていたが、黒こげの人間を見てそれを無事だといわれても説得力はない。きちんと自分で確かめたあと……とりあえず手拭いでも頭に乗せようと思い、立ちあがろうとした時――


「……呼んだ?」


最初の方はかすれてよく聞こえなかったが、確かに彼の声がした。そっと振り向くと、青年は上体を起こしてこちらを見ている。それに……何故か、瞳から滴が零れてきているではないか。


「ど、どうしたの!?」

「夢を見ただけだよ……気にしないで」


 そうはいうものの、どことなく表情は暗い。理由はよくわからないが……あまり深入りするのも無粋だろう。一旦、話題を変えようか考えて……その前に、彼に謝らないといけないことに気がついた。


「そっか……あ、今朝はゴメンナサイ……誤解させるようなことをして……」

「うん、すごくびっくりしたよ……気になってたんだけど、君は誰?」

「私は、昨日あなたが拾った傘だよ」


 至極当然のように小傘は宣言。しかし青年は……わけがわからない様子で、しばし硬直したあと……ようやく言葉を紡ぎだせた。


「……ごめん。今なんて?」


 しかし、困惑の色が強く、どうも半信半疑らしい。


「信じられない? 見てもらったほうが早いかな?」


 言うや否や、ポンッと一つ音を立てると同時に、周辺に白い煙が舞い。一瞬でカラカサへの変身が完了する。小傘にとっては大したことないのだが、彼にとっては新鮮なことらしい。ひどく驚いているようだ。


「!!?? どーなってるの!?」

「え? 別に普通……」

「ってうわ!?」

「??? どうしたの?」


 ますます驚く彼。こんだけ驚かれると、ちょっとつまみ食いしたくなるが……とりあえず我慢した。大切な持ち主との会話である。粗相があってはいけないと自戒する。しかし、何をそんなに驚いているのだろう?


「どうしたの? じゃないって……いきなり傘から目玉と舌が出てきたらびっくりするよ。どうなってるのさ……本当に……」

「? そんなことで?」


 基本、小傘は紫の化け傘を差しているが、人型の時なら出し入れ自在で、唐傘状態だと喋ろうとする時に、紫の傘に目玉と舌がついてる傘になる。喋っていなければ、何の変哲もない唐傘だ。特に驚くようなことではないと思うのだが……


「普通の傘が人に化けたり、舌や目が出てきたり喋ったりしないよ……ということは、昨日はずっと、喋らずにただの傘のフリをしてたってこと?」

「そうだよ~それで、あなたが捨てたらまた同じ場所に戻ってきて、うらめしや~って驚かすつもりだったの。でもそのまま使っちゃうなんて……しかも直してくれるなんて思ってもなかった……ありがとう」


 ありのままの事実を青年に告げる。少なくても、彼が直してくれなければ、一生(?)使い物にならなかっただろう。思いが伝わったのか……律儀に彼は「どういたしまして」と返し、話を続けた。


「えっと……それで、これから君はどうするの?」


 この質問の答えは、彼に直された時に決まったようなものだ。小傘は佇まいを正し、


「私はあなたの道具(もの)になります。雨や日差しの強い日に使ってくださいまし~ あ、それだけじゃなくて、簡単な雑用ぐらいなら人に化けでできるよ~」


 ペコリと取っ手を曲げて一礼し、頭(?)を下げる。ついでにさらっと、自分のステータスを彼にアピールするが、彼の反応は芳しくない。渋い顔をして唸っていた。


「いきなりそんなこと言われてもなぁ……僕は傘を直しただけだよ?」

「それが私だったのでーす! だから私は貴方の道具(もの)!! ほら、特に問題ないじゃない!!」


 元気いっぱいに正々堂々と宣言する。未だに頭を抱えながらも、おずおぞと青年は言った。


「『唐傘の恩返し』なんて聞いたことないけど……ほんとにいいの? 結構気まぐれで、色々な所行くつもりだから、傘があるのはありがたいけど……」

「例え雪の中嵐の中! 小傘はあなたについていきます!!」


 ビシィ!! と舌で彼を指差して(?)宣誓。それを見て……はぁ、と彼はため息一つつき――


「そういうことなら……まぁ、よろしく?」


 どうやら小傘のことを認めてくれたらしい。「やった♪ やった♪」と唐傘お化けらしくピョンピョンとび跳ねながら、彼を中心にグルグル回った。……傍から見たら、ホラー以外の何事でもない光景に、青年は顔を引き攣らせる。もちろん、そのことに小傘は気がつかないが、代わりに別のことに気がついた。


「あ!! ごめんなさい!! まだ名前言ってなかった! 『多々良 小傘』と申します!! ふつつかものではございますが、どうか末永くお傍に置いてくださいませ~!!」

「その表現だと、また星さんに誤解されるからやめて……僕は『西本 参真』」


 青年は力なく答える。相当トラウマになってるようだが、当然のように小傘はスルー。「参真♪ 参真♪」と今度は名前を呼びながら、ピョコピョコ跳ねまわる。相変わらず異様な光景にげんなりしながら、彼の一日は幕を上げたのであった――


 こがさ が なかまになった!! 

 半ば勢いで小傘回作ったら、参真クンのパーティーになっちゃったよ……本来のシナリオなら出番あるかどうかも怪しかったのに……ま、まぁ一人で幻想郷を回らせるのも寂しい気もしますし、いいんですけどね? 正直なところ、勝手にキャラが動いて驚いてます。ああ、人を驚かす程度の能力ってそういう……

 そして再び独自設定。小傘ちゃんが傘になってる時に喋ってたら、普段彼女のもってるアレになります。だんまりしてれば、あの傘に目と口がない状態に。……そこ、ナス言わない。でも気持ちはわかりますよ? 何せ作者の脳内ではナスになってしまいましたかr(ピチューン!

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