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十六話 明朝の騒動

PVアクセス二万、ユニーク2500到達! 

元気出てきた! 一日に二話投稿しちゃうんだZE☆

追記:オウフ。ミス八犬伝……修正いたしました。

「参真さん――あなたという人はっ!! ここは神聖な寺ですよ!? 見知らぬ女性を部屋に連れ込み、一

緒に布団で眠るなど……!! あの娘は誰ですか!?」

「だから、僕にもわからないって言ってるじゃないですか! 目が覚めたらあの状態だったんですよ!」


 今朝、命蓮寺では朝早くから喧騒が響いていた。

 なんでも参真の部屋に見知らぬ少女がいて、一緒の布団で寝ていたという。

 第一発見者の星は二人を引き離して、起きていた参真をお説教。正確には、少女はいくらやっても起きなかったらしいのだが……


「そんな都合のいい話がありますか! 私の前であまり嘘を言わない方がいいですよ!?」

「ホントに何もわからないんっですってば!!」

「ええい!! だまらっしゃい!!」


 先ほどから星と参真はこの調子で、話が一向に進まない。横目でその様子を見つつ、一輪はお茶を啜った。


「雲山……どう思います?」


 彼女のが使役している入道に話しかける。すると、フワフワ漂っていた小さな雲が集まり、オヤジのような顔を形作る。そして、一輪にしか聞こえない声で答えた


『……嘘を言っているようには見えん。参真の性格を考えると、女性を連れ込むような不埒な輩ではないはず。かといって、あの娘がいたのも事実……彼女の話を聞くしかないだろうな』


 至極真っ当な意見に、一輪も頷く。今までこれだけの女性に囲まれていながら、邪気の一つも洩らさなかった参真だ。その彼が、やましい気持ちを持って、よそ者の娘と寝るなど考えにくい。


「いや~参真君も大胆だね……なかなか可愛らしい子じゃない。いつ連れ込んだんだろう?」


 謎の少女のほっぺたをつつきながら、この状況を楽しむように村紗が言う。聖とナズーリンは、朝食を作っているためこの場にはいないが、後のメンバーは参真にあてがった部屋の前に来ていた。


「そうだよね……物音とか一切しなかったし、誰も気がつかないなんてことあるのかな? 私の能力ならなんとかなるかもしれないけど……」


 それについて一輪は、ぬえと同意見である。参真の能力では気配などどうにもならないし、これだけの人数と実力者がいて、誰も気がつかないのはおかしい。一輪としては、ぬえが手を貸したのでは……などと思っていたが、今の発言でそれもなくなった。とそのとき、微かに彼女がうめいた。ようやく眠りから覚めるらしい。


「ん……ふぁ~……あれ? あなたたちは誰?」

(((((それはこっちのセリフです……)))))


 開口一番に、全員からツッコミをもらう羽目になる彼女。しばらくきょろきょろしていたが、参真を視界に捉えると……エヘヘと照れたように笑いかけた。


「あ、おはよ~昨日はありがとう。風邪ひいてない?」


 青年を気遣っている様子だが、当の参真は訳がわからないようだ。生返事で「うん。大丈夫……」とだけ答えて、困惑を深めている。見かねた星が二人の間に割って入り、


「単刀直入に聞きましょう。昨日、あなたたちは何をしていましたか?」


 疑問を消化するための質問を少女へ向けた。皆も注目するなか、彼女は嬉しそうに話す。


「昨日ね……雨の中捨てられていた私を、彼が拾ってくれたの。私はすごくみすぼらしい恰好だったから、『すぐにまた捨てられる』と思ってたんだけど……彼はすごく優しくしてくれて……ちゃんと私のことを見てくれて――だから、私は彼のモノになるって決めたの!」


 ……正直なところ、話が全く見えてこない。冷静に見れている一輪たちからすれば、そう感じられた証言だったが、まずいことに彼女は地雷を――特大の、しかも参真にとっての地雷を――全力全開で踏み抜いてしまっていた。

 話を聞いた星は、「にいいぃぃぃっこり」と……顔だけの笑顔を浮かべ、静かにいう。


「なるほど……お二人の関係はよーーーくわかりました。あなたは、なかなか複雑な事情をお持ちのようですし、正直に話したので不問としましょう。ですが……『参真サン』」


 最後の言葉を発した瞬間、部屋の温度が一気に10℃ほど下がった気がする。それほどの冷気と怒気を纏った声が部屋に響いた。それを直接受けていない一輪たちも、思わずたじろぐほどの気を放出しながらも、先ほどと変わらぬ『笑顔』であることが恐ろしい。


「……もうこれで言い逃れはできませんよ? さぁ……お前の罪を数えろ!!」

「そ、それでも僕はやってない……!」

「問答無用!! 全弾持って逝きなさい!!」


 叫び声とともに、星は妖力を完全開放。無数のレーザーと弾幕が、一斉に彼に襲いかかった。

聞くに堪えない絶叫が、命連寺に響き渡る。爆炎が消えた後に残っていたのは、こんがり焼け過ぎてウェルダン状態の「人のような何か」のみ。


「だ、大丈夫!?」


 水色の髪の彼女は、彼のことを良く思っているらしい。悲鳴に近い声をあげて、参真の介抱に向かっていく。残された三人と入道は、星を決して怒らせてはいけないと、心に刻みつけたのであった……


小傘ちゃんも嘘はついていないんですけどね~ 星が「ピー」な関係と勘違いしてますからね。そういう視点で小傘のセリフを聞くと、すごくそれっぽく聞こえますよ。お試しあれ☆

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