表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/131

十五話 命蓮寺の珍事 青年の喜劇?

小傘ファンの皆さま! お許しくださいっ!!

 翌日――命蓮寺の一室にて――

 夜遅くまで作業を行っていた青年は、未だまどろみの中に意識を置いていた。

 しかし、そのまどろみが妙に心地いい。外にいたころは、寝袋で寝るのが日課だっただけに、とっとと起きてしまいたいという気持ちが強かったのだが、命蓮寺の布団があまりに良いもので、布団で寝るのがこれほど気持ちいいものだったかと、実感させられることとなった。そして今も、自分はその心地よい場所にいるのだが……


(ふとん……敷いたっけ……?)


 まだ意識がはっきりしないが、確か昨日はあのまま眠ってしまったような気がする。おまけに、布団だけにしては妙に温かいし、柔らかい感触と甘い匂いもする。まだ眠りたいという欲求を抑え、寝ぼけ眼を擦りながら開くと――


「すー……すー……」


 目の前に女性が――見ず知らずの女性が――同じ布団で寝ていて、しかも自分に抱きついているではないか。


「……ゑ?」


 たっぷり三秒、参真は硬直した。夢を見ているのではないかと現実逃避しようとしたが、彼女の健やかな吐息が、嫌でも現実であることを認識させる。健康的なうなじがのぞき、赤い唇は熟れたリンゴのよう。それと対照的な涼しげな水色の髪を持ち、肌つやも非常に良い……思わずゴクリと、生唾を飲み込む。


(ちょ……! 色々まずいって……!!)


 実のところ、参真は女性への免疫は皆無だ。幼いころに母が離婚し、さらに絵を描くことに夢中だったせいで、「被写体」として女性を見ることはできても、『女』として女性を見たことなど一度もない。おそらく、『鈍い』部類に入ると自覚はしているものの――さすがにこれは、意識せざるを得なかった。


「ん……」

「!!?!!!!???!?!?」


 理性に追い打ちをかけるように、彼女が強く参真を抱きしめる。男性にはない膨らみが押しつけられ、年頃の娘の持つ香りが鼻腔をくすぐった。


「お、起きてー……お願いだから……」


 耳元で囁きながら、肩を強く揺する。本当は大声で起こしたいところだが、もしそんなことをして誰かにこの状況を見られたら――


「参真さん! いつまで寝ているので…す……か…!?」


 終わった。

 もう色々と終わった。

 自分は間違いなく無罪だろう。何せなにも知らない。何かしたとするならこの女性であり、参真は巻き込まれただけだろう。

 けれども男性というものは、だいたい悪者扱いされる訳で――そんな主張など、きっと意味のないことだ。現に――


「参真さん! 一体何をしたんですか!? 何を!!」


 顔を真っ赤にして怒鳴っている毘沙門天の弟子は、こっちの言い分など聞いてくれそうになかったのだから。


うん。やっちゃったんだZE☆

前のタイトルで、「ゆうべは、おたのしみでしたね?」を使ってしまったことを激しく後悔することになりましたorz うん。小傘が出てくるシナリオは思いつきだから仕方ないね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ