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百十二話 紅魔館大騒動

 久々の……というか、紅魔館組初めての日常回だヒャッハー!

 二人の告白の、翌日。

 青年は探し物をするために、紅魔館の図書館へと来ていた。


「パチュリーさん。ちょっと本を探してもらいたいんですが……」

「あら珍しい。それで、何の本? 魔道書関連じゃなきゃ借りてってもいいわよ。あなたなら、そのまま持って行くってこともないでしょうし」


 比較的親切な対応に安心しつつ、彼はおずおずと口にした。


「えっと……恋愛とかのハウツー本ってあります?」

「むっきゅん!」


 意外すぎる単語に、思わず変な声を上げてしまったパチュリー。

 まさか、この青年から、「恋愛」などという単語が出てくるとは思ってもいなかったのだ。よくよく見ていれば、青年がそわそわしていたのに気がついたはずなのだが、しかし読書中だったパチュリーはそれに気がつかなかったようだ。


「こああ! お相手は誰ですか!?」


 その場に居合わせた小悪魔も動揺しつつ、しかし意中の相手が誰かを尋ねてきた。参真は少々の躊躇の後――顔を赤らめ、俯きつつ言おうとする。


「それは――」

「参真! 聞いたよ!! 私との付き合いを真剣に考えてくれてるんだね!!」

「フ、フランちゃん!?」


 先ほどの発言を、扉越しに聞いていたらしいフランが、嬉しさ爆発と言わんばかりに飛び出してきた。その背後で――レミリアが仁王立ちしているのをみて、参真は顔を青くした。


「参真……どういうことか、説明してもらおうかしら?」


 ドスの効いた声が、図書館に響く。慌てて参真は弁解するのだが、


「い、いや、これは誤解で――」

「えっ? ……違うの?」


 今度はフランの方がショックを受けているようで、その場で棒立ちしている。


「なんてこと! 参真を寝取った泥棒猫を退治しないと!!」

「難しい言葉を知ってるね!? って――ストップ! 小傘ちゃんには手を出さな……あっ」


 言ったあと、やらかしたと参真は思った。自分から相手をばらしてしまったのだから。


「小傘……って、あの青い髪の子? へー……ああいうのが好みなんだー。てっきり咲夜か美鈴かなーと思ったんだけど」

「ふーん……まぁ、いつも一緒にいるし、いいカップルなんじゃない?」


 今にもかけだしそうだったフランは、その場で落ち着いている。どうやらフェイクだったらしい。完全に騙された。よくよく考えれば、相手が誰かもわからないのに、突撃など出来るはずがなかった。

 ……むしろ、レミリアの方が真剣だったようで、今はほっとした様子だ。妹を取られるのが、よほど嫌だったらしい。


「こあこあこあ! お似合いですよ!」

「……人間辞めたくなったら、手伝いぐらいはしてあげるわ」

「え、えっと……あの……その」


 周りの反応に、振り回される参真。そこに、レミリアが追い打ちをかけた。


「いいことを思いついたわ! 結婚式の式場に紅魔館を使っていいわよ。準備とかは全部こっちでするから、あなたたちは存分に祝福されなさい」

「いや、気が早いですよ!? まだ一緒に寝たりしただけですし。キスも一回だけ――」

「キスしたんだ? 私以外の女と。しかも、一緒に寝るなんて……私も参真と一緒に寝る!」

「目が恐いよフランちゃん! そしてグングニル構えないでくださいレミリアさん!!」


 さっきとは表情を一変させ槍を投擲しそうなレミリアを、慌てて制止する参真。まともに食らったらミンチ確定である。


「お姉さま……参真に手を出したらお姉さまでも許さないんだから!」

「う……! うーっ……」


 今にも泣きそうになりながら、しぶしぶ真紅の槍を下ろす。妹の言うことには、素直なようだ。フランは腕にしがみつきながら、参真に駄々をこねる。


「ねぇいいでしょ参真! 一緒に寝よ!!」

「い、いや、寝る時間とか合わないし……って――」

「ご~主~人~さ~ま~?」


 騒ぎを聞きつけたのだろう。嫉妬心全開の小傘がそこにいた。


「来たね! 泥棒猫!!」

「……よくわかんないけど、ご主人さまは私のだもん!」

「ふ、二人とも喧嘩はダメだよ!?」


 危うく取っ組み合いの喧嘩になるところを、参真が仲裁する。すると、フランは笑顔で、小傘はむすっとしたまま返事をする。


「はーい」

「む、むぅ……」

「あ、でもキスしたのは私が先だからね!」

「ふ~ん! 私の方が一緒にいるから、ご主人さまのこと色々知ってるもん!」

「口喧嘩を始めた!? レミリアさん止めるの手伝って!」


 妖怪の力は強いから、力ずくで止めるという選択肢はない。そこで、吸血鬼の姉に協力を頼んだのだが……


「うー……うー……」

「ガチ泣き!? だ、大丈夫ですよ。大事な妹さんを取ったりしませんから!」


 いつもの威厳ある姿はどこへやら。その場にうずくまって泣き始めてしまっている。


「え~私は別にいいんだけどな~?」

「ご主人さまを困らせるようなこと言わないの!」


 場の混乱は、加速的に増していく。そんな中――


(ああ……お嬢様の泣き顔……可愛い……)


 廊下で独り、咲夜は忠誠心をあふれ出していたのであったとさ。


 という訳で、ダメイドとカリスマブレイクが入りました。

 カリスママックスのレミリアが好きだとは言ったが、書かないとは言ってないっ!! 前にも書いたような気がしますが、カリスマブレイクもこのキャラの持ち味だと思っていますので。というか、久々にギャグパート書いたなぁ……

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