表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/131

八十八話  湖の先の館へ

 こんなに投稿続いたの久しぶりじゃないだろうか……調子はそこまでよくないんですが、集中自体が出来てるみたいですね。

 昔、チルノたちと遊んだ湖を抜けたその先に、真紅の館はそびえ立っていた。


「おお……大きい……」


 向こうの世界だとしても、この屋敷は豪邸の部類に入るであろう。各所には細かい装飾がなされ、周辺には侵入者を阻むように塀がそびえ立つ。唯一の出入り口である門には、中国の民族衣装を纏った『人外』が門を守っていた。

 ……ただし、眠って。


「「「……」」」


 三人とも、言葉が出ない。確かに門番の仕事はヒマな時もあるだろう。しかし眠ってしまっていては、その意味がない。


「美鈴……!」


 咲夜が怒りを込めたチョップを頭部に決めると、「いたぁ!?」と可愛らしい声を上げて飛び起きた。


「ハッ!? さささ咲夜さん!? と……そちらの方は?」

「お嬢様が連れてこいと昔言ってた人よ。……お客様の前だからナイフはやめておいてあげる」

「ご、ごめんなさい!!」


 素早く身をかがめ、咲夜に土下座する。どうやら立場としては、咲夜の方が上らしい。


「今日は見逃してあげるけど、これ以上やったら給料カットね」

「ヒィ!!」


 切実な悲鳴を洩らす人外さん。……こういうのもなんだが、ものすごく動作や雰囲気が人間に近い。能力がなかったら、人間と勘違いしていたかもしれないと、参真は思った。

 落ち込んでいた門番に、小傘が元気よく声をかけた。


「お仕事がんばって! えっと……」

「あぁ、ありがとうございます! 私は紅 美鈴。紅魔館の門番を務めていますよ!」

「さっきまで寝てたけどね」

「あはは……これからお世話になります。でいいんでしょうか?」

「それはお嬢様次第よ」


 咲夜はあくまでクールに返した。それとは対照的に、門番の人は明るくこちらに手を振ってくれている。根はいい人そうだ。

 門をくぐった先で、広大な庭が彼らを出迎える。少しばかり屋敷の扉までは距離があった。咲夜が先に扉を開いて、


「さ、どうぞ参真様」


 恭しく頭を垂れて、参真をもてなす。それにならって参真たちも、


「それじゃあ……お邪魔します」

「お邪魔しまーす!」


 紅魔館内部へと足を踏み入れた。

 内装も豪奢の一言で、まさに『お屋敷』だ。


「ほへ~すっごいね~」


 行くことには反対気味だった小傘も、いざ来てみるとそれなりに楽しんでくれているようで、参真としては一安心である。相変わらず咲夜は参真たちを先導してくれているが、この後の予定はどうなっているのだろう?


「あの、咲夜さん」

「なんでしょうか?」

「この後、直接……あなたの主さんに会いに行くんですか?」

「いえ、今はお休みになられているので、夜に改めてです。とりあえず今は、客室に向かっております。荷物などは一旦そこに置いてもらう形にしようかと。一息ついてから、この紅魔館を案内いたしますわ」

「助かります」


 客人を相手にするのは、初めてではないのだろう。説明も手慣れた様子だ。


「わぁ! すっごいすっごい!!」

「……小傘ちゃん。少し落ち着いて」


 落ち着いている参真、咲夜に対して、小傘は豪邸に入るのが初めての子供のようにはしゃいでいる。本当は彼女も楽しみだったのかもしれない。


「だって、こんなすごいところだよ? ご主人さまだって、本当はすぐにでも絵にしたいくせに~」

「何 故 バ レ た し」

「もう結構一緒にいるから、それぐらいわかるよ」


 などと話している間に、客室に着いた。中はホテルのようにぴかぴかで、ここの掃除をした人間がいかに几帳面かがよくわかる。


「それでは、少し時間が経ったら案内させていただきますわ」

「どうもすいません。案内もよろしくお願いしますね」


 メイド長は門前のように頭を下げると、次の瞬間には『消えて』いた。

 まるで手品か何か見せられたような気分だ。彼女の能力か何かだろうと察しをつけ、参真はソファーに腰を下ろす。


「わぁ! ベットだベットだ!!」


 変わらない様子の小傘に苦笑しつつ、参真は早速、未使用の鉛筆を取り出す。今の内に香霖堂で買った物の整理をしておこう。リュックを広げ、参真はごそごそと、整理を始める。


「私も手伝うよご主人さま!」

「ああ、ありがとう。助かるよ」


 そこに小傘も加わり、二人は時に談笑して手をとめたりしながら、咲夜さんが再びやってくるまで、荷物の整理をしていた。


 小傘は予定より子供っぽくなっちゃいました。

 参真君ははしゃぐような性格じゃないし、それ考えると、彼女が盛り上げ役に適任だなぁと。そういう意味じゃ、本当に小傘がいてくれてよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ