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苦手な方はご注意ください。

ノリと勢いだけで『桃太郎』を書いてみた!

作者: 鏑木 翼

 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。きょうもいつもと変わらず、おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。


 おばあさんが川で洗濯をしていると、川の上流から大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。

 

 桃に気がついたおばあさんは、その桃をすくいあげました。桃は、おばあさんの両手にはとても収まりきらないほどの大きさでした。おばあさんは、桃をおじいさんと一緒に食べようと思い立ち、家に持ち帰ることに決めました。

 

 おじいさんが柴刈りを終え、家に帰ると、そこにはすでに切り分けられた桃が置いてありました。おばあさんが言うには、川を流れてきた桃とのことです。おじいさんは、ただの桃がたまたま川を流れてきたのだろうと思い、なんの躊躇ためらいもなくその桃を口に放り込みました。おばあさんもそれにならい、桃を口にしました。

 

 ふたりが身体の異変に気がついたのは、それからすぐあとのことでした。全身に血液が巡り、力がみなぎってくるような、そんな奇妙な感覚をふたりともが感じたのです。おばあさんはこのところ腰が曲がりぎみになっていましたが、それも嘘のように、いまはピンと腰を張ることができます。おじいさんはこのところ身体の節々が痛んで仕方がなかったのですが、それもすっかり治ってしまったようなのです。そのほかにも、身体のありとあらゆる不調が、まるで最初から存在しなかったかのように、みるみる消えてゆきました。ふたりは息を弾ませて、顔を見合わせました。誰から教えられたわけでもありませんがしかし、ふたりのあいだには奇妙な確信が得られつつありました。そしてその晩、ふたりは何十年ぶりかの熱い夜を過ごしました。まるでむかしに戻ってしまったかのような、そんな一晩でした。


 さて、ふたりが桃を口にしてから一年と経たず、おばあさんはおじいさんとの子どもを産むに至りました。産まれてきた赤ん坊は、元気な男の子でした。ふたりは赤ん坊に桃太郎という名前をつけ、大事に育ててゆきました。

 

 おじいさんとおばあさんにとって、桃太郎との日々はまるで夢のような日々でした。おじいさんとおばあさんはどんどん若返ってゆくかのように、精力的に桃太郎を育みました。

 

 桃太郎は、ふつうの人の倍ほどの速度でぐんぐん成長してゆきました。八歳になる頃には、桃太郎はもう成人の背丈になっていました。おじいさんとおばあさんは桃太郎の成長を心の底から喜びました。桃太郎も、おじいさんとおばあさんを大切にする親孝行な息子に成長しておりました。

 

 そんな幸せな生活に不穏な影が差したのは、桃太郎が九歳となったある日のことでした。普段はだれも来ないおじいさんとおばあさんの家に、ひとりの男がやってきたのです。

 

 それは、ひどく怪我をしてやつれている男でした。男は意識も朧気おぼろげなままふらふらと歩きさまよい、なかば倒れ込むように、家の庭へと飛び込んで来たのでした。

 

 おじいさんとおばあさん、そして桃太郎はその男を献身的に介抱してやりました。その甲斐あって、男はぐに話ができるまで回復しました。

 

 男の話によれば、彼はここから四里ほど離れた村で暮らしていたとのことでした。しかし、その村が鬼に襲われ、命からがら逃げてきたということのようです。桃太郎はそのときはじめて「鬼」という言葉を耳にしました。桃太郎は男に、鬼とはどんなふうなのかと尋ねました。男は、鬼というのは全身が赤く、角の生えた人の心をせない怪物だと答えました。桃太郎は生まれてはじめて、その身を揺るがすほどの怒りというものを感じました。鬼は絶対に許さない、この手で成敗せいばいしてくれる、と桃太郎は心に誓ったのでした。


 男の話によれば、鬼たちは鬼ヶ島という島に暮らしているとのことでした。桃太郎はすぐにでも鬼たちを退治しにいこうかと思いましたが、鬼ヶ島までは徒歩と船で五日かかるほどの距離であるということがわかり、やむを得ず準備を整えてから出発をすることにしました。

 

 おじいさんとおばあさんは鬼退治に反対しました。大切な息子を、危険に晒したくなかったのです。しかし、桃太郎は()()でも動きません。桃太郎は自分の四倍はあろうかという大岩を持ち上げられるほどの怪力に恵まれておりましたから、おじいさんとおばあさんでは無理やり止めることなどできる訳もありませんでした。おじいさんとおばあさんは、泣く泣く桃太郎が鬼退治に行く準備を手伝うことになりました。

 

 その次の朝のことです。おばあさんがいつものように川で洗濯をしていると、なんとあの桃がもう一度、どんぶらこ、どんぶらこと川の上流から流れてきたのです。おばあさんは驚くと同時に、これは天からの贈り物だと思いました。この桃は桃太郎に力を与えてくれる、そんな確信がおばあさんの中に、にわかに芽生えました。おばあさんは桃をすくい上げ、家に持ち帰りました。桃は前のものとほとんど同じ大きさのようでした。

 

 家に帰るなり、おばあさんはその桃を桃太郎に直ぐにでも食べさせようとしましたが、思い留まりました。おばあさんは一度その桃を食べたことがありましたから、桃の効き目は、食べたそのすぐあとが一番だということを知っていたのです。あのときの、あの夜の、あの力のみなぎる感覚が桃太郎にも宿ったなら、いくら鬼でも桃太郎にかないはしないでしょう。桃太郎には鬼ヶ島に着く直前にこの桃を食べてもらおう、おばあさんはそう考えました。しかし、それには問題がひとつありました。いまは夏真っ盛りです。生の桃を持ち運ぼうものなら二日と持ちません。鬼ヶ島へは五日かかります。さて、どうしたものか……。おばあさんは考えを巡らせました。


 やがておばあさんは、桃を団子にしようと思い立ち、桃をすりおろして団子の生地に練り込みはじめました。団子ならば五日で腐ることはありません。おばあさんはせっせと桃入り団子を作り、腰につける巾着袋にその団子を入れました。

 

 出発の日となりました。おじいさんとおばあさんは涙ながらに無事を願いながら桃太郎を見送りました。鬼から逃げてきたあの男は、桃太郎に深く頭を下げ、無事に帰ってこいと桃太郎を激励げきれいしました。男は、本心では()()顛末てんまつを知りたいと思っていましたが、いつまでも世話になるのは悪いと、桃太郎を見送ったあとでこの家からは出ていくことになっていました。こうして、桃太郎の鬼退治の旅がはじまったのでした。


 おばあさんは桃太郎に、鬼ヶ島へ行って帰ってくるのに充分な量の食糧しょくりょうを持たせていました。もちろんあの桃入りの団子も忘れていませんが、団子は鬼ヶ島に着く直前まで食べてはいけないと、桃太郎はおばあさんに言いつけられていたのでした。

 

 家を出て一日ほど歩いた道でのことです。桃太郎の眼前に突如として野良犬が飛び出してきました。桃太郎は犬を避けて先に進もうとしましたが、犬は桃太郎の前にぴったりとくっつき、道を塞いでしきりに桃太郎に向かって吠えています。どうやらこの犬はお腹が空いているらしいと気が付いた桃太郎は、自分の食糧を犬に分け与えることにしました。犬は勢いよくそれにかじりつきました。やがてすっかり食べ終えると、犬は満足気に桃太郎にすり寄りました。桃太郎は犬を振り払い先を急ごうとしましたが、犬は桃太郎の後ろにくっついて離れません。仕方なく桃太郎は犬を家来だと思って鬼ヶ島まで連れてゆくことにしたのでした。

 

 あくる日、桃太郎と犬が森の中を歩いていると、頭上の木々から木の実が落ちてきました。はじめは気にも留めませんでしたが、あまりにもしきりに落ちてくるので、桃太郎は不審に思って頭上によく目を凝らしてみました。すると、木の枝がガサガサと動いて、葉の影から一匹の猿が現れました。猿は明らかに桃太郎に向かって木の実を投げつけてきています。木の上から小馬鹿にしたような声を発しながら木の実を投げつけてくるその猿に嫌気が差した桃太郎は、猿が投げつけてきた木の実のひとつを手に取るなり、頭上の猿に向かって思い切りその木の実を投げつけました。こん、という音がして桃太郎の投げた木の実は猿の額に激突しました。猿はそのまま後ろへ倒れ、どさりと地面に落ちてきました。

 

 桃太郎はこれ以上猿に構わず、先を急ごうと歩きはじめましたが、なぜか猿は桃太郎の後ろをついてきました。桃太郎は猿を追い払おうとしましたが、猿は桃太郎から離れようとしません。やがて桃太郎は、猿が自分の腰の巾着袋を狙っていることに気が付きました。もし、そこに入っているのがただの食糧だったのなら桃太郎は猿にそれを差し出していたでしょうが、そこに入っているのはあの大事な桃入り団子です。鬼ヶ島に着くほんの少し前までは食べる訳にはいきません。団子を猿に差し出すことと、鬼ヶ島まで猿に付きまとわれることとを天秤てんびんにかけ、桃太郎は後者を選択することにしました。こうして、桃太郎は犬と猿を家来として引き連れることになりました。

 

 そして、もうすぐ海岸に着くというときのことです。桃太郎はキジが道端に倒れているのを発見しました。はじめは死んでいるのかと思いましたが、どうやらまだ生きているようです。桃太郎は近くの川から水を汲んで来て、キジに与えました。しばらくするとキジはすっかり元気を取り戻し、例によって例のごとく桃太郎から離れなくなりました。桃太郎はまたか、と思いましたが、キジも家来の仲間に入れてやることにしました。

 

 桃太郎は道中、家来の動物たちに、持ってきた食糧を分け与えていました。そのため、十分にあったはずの食糧は、鬼ヶ島に着く前に底をついてしまいました。しかし、桃入り団子だけは、おばあさんの言いつけを守り、一切手をつけてはおりませんでした。


 桃太郎たち一行は海岸へとたどり着きました。そこで船頭せんどうをつかまえて、鬼ヶ島まで船をだしてもらいました。

 

 鬼ヶ島が眼前に大きく広がってきたときになってはじめて、桃太郎は腰に着けていた団子に手をつけました。桃太郎は団子を家来である犬、猿、キジにも分け与えてやりました。桃太郎はすぐさま、身体にみるみる力がみなぎってくるのを感じました。血液が全身にくまなく巡り、どくんどくんと激しい音を立てています。桃太郎はいてもたってもいられず、いますぐに飛び出して暴れたいような心持こころもちになりました。船から海に飛び込まないように自分を抑えるので精一杯なほどでした。桃太郎はふと、自分はいつまで理性を保っていられるのだろうかと不安になりましたが、全身を包み込む興奮が直ぐにその不安を吹き飛ばしてしまいました。こうして、桃太郎は飛び跳ねるように船を降り、鬼ヶ島へと上陸したのでした。

 

 鬼ヶ島へと降り立った桃太郎たちの前には大きな山がそびえており、桃太郎たちはその山を登らなくてはなりませんでした。決して楽な道のりではないように思われましたが、桃太郎は身体の奥底から無尽蔵むじんぞうに湧き出る高揚感に突き動かされ、あっという間に山を登ってしまいました。もちろん家来たちも、桃太郎の後ろにぴったりとくっついて来ていました。

 

 やがて山の頂上に立った桃太郎は、眼下に鬼ヶ島の里を臨みました。しかしながら実を言うと、このとき桃太郎は少しばかりの肩透かしを食らっていました。なぜなら、鬼ヶ島のその里は、どう見ても普通の里だったからです。桃太郎は、心の奥で、もっとおどろおどろしい、瘴気しょうきに満ちた場所を想像していたのでした。しかし、いくら想像と違えど、ここまで来てしまったからには行くしかありません。桃太郎たちは山を駆け下り、その里へと侵入しました。

 

 桃太郎たちは、里のなかほどまでやってきました。しかし里には、鬼であると思われるような存在はいませんでした。その里にいるのは、ごく普通の、ただの人間だったのです。あの男が言ったような、赤く、角の生えた怪物は辺りを見回してもどこにもいません。鬼ヶ島は狭い島ですから、ここ以外に里の気配がないことはさっき山の上から見て知っています。桃太郎の頭に、このまま引き返そうかという考えが浮かびかけましたが、それは風前の灯のように直ぐに消えてしまいました。桃太郎は溢れ出る情動じょうどうに突き動かされ、理性を失ってしまっていたのです。桃太郎は何を考えるよりもまず先に腰にたずさえた刀を抜くと、目の前を通った人を思いきり斬り付けました。その人は悲鳴をあげる間もなく、ばたりとその場に倒れました。周りの地面に赤い鮮血が広がってゆきました。

 

 それを目の前で見た人が、ぎゃあと叫びました。桃太郎とその家来たちは、その叫びに呼応こおうするかのごとく、一斉にあたりの人々に襲いかかりました。桃太郎は手当り次第に人を斬り倒してゆきました。犬は人々の手足を噛みちぎり、猿はとにかく皮膚を引っ掻き、キジは身体のあちこちをくちばしでつつきました。

 

 やがて桃太郎の目の前には、刀を構えたひとりの男が立ち塞がりました。さて、桃太郎の生まれ育った家には刀こそありましたが、桃太郎は刀の振り方を誰にも教わったことはありません。当然、剣道の心得など桃太郎にはあるはずもありませんでした。桃太郎は相手に向かって、力任せに刀を振り下ろしました。相手の刀に桃太郎の刀が勢いよくぶつかったと思うと、次の瞬間に相手の刀はぽっきりと折れてしまいました。桃太郎はそのまま相手を斬り付けました。刀を持った者たちが、桃太郎の前に次々と現れてゆきます。しかしその誰も、暴れ狂う桃太郎を止めることなど出来ません。桃太郎はまるで飛んでいる羽虫を振り払うような様子で、次々と人を斬り倒してゆきました。桃太郎の持つ刀はどんどん刃こぼれして、切れ味が悪くなってきていました。けれども、そんなことなど桃太郎は気にも留めません。いくら斬りにくかろうがその怪力を活かし、力任せに目の前の者すべてを斬り捨ててゆくのでした。

 

 間もなく里は、人間の四肢ししや身体の残骸ざんがいが散らばり、どこもかしこも赤く染まる地獄絵図へと変貌しました。もはや立っている人もほとんどいなくなったそのとき、桃太郎は少し離れたところにある蔵の入口の前に、刀を構えた男が十人ばかり立っていることに気がつきました。どうやら蔵を死守するつもりのようです。桃太郎は蔵の方へと近づいてゆきました。

 

 桃太郎が蔵の入口の前に来ると、刀を構えた男たちは一斉に桃太郎に襲い掛かりました。桃太郎といえど、十人を相手にするのは至難の業でした。桃太郎はその身体を何度も斬られました。しかし、いまの桃太郎は痛みなど感じません。受けた傷の痛みは瞬時に快感へと変わり、全身を駆け巡ります。傷を受ければ受けるほど、桃太郎はより強く刀を振り下ろすようになるのでした。桃太郎が着ている青い半纏はんてんは、もはや元の色が分からないほど返り血で赤く染まっていました。ひとりの男が、桃太郎の前髪を掴みました。桃太郎はすぐさまその男を斬りましたが、掴まれた前髪にはべっとりと血がつき、そのせいで髪は重力に逆らったまま固まってしまいました。まるで桃太郎に角が生えたかのようでした。

 

 やがて、残すは桃太郎含め四人となりました。残された蔵の前の三人は、もはや桃太郎に勝つすべはないと悟り、桃太郎の前に横並びになって土下座をしました。三人のうちひとりが、「この蔵にあるものは全部ほかの集落から強奪ごうだつしてきたものだ」と言いました。続けてその隣の男が、「蔵のものはすべてやるから命だけは助けてくれ」と桃太郎に嘆願たんがんしました。しかし、桃太郎は聞く耳を持ちませんでした。桃太郎が三人の横に立ったかと思うと、土下座をしている三人の首は一斉にぼとりと地面に落ちました。辺りには相変わらず血の匂いが強烈に漂っていましたが、まるで先刻の大混乱が嘘であるかのように、辺り一面は海の波の音までもが聞こえるほど静まり返ってしまったのでした。

 

 桃太郎が蔵の扉を開くと、その中には金銀財宝がこれでもかというほど詰め込まれていました。鬼ヶ島には赤い鬼はいませんでしたが、鬼ヶ島の人々がほかの村や町を襲っていたことは紛れもない事実だったようです。桃太郎は、蔵の中のものをすべてもとあった場所へ返そうと決心しました。桃太郎は徐々に冷静さを取り戻しつつありました。


 桃太郎はひとまず、持てる限りの財宝を持って家へと帰りました。おじいさんとおばあさんは桃太郎の無事を喜びましたが、ふたりがいくら訊ねても、桃太郎は鬼ヶ島の仔細しさいを語ろうとはしませんでした。その後桃太郎は、長い時間をかけて蔵のものをすべて運び出し、鬼に襲われたという集落を巡っては財宝を元の場所へと返してゆきました。桃太郎は行く先々で感謝され、賞賛され、金貨や財宝を桃太郎にみつぐ人々も数多く現れたほどでした。

 

 やがて運び出しが終わると、桃太郎の手元には、この先ずっと幸せに暮らしてゆけるほどの財産が残りました。しかし、桃太郎の心中はあまり穏やかではありませんでした。

 

 今回、桃を食べたことが結果として善行に繋がったのは、とても幸運なことだったのではないかと、桃太郎はそう考えるようになっていました。もし、あの興奮状態で他の町へ行っていたらどうなっていたことでしょう。実際、桃太郎は鬼ヶ島の人々が本当に悪人たちであるのかどうか、それを確かめないまま鬼ヶ島の人々を斬りはじめていました。あの桃がある限り、いつどこで桃が原因の悲劇が起きてもおかしくはないと、桃太郎はそんなふうに考えを巡らせるようになっていたのです。

 

 桃太郎はすべての財産をおじいさんとおばあさんに譲り、自分は川の上流へと旅立つことに決めました。あの桃は上流から流れ着いたものです。つまり、あの桃のなる木が、あの川の上流にはあるということになります。桃太郎はその木を見つけて焼き払ってしまおうと、そう心に誓ったのです。

 

 そしてある日突然、桃太郎は旅立ってしまいました。おじいさんとおばあさんは桃太郎の行方ゆくえを知りません。ふたりは桃太郎がいなくなったことを悲しみながらも、ついに桃太郎が独り立ちするときがきたのだと悟り、桃太郎の人生の大成を心の底から願ってやまないのでした。

 

 そして、おじいさんとおばあさんはふたりきりで、いつまでもいつまでも、幸せに暮らしましたとさ。


おしまい

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