映画『土を喰らう十二ヵ月』より
映画の感想とそれとちょっと思う事
映画好きが映画好きな大人のために作った映画と感じられる作品。
あらすじはとても簡単。作家水上勉の晩年の一部を切り取っただけ。
山の恵みを頂きながら、周囲との別れがある。それだけだ。
では、何故映画好きが作ったと思ったかだが、映像の一コマ一コマに対する時間の掛け方を感じたからだ。
山の恵みを取りに行く際も、調理する場面も真摯に向き合い大切に扱われていた。
これは主人公が食に対してや生きること、小説に対しての姿が映画として反映されただけなのかもしれない。
最近の映画に対して、特に邦画に対して思う事は映画が消費物として扱われていることに対するつまらさなさである。
消費物の何が悪いのだと思われるかもしれない。
常に大作を作り続ける必要はない。
ただ映画館に来て見に来て欲しいと思うのなら、もう少しだけ特別感があっても良いと思うのだ。
ちょっと興味深いあらすじだと思うと、必ずと言って良いほど原作がある。
それって、もういつもだよね?
わざわざ映画化する必要ある?っていう物語多くないですか。
仮に原作があっても、ただただ楽しいだけに120%振ったエンタメ作品でも良い。
少なくとも「映画」にしたい理由を見ているこちら側にも理解させて欲しい。
毎回ホームランのような映画でなくても良い。
ある程度のヒットばかりでは、中途半端なヒットはお腹いっぱいに映画自体に興味を持ってもらえなくなったら?
これって、もちろん小説業界にも言える事なんですけどね。