私の浮気は、“心の浮気”だった。
私には、愛する旦那とふたりの子供がいるわ。
上の子は、女の子で5歳になったばかりなの。
女の子なのに、ヤンチャでお転婆娘。
下の子は、男の子だけど? 物静かで1人でよく
遊んでいるわ。世話のかからない優しい男の子なの。
それに、3歳にしては大人ぽい事を言うのよ。
どこで、言葉を覚えてきたんだかね?
私の旦那は? 中学生からの同級生で、私が初めて
付き合った彼氏。
何度も、別れてはヨリを戻して今に至るわ。
私は“結局、男性は彼しか知らない。”
初恋も彼だった。初めて付き合ったのも彼だった。
初めてのキスも初体験も、私の青春の中にはいつも彼がいた。
私は、彼にすべて愛を尽くし捧げてきたのに、、、。
彼は? 私に隠れて何度も、浮気を重ねていた事が分かったわ。
それにね! 彼の言い分は、こうだったわ!
『拓美は、俺にとって“大切な存在なんだ!” でも? 俺はお前
以外の女性と付き合った事もないし、そういう経験もない
んだ! 男として、それでいいのか? 俺は俺なりに自問自答して
体の関係ならいいと思ったんだよ! 俺は、お前以外の女性を愛す
る事は絶対にない! だから、許してくれ! 子供たちの為にも...。』
『・・・・・・ううん、』
・・・最後は、私を言いくるめる為に子供達の事を言った旦那。
ズルいよ! 子供たちの事を考えたら? まだ小さいし両親が
ふたりいた方がいいに決まってるじゃない! 私は、旦那の浮気
を許す気はなかったけど、しぶしぶ【離婚】だけはしないと決めた。
旦那は、私が許してくれた事をいい事に浮気を何度も私に隠れて繰
り返していたわ。
私たち夫婦の関係は、彼の浮気で完全に冷めきっていたのよ。
*
彼の浮気を、信頼できる人に聞いてほしくて。
私は、中学の時から親友のアキナと会う事になったわ。
アキナも、ステキな旦那さまが居たにも関わらず。
旦那に隠れて浮気を今も続けているらしいの。
旦那は、妻の浮気に気づいていないと言っていたわ。
『ねえねえ、拓美は? 旦那以外の男性を好きになった
事ってあるの?』
『・・・えぇ!?』
『・・・拓美も、私の事! 軽蔑してるんでしょ?』
『そんな事ないよ。』
『拓美は、いいの? 旦那が体の浮気とはいえ、他の女性
と体の関係をずっと続けている事を、、、。』
『嫌に決まってるじゃない!』
『・・・ウフフ、そうよね! まだ、旦那を愛してるんだもんね。』
『えぇ!?』
『でも? 旦那は浮気を繰り返してるのに、拓美はいいの? 拓美
だって! 浮気ぐらいしてもいいんじゃない?』
『・・・ううん、』
『別に、体の浮気をしろって言ってんじゃないのよ! 心の浮気なら
別にいいじゃない! そういう関係になってないならそれは浮気じゃ
ないんじゃないの。 そうでしょ、拓美!』
『・・・そ、そうなのかな、』
『そうよ、今度! 紹介したい男性がいるから、会ってみる?』
『・・・えぇ!? ううん、分かったわ。』
『そうこなくっちゃね!』
『・・・・・・』
・・・私は、親友のアキナにそう言われてアキナの紹介する男性
と会ったの! 初めは3人で会って、いろいろ話した後に。
アキナが、途中で帰ってしまったわ。
『後は? 二人だけで楽しんで!』
『・・・えぇ!? ちょっと待ってよ、アキナ!』
『大丈夫よ! 彼、誠実な人だから!』
『・・・ううん。』
私は、旦那以外の男性と二人きりで話す事が今までなかった
からドキドキが止まらないわ。
彼は、アキナが言ったように誠実な人だったのよ。
『拓美さんは、結婚されているとか? お子さんはいるんですか?』
『・・・えぇ! 二人います。』
『男の子? 女の子?』
『上の子が、女の子で下の子が、男の子ですよ。』
『それは! 拓美さんに似て、可愛いんでしょうねぇ~!』
『・・・そ、そんな事は、真人さんは、“ご結婚は?”』
『僕は、タイミングを逃してしまって! まだ独身なんです。』
『真人さんみたいな誠実な人なら? きっとおモテになるんでしょうね?』
『いやいや? 僕みたいな男は、モテませんよ。』
『また~そんな事を言って! じゃあ~真人さんは、趣味とかは?』
『僕は、車が好きなので、一人でふらふらとドライブに行きますよ。』
『じゃあ、今度! 私をドライブに連れててください!』
『・・・えぇ!? いいんですか? 旦那さんがヤキモチを妬きますよ。』
『・・・旦那の事は、いいんです!』
『じゃあ、今度! 二人でドライブにでも行きましょう!』
『はい!』
・・・はじめは、旦那への腹癒せだった。
でも、後で気づく事になるのだけど?
私は、最初から“彼が好きだった”だから、今でも彼と心の浮気を
重ねているのかなと思っている。
ただ、旦那のように“体の浮気”はしないと決めているの。
そうなると、もう後戻りができなくなると思ったから!
だけど? いつしか、彼との関係が旦那にバレてしまうだろう。
私は“彼か旦那のどちらか選べというなら迷わず“彼”を選ぶだろうし”
それほど、彼は私の中で大きな存在に変わっていった。
・・・いつか?
私は、子供を捨てて彼の元へ行かないか不安を感じているわ。
私は既に、彼の虜になってしまったからだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。




