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Never Island  作者: 阿久津ゆう
5章 島の守り神
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71話 Time lines that should never intersect

 「わからない...わからないんだ」

彼がそう言葉にした瞬間確かに彼の息づかいが感じた

だけど私から感じた彼の心の灯は弱く感じた。

後悔.......申し訳ない気持ち

彼女に感じた彼の心の中。

確かに感じる彼のその心の奥底の物


 私は彼にどうしてあげればいいんだろう?

彼にとっての愛する人の代わりになればいいのか?

私が我慢すればいいのだろうか?


 何よりも........

私のこの気持ちは


 作られたもの。偽りの感情なのだろうか。


 「帰ろう、ここにいても仕方ないよ。」

ユウキは二人に一声かける。


 理人は無言で彼女を美亜を抱きかかえ歩き始める


 「すまない.......。俺は弱い男だから」

代わりにしてすがって甘えてしまう。

俺はそんな心の弱い男だ


 なぜこの日本刀にあいつのアニマが付着していたのだろうか。

何よりなぜこのようなものがこんな場所に置いてあったのだろうか?


 下って来た階段を今度はただひたすら上っていく。

彼女は美亜は理人の胸の中で眠っていた。


 俺はこの子をあいつの代わりにしている。それでも誰かが側にいてくれることは何よりも心が救われるような感じがする。


 こんな事を続けて周りの周囲からどう思われるのだろうか?理人は次第に不安になって来た。

そういえば隆太とラピズはあれからどうしているのだろうか?。

彼らの事も心配ではある。


 こんな俺だがそれでも力になってくれる人が確かにいる。

だけど俺のしていることは間違っている。

こんな俺があの二人の力になれるのだろうか。


------------------------------------


 島全体を覆っていた封魔陣衛(ふうまじんえい)が消滅し国が滅亡しかねない。この状況を議会は国民にたちに包み隠さず公表した。

長年、猛吹雪やブリザードなどからくる衝撃から守ってきたこの封魔陣衛はこの国に住む人たちにとって大きな心の拠り所でもあった。


 凍てつく吹雪。ブリザード。世界はゆっくりとだが着実に滅びの道へ進んでいる。その滅びの道から守ってくれていた存在が消えてしまった。


 彼らは決断しなければならない。滅びの道から抵抗するか、滅亡への道を受け入れるのか。

この吉報を隆太とラピズそして理緒は自室の液晶画面から映し出される国営放送をみてしる事となった。


 「この封魔陣衛はわらわがこの島に移されてきたときからすでに展開されていたものじゃ」


 「これ島を守っていた防御壁みたいなもんなんだろ?なんで消えちまったんだ?」


 「あの陣はこの島を作り出したあのもの魔力、つまりアニマの一部を使用して展開していたものじゃ、アニマの持ち主が亡くなっればアニマそのものも消滅する。そうなれば陣も一緒に消えてしまう」


 ラピズの説明によるとこの陣を形成していたシステムは元々は日本から技術提供されたもので陣を形成する魔術にかかわる技術提供は琉球王国から行われていたことが説明された。


 さすがは島の神様。こんな事も知っているのかよ


 しかしながら現在、寒冷化により核の冬のような状態になってしまったこの世界の状況下の中で日本と琉球王国と連絡をとる事はおろか国交は音信不通の状態にある。


 そもそもこの二カ国がどうなっているのかもわからない状態だ

日本、母さんが目指した国。兄ちゃんが前の世界にいた時の国。


 「おい、ラピズ。もしかしておまえあの防御壁を復活させる方法の手掛かりを何か知ってんじゃないのか?」


 「ふむ」

ラピズは一息つくと神妙な口調で説明し始める


 「残念ながら封魔陣衛を再展開できても雀涙ほどの時間が限界なのじゃあの陣を展開するには爆大なアニマが必要なのじゃ。おそらくあれを展開するのにあの婆さんは自分自身のアニマを大量に消費したはず。たとえ再展開できてもほんの一滴の時間だけ。へたすればほんの一瞬。」


 「システムそのものはもともと日本から提供されたものなんだよな?もしかしたら兄ちゃんの知識とお前の知識を利用すれば何か他の方法を見つけられるんじゃないのか?」


 「ふむ、あのものが本当に日本にいたというならばわらわの知識と交われば.......可能性はあるかもしれないのじゃよ」


 俺はこいつの側について手伝うことしかできない。それでも

それでも何か兄ちゃんに出来る事があるなら。


 なんだってしてやる。

このまま終わってたまるかよ。

---------------------------


 ----ヒュポレボレアス宮廷-----

 「目を覚ましたか.....」


 「ごめんなさい.....もう大丈夫です」


苦しいんだ辛いんだ胸が焼けそうなんだ。あいつと話がしたくてあいつの存在を求めて。それでもどうにもならなくて。そして俺は彼女にすがってしまう。そんな彼女の心の中に俺は確かに.....。


 「感じる...感じるんだお前の中にあいつの存在を。あいつの存在を」


 「私にも感じます懐かしくてとても会いたい人の存在をあなたの中に..」


 私にも会いたくてももう二度と会えない人が二人いる。お父さん...お母さん。

お父さんは、理人さんのような雰囲気がしたな。


 二人はあの事故で....もう会えなくなっちゃったけど。それでも二人は私の記憶の中で生きている。


 「ちゃんと話し合うべきだと思うよ?これからの事なにより君たち自身の気持ちを」


 ユウキ君の言うとおりだ。現実から背けてはだめだ

5章はここから終盤に差し掛かります。隆太とラピズの決断そしてその結末は今後の展開に大きな影響を与えます。

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現実世界〔恋愛〕
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