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Never Island  作者: 阿久津ゆう
5章 島の守り神
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62話 ハルパーの鎌/イージスの盾

 警報は未だに解除されずシェルター暮らしが続いている。今日で4日目だ。


 「我が家はどうなってるんだろうね」


 「吹き飛ばされていないといいのじゃが....」

不吉な事を言ってくれやがる。


 液晶テレビに現在の天候が中継されている


--------------------------------------------------------------------------------------

 現在、猛烈な勢力に発達した低気圧がアイランド公国に接近中。中心気圧は870ヘクトパスカルに及ぶ模様これは過去に日本の伊勢湾に直撃した者に匹敵するほどの勢力となっており国の首脳部は国家非常事態宣言を発令する模様。

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 何か大事になって来たな。

シェルターにまで避難勧告を出すぐらいだからそうとうやばい事態なのは予想していたがまさかここまでとは。


 母さんのお墓.....どうなっちまうんだろう

いざというときは俺がこいつら守らなければならない。


 しかしさすがにこんな立派なシェルターだ流石にこんなかにいれば命の危険に侵されることは無いとおもうが....。


 一方その頃.......。


  ----ヒュポレボレアス宮廷-----

 国会の議員から渡された一つのCDの中に入っていたデーターの中身は封魔陣衛を展開させるための施設の場所と展開に必要とされる魔力にかかわる技術変わる内容だった。


 婆ちゃんが多分これは俺がCDの中身を見ることを見越して残したとみて間違いはない。

封魔陣衛。ぶっちゃけこの様な品物。俺たちがいた世界でもオーバーテクノロジーに達するレベルの品物だ。


 例えてしまうとギリシャの伝説に出てくるハルパーの鎌が核兵器と表すと対となるイージスの盾とはこの封魔陣衛という代物になってしまうレベルだ。


 そして物騒な事にこれは未完成の状態で稼働させていたという事だ。


 いや説明の仕方がおかしいか?こいつはあえて未完のままで稼働させていたのだ。

先ほども話したようにこいつはオーバーテクノロジーに達するレベルの品物だ。俺の憶測が正しければこいつは元々は強力な攻撃を放つ「兵器」から守るための防衛手段と言えるべき「兵器」の一つだ。そしてこいつの対になる存在である強力な攻撃を放つ「兵器」は先ほど例えとして説明した核兵器に当たる物かそれ以上に厄介な存在の可能性がある。この防衛手段と言えるべき「兵器」封魔陣衛はこれに対抗するために作られたに違いない。


 幸いなことに物理的にシールドが壊されただけであったためシステムを再起動すればは封魔陣衛を再び展開できるようである


 しかしこんなものもう一度再起動させちゃっていいのか?いくらこの世界の実情を気にしないと言ってもこれはヤバすぎる気がする。


 「理人さんちょっといい?」


 「何だい?美亜?」


 「この封魔陣衛という代物.....なんか不吉というか嫌な予感がする....こういう技術には無関係な私でも何となくわかるような気がする」


 美亜がそう思うのも当たり前のことだ彼女も元々は俺と同じ世界にいたのだから。


 「ああ....こいつは間違いなくオーバーテクノロジーだ。しかもあの婆ちゃんはこいつをあえてまざと未完のまま実戦に投入させたんだろう。そもそもこんなレベルな品物がこの世界に存在させる方がよっぼとおかしい」


 「それってどういう事?」


 「婆ちゃんが残したデーターによるとこいつは元々は強力な攻撃を放つ「兵器」から守るための防衛手段に使われる品物だったらしい詳しい言っちゃうとこの防衛システムに当たる封魔陣衛には対となる強力な攻撃をする兵器が存在するってことだよ」


 「どうするの?完成させて島の防備をより強固なものにするの?」


 「正直なところどうすればいいか迷ってる。普通に考えてその対となる存在は...」


 「あ.......」

美亜は一瞬声をつまらせた


 「それってまさか......」


 「ああ、そうだ核兵器だ」


 「たぶん婆ちゃんはこいつを未完のままにしておいたのは万が一こいつを完成させてしまった場合、対となる存在がそれに対抗してより強力な兵器にバージョンアップさせてしまうことを恐れてだと思われる。」


 「そんなことになったら......」


 「ああ....いずれこいつの存在とは別のもっと物騒な...厄介な存在が現れることになると思われる」


 「だからお母さんはあえてこれを完成させずに未完のまま島の防衛システムとして使用していたというの?」


 「正直言ってこいつを今後も使用し続けていいか悩んでる。こいつの対になる存在は今は存在しなくても時代が進み技術が進めば後の世にこの島に生きる人たちがこのシステムを進化させていきそれに対抗するために強力な兵器を完成させるはずだ」


 「私、思ったんだけどお母さんはその対になる存在を無視してまでもこのシステムを作らなければならない何かしらの事情があった可能性があると思ったんだけど........」


 美亜が言っていることももっともだこのシステムは今まで強烈な突風やA級レベルのブリザードからこの島を守り続けていた。しかし美亜の話を聞けばこれは成り行き上の過程の流れでこのシステムを使用していたわけであり本来の用途とは逸脱していることになる。


 こんなシステムを何のために対となる存在を無視してまで何のために作ったのか?

このあとこの世界に何が起きる?..........


 !


「あ」 「あ!」

東北関東大震災、俺たちがいま乗り越えようとしているあの黒い災いの歴史を生んだあの災厄だ。


 やはり.....この世界でもあの同じ時間帯に同じ災厄が起きるんだ。

あの人はそれに対抗するためにこのシステムを作った。


 「しかしならこいつを何故完成させなかった?例の対になる存在を恐れてか?それとも何か意図があってのことか?」


 「ちがう......完成させなかったのではなく出来なかった.....間に合わなかったんじゃないかな?」


 「それって...」


 そうだ....あの人はこの世界での最後は.....



 ...............


 

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現実世界〔恋愛〕
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