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Never Island  作者: 阿久津ゆう
5章 島の守り神
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58話 「守護の損失」

 事の発端は隆太とラピズが出会う5日前である。

兌夫、市町が慌てて理人の住む屋敷に殴りこむように慌ててやって来た。


 「り!!理人さん!!!いや..理人様美亜様!!!緊急事態です!!」

この日、島を国を揺るがすほどの事件が起きたのだ。


 島全体を覆っていた封魔陣衛(ふうまじんえい)が突如として消滅したという報告がきたのである

この封魔陣衛とは吹雪やブリザードなどの被害を抑えるためのシールドのような物である。

今までこの封魔陣衛の存在があったことである程度の吹雪やブリザードの被害を最小限に抑えられていたのである。


 しかしこのシールドの役目を補っていた封魔陣衛が突如として消滅したのである。


 事態は緊急を要する物であり兌夫からの提案で理人を国家元首として緊急で国会レベルでの議会を秘密裏に開きたいと申しだされてたのである。


 理人はすぐさまこれを了承、ミディールは直ちにこの緊急事態に即座に対応するためかつての彼女が指揮した研究所のメンバーを再び収集させこれに対応すべく動き出した。


        

         

----ヒュポレボレアス宮廷(アイランド公国の総本山の立ち位置の場所)-----


「兌夫さん、それは本当なのか」


 「はい、間違いありません」


 封魔陣衛が消えた後、理人は那智の代わりとして議会をすぐさま収集しまずは封魔陣衛の消滅した原因を究明するよう指示。ミディール指揮の元ただちに動き出す事となる。

消滅の原因は簡単に説明できる物であった。


 長年、猛吹雪やブリザードなどからくる衝撃から守ってきたこの封魔陣衛なのだが衝撃は年月を増す事に増加の経過にあったらしく遂に限界のレベルを超えその衝撃に耐えられず打壊してしまったのである。

 


 「皆、良く集まってくれた。祖母、阿久津那智に代わって礼を言わさせて頂くと共に彼女の代わりとして今後この事態の陣頭指揮を責任をもってとる事を約束する」


 「兌夫さんこの消滅した封魔陣衛とまったく同じものを島全体に発動させることは可能なのか?」


 「申し訳ありませんがそれは不可能ですこの封魔陣衛は那智さまの魔力の元となったアニマを元に形成されたものです。彼女亡き後これほどまでに強力なシールドを張る事はもはや不可能かと」


 理人はこの時嫌な予感と予測をしてしまった。

(という事はいまこの世界での現段階の文明レベルではあの大災害を回避するどころか乗り越える事すら不可能ではないか?)


 理人の隣の椅子にすわっている美亜は下を向きながら非汗をかいている。

彼女も那智の血縁として元首関係者として議会に参加する事となったのだがあまりの緊急事態に言葉も出ない状態である。


 「次に来る寒波に町は耐えることが出来るのか?」


 「大変申し訳ありませんが何分過去に一度も起きたことがない事例なわけでして封魔陣衛なしでどれだけの被害が出るかはまったくわかりません.....」


 「お婆様のアニマを元に封魔陣衛が形成されていたというのであればこの俺...私のアニマを元にすればいい。」


 「残念ながらそれは不可能ですアニマを元に陣を形成させたのは先代様...那智様の知恵と技術があったからこそ先代亡き後、今その技術は失われてしまいその方法すらまったくわからない状態です。」


 あながち賢者とまで言われていたほどの人物であることは確かだったようだ...技術の流失を恐れて他者にはまったくと言っていいほど情報のソース元すら教えてはいなかったのであろう。


 「封魔陣衛にかんする資料はあるか?」


 「こちらになります」

国会の議員から一つのCDをわたされた。


 「われわれもこのデータをみました。むろん今我が国に存在する研究者たちも、しかしながら我々の知識や頭脳ではこの技術はまったくと言っていいほど理解も特定も出来ませんでした。」


 そりゃそうだろうこの技術は俺たちが元々いた地球(マザーエルサレム)の技術を使ったはずだこちらの地球(マザーエルサレム)の文明レベルではとても理解は不可能だ。

   

 「私がこのデータの解読し封魔陣衛の作成を解説する。データの解読は簡単な事だ解読さえできれば作成の手順までこぎ着けることが出来る」


 ざわ!!!!!!!!!!!!

議事堂内が一気にざわめつく


 「ただし問題は形成の元となったアニマの部分だ。さすがの私でもこの離れ業は再現は不可能だ。だからアニマのかわりとなる魔力をどうするか考えなければならない」


 1人の老人の議員が手を挙げ発言する


 「お言葉ですが若様、次の寒波が直撃するまであと5日という情報が入って来ました。たったこれっぽっちの期間ではとてもではないですが間に合いません民たちをどこか安全な場所に避難させなければなりません」


 また別の議員が発言する


 「避難と言われてもこの島の全ての人々を収容することは不可能だ。いままで封魔陣衛の恩恵があったからこそそれなりに耐えてこられたのだ。それを前提にさまざまな施設が作られて来ていたのだその恩恵が無くなった今全ての人間を助ける事など不可能だ」


 ミディールはその重い口調を動かし喋りだす


 「全くだね、私たちは今まであの御方の知恵と技術の恩恵に頼り切って来た。その仇が今となって遂にやって来た。もう今までのようにやってく事はできない」


 市長の息子として議会に出席していたユウキが発言する

「強い光は深い闇を生み出すように今まで受けてきた恩恵を時には覆す事態が確実おきる多分今がそれだ。もう同じ手段では通用しないと思う」


 そして理人は議員たちに強い口調で宣言する


 「データーの解析が出来れば可能な限り時間があれば封魔陣衛の再現は可能だ。しかしそう何度も同じ事が通用するとは到底思えない。現にあの婆様の強い魔力をもったアニマを元に形成された封魔陣衛は年々衝撃が強くなってきていた吹雪やブリザードの衝撃に耐えきれず打壊してしまった。たとえ同じものが再現できたとしても、もう何度も同じことは通用しないだろう」


 どよ.......


 議事堂ないの空気がいっきにどんよりとしたものとなっていく


 「あ..あの」


 美亜が重い口調を振り絞り発言する


 彼女のこの発言は国の命運を左右する決定打となる。

いずれにせよこれが全てのターニングポイントだったのかもしれない



 もう一人の人間に運命をゆだねる負んぶに抱っこの状態では行けないのだ。

 

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現実世界〔恋愛〕
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