55.5話 彼女の深淵
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きゅ~ん!!!
「あ!!!またあんたか!!!いいかげんその姿でいきなり現れるのはおやめ!!」
ぽん!!
狐の姿から人型の少女に姿に変えるラピズ
「いいかげんバレバレなんだからおよし!!」
「そんなこと言ったってわらわは神じゃこんな耳と尻尾を付けた状態の人の姿で簡単に人前に現れることはできないのじゃ」
「神であると同時にあんたは私の娘だぜ!!!いいかげん我が家に来なさい!!」
30代後半ぐらいの女性はラピズを強く抱きしめる
「やめるのじゃこんなとこ他人には見せられないのじゃ~!!!」
ラピズは顔を赤らめながらアタフタしている。
「もうすぐ日本に向けて旅立つことになる。せめて我が家に住むか私についてくるかどちらかひとつ決めなさいこのまま野生で生きていくのは絶対に許さないわよ」
「..........もう決めているソナタについていく...」
ラピズは即答で答えた。
わらわは確かにこの島の神じゃ。だけど............
もっと広い世界を見てみたいのじゃ。
「日本てどんなところなのじゃ?」
空いっぱいに広がる星々をみながらラピズは女性に問いかける
「今はどうなっているかはわからないだからこれから調べに行く。この凍り付いた海を渡ってはるか遠くにあるあの地を目指して」
そういうと女性はある一つの方向に指をさす
「あの水平線を目掛けて歩いてくあの先にあの地があるんだ」
「日本についたらどうするのかや?」
「この島がアイランド公国がちゃんと見参だということを日本の今の代表に伝えるんだ。この今現在の世界情勢を少しでも改善するために」
彼女は凍てついた海を渡り付近の警備を行う探索隊の一員である
何十年にもわたり音信不通となった日本が現在どのような状況にあるのかを探索するため彼女は数か月にわたり準備をしてきた。
私の名前は月見、私の家族は一人息子と..このどうしようもない野良狐の娘がいる
「あんたには.....息子についていてほしかったんだけどね」
「わらわは..ずっとこの島の中だけで生きてきたのじゃもっと外の世界を見たいのじゃソナタの家で暮らすのはそれからでも遅くないのじゃ」
「おい!隊長!!荷物を運ぶのを手伝ってくれ」
探検隊の隊員の男が月見に呼び掛ける
月を見ながらラピズは一人ささやく
「わらわは自由に生きるのじゃ」