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Never Island  作者: 阿久津ゆう
4章 偽りの時間とホムンクルス
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46.5話 得体のしれない黒い影

 私たちは観測者理唖、彼女が自死を選びグロウベルグシステムを使用したことを軍上層部に報告。

彼女のこの行動は軍事組織全体にすぐさま情報が広がり激震が走る事となった。


 私たち三人は彼女の遺体の第一発見者ということで軍内部から数日間厳重な監視が着くこととなった。

ここからの話は軍上層部に報告する数日前の話である。

このまま上層部に報告すれば我々は何かと疑われそれどころがせっかく手に入れたの装置も押収されてしまう。


 そこである信用できる人物に事情を話し味方に引き入れる事でこの装置を守る事にしたのである。

その人物は須野原 粂盤(すのはらじょうばん)

軍事管轄部のプログラマーである。なお防衛義務上により少尉の階級を与えられている。理唖とは組織上では同僚に当たる


 あの日私たちは未だ装置の中で横たわっている彼女の亡骸を粂盤に対面させた


 「なんでこんな事に。なぜ彼女がこれを使う意味が分からない」

粂盤は両手を思いっきり握りしめる。爪が手のひらに爪が刺さり血が滴れ落ちる。


 ミィルは自分たちの今までの行動を粂盤に説明する。

「意味が分からないそれが本当なら理唖は君たちを止めるべき立場だ。なぜ彼女がこの装置を使った。そしてなぜこの座標に転移した。まったくもって理解できない」


 「私が思うにはたぶん私のお母さんの死があの島の計画に絡んでいて観測者として見過ごせなかったのだと思う」


 「それが本当だとしてなぜなぜ俺に何も話さなかった」


 「すまない...俺たちがもっと早くここついていれば止める事が出来たはずだ」


 「彼女の考え方が俺には理解できなかったのか?それとも....ほんとに無力だよ俺は」


 「粂盤?」

ミィルは粂盤のその言葉に二人の関係に何か大きな物があると思えたのだが何も答える事が出来なかった。


 「装置は4つある一つは理唖の遺品としておまえにやる。ただしそのかわりしばらくこの装置を預かってくれ俺たちこの出来事を軍上層部に報告する。上層部は俺たちを必ず厳重な監視下に置くはずだそうなったらこの装置は押収されちまう。申し訳ないがそれだけは避けたい。この装置を守ってくれ」


 「私たちは彼女が転移した世界でかならず彼女の元に行き全ての真相を暴くつもりだわだからお願い」


 「あの世界には理唖だけでなく私の友人もいるんだたのむ..........むしの言い話だと思うが......」


 甘夏目は粂盤のまえに座り土下座をする


 「やめてくれよ俺はそんなに善人なやつではないよ」


 そうさ俺がしてきた事を思えば彼らの方がよっぽと正しい行いをしているじゃないか。


 「見返りなんていらない守ってやるよその装置」


 「本当にいいのか?」


 「ただし君たちがこの世界にいるうちは俺も行動を共にする。かまわないな?」

甘夏目たちはこれを了承し一旦全ての装置を粂盤に託すこととした。


 そして3人は今回の事件を装置の存在だけを伏せて上層部に報告。

予想通り上層部の環視の元身柄を拘束されることとなる。


 粂盤は彼らが理唖の死とは無関係であることを上層部に告発。

4つの装置は絶対にばれない場所に厳重に保管。


 そして厳重な審査の元、彼らは粂盤の監視付きという条件で身柄の拘束は解除された。


 「こんな簡単に拘束が説かれるとは思わなかったいったい上とどんな取引をしたの」


 「何でもない、君たちはただの遺体の発見者であることを証明しただけだよ」

 

ミィルは気丈に振舞う粂盤を見て彼の身体の異変に気付いた  


 「なんかあなた痩せたようも見えるけど大丈?」


 ミィルは粂盤の顔をみて酷くやせこけ目には隈が出来ていることに気づいた。


 「何言ってんだい君は今までそばにいた人がいきなり消えて亡くなったのだこうもなるだろう?」


 「おまえ....もしかして彼女を?」


 「ああ....愛していたよ当の本人も知ってたよ」


 新田は粂盤の首に付けいているネックレスに指輪がつけてあるのに気づいた。


 「俺たちがもっと早く気づいていれば......」


 「よせって......そんなこと聞きたくないよ」


 甘夏目一行は彼女の理唖の死がどれだけ彼の心に負担を与えたのか彼のそのやつれた顔を見て痛いぐらい理解できた


 「だからこそお前たちに伝えなければならない事がある。」


 やつれた彼の顔の表情は強い何かしらの意思を一行に感じ取らせた。


 「この指輪彼女にも渡してあるんだ。仕事柄上、互いに何かあったときのためにどこに要るのかわかるように発信機みたいなものを付けておいたんだ。」


 「たしか遺体を確認した時には彼女の所持品には指輪なんてなかったはず....つまり」


 「ああ..あの彼女が使った装置はグロウダイバーとして転移する人間の所持品を一緒に転移させることができる。彼女は指輪をもって行った。」


 「お...おい...おまえ...」


 「俺は指輪についている発信機を頼りに転移先の場所を探り当てた結果とんでもない事実が分かった」


 「阿久津理人が転移した世界に彼女も転移した事は間違いはないが.......」


 一瞬、粂盤は言葉を詰まらせる、余程重大な事なのだろうか?


 「彼、理人という人物が転移した時期から7年前もの時期に理唖は転移していることが分かった。」


 「ど...どういう事だ」


 「更に理人側の転移した時期を確認してみたが本来転移するはずの時期よりもズレが生じていた。これは何者かの干渉によるものが高いかもしれない」


 もはや我々の想像や予測が不可能な事態となっていることは言うまでもない。

あちらの世界で何かが起きていることは言うまでもない。


 「なあ、俺はどうすればいい?.....」

 「彼女のいないこの世界で俺はこれからどうすればいい?」

 「観測者?そんな使命クソくらえだ」

甘夏目たちには彼の言葉には辛く重い物が心にのしかかって来る感じがした

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現実世界〔恋愛〕
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