36話 What is in shape
体調不良による高熱。意識が混濁。そして以上に速い心拍と脈。
血圧の異常な高さ。外的なショックもないのにあざの様なものが体中に現れる
これは----この症状は。あの時の美亜ちゃんと同じ症状。
でもなぜ?彼女はどう見ても人間
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研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある。
人の細胞の一部から採取されたデータを基礎に細胞...DNAの持ち主の形を元にして体を形成し人工的に人の姿に作り上げられた言わば人工人間...それがホムンクルス。
研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある事をミディールは現在の拠点の施設から遠隔操作で発見。これを調べるため理人と隆太はその研究所に調べに行く事となった....のだが...
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(ホムンクルス生体研究)
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ミディールはゆっくりと目をつぶり全てを理解した。
そして彼女はユウキの前に立ちジ~と見つめかれの肩に手を置くと以上までの冷静な口調で話し出す。
「あなた、この子に何をしたの?怒らないからちゃんと話しなさい。」
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彼はこの時こう思った駄目だこの人には嘘を付けないと。瞬時に悟った
「私はね?これでも医学だけでなく様々な分野をまたにかける研究者。私には絶対に嘘は通用しない。」
終わりだ。この島にはもういられない。それどころではすまなくなる。
彼はガックリとそのばに縮こまるように座り込みガタガタと震えだすまる
ミディールは彼のカバンの中を調べるととある書籍を見つけた
「ホムンクルス生体制作書」
まさかこんなものまで見つけ出すとは。
「僕はあの施設を使って妹をミナを蘇生させた..。こうするしか道は無かった」
「あなた何を考えてるの。これは蘇生ではなくホムンクルスを作る行為。この子はあなたの妹の意識とは全く別の意識が宿る事になる全くの別人なのよ?」
「それでも、ミナに生きてほしかった。僕の隣にいてほしかった」
「この子はあなたの妹ではない!!こんな事をしてあなたの妹さんが悲しむだけ!!この子だって真実を知れば一生苦しむことになる!!あんた!!その重荷を一生抱えて行けるの?」
「ミナにだっていきる権利がある!!!死んでいい命があってたまるか!!!」
「残念だけど...ホムンクルスの研究は完成していない....未完成なものなの!!この子はそう遠くない日に肉体が維持できなくなり死んでしまう!!作成者とホムンクルスの寿命は心同体。この子が死んだときあなたも同時に...!!!」
「え...?」
「この書籍も未完の物なの....何でこんなものが...出回っているの...」
嘘だろ.......ミナを蘇生させるためにどれだけの時間と苦労を費やしたと.....
.....!!!ドクン!!
なんだこれは心臓が痛い......胸が張り裂けそうだ
ユウキはその場に倒れこみ口から血を吐き出し苦しみだす。
「言わんこっちゃない!!」
視界が薄れていく.....そしてまるで心臓が誰かに捕まれているような感触がする
「ミディールさん!!ミナちゃんが!!熱が40度を超えてますよ!!」
このままではこの男の子も死んでしまう。
この子の容態を安定させるには『ミナちゃん』の容態をどうにかして安定させるしかない。
でもミナちゃんの身体は既に壊れ始めている。
このままでは二人とも死んでしまう。
この少女は確かに彼が自身の心の傷を癒すために身勝手に作り出した生命。
しかしミディールはこのもがき苦しむ『ミナちゃん』という少女を見てどうしても見棄てるようなことが出来なかった。彼女は苦しんでいる生きたいともがき苦しんでいる。そしてなにより意識がある自我がちゃんと芽生えている。
その姿は紛れもなく人間そのものであった。
そう、彼のユウキの愛情を一身に受けたことで彼女は確かに人としての自我が芽生えたのだ。
「ミディールさん!!!」
パソコンの端末から理人の声が聞こえる。
「そちらの話は全部音声越しで聞かせてもらった!。こっちには水や食料の他に薬品や医療器材がある。これぐらいの単位の物資程度なら今のエネルギーでもそちらに転送できるはずだ。今からそちらに送るから受け取ってくれ。」
ミディールはすぐさま理人から物資を受け取りミナの治療に取り掛かるのだが..。
「だめ....!やっぱり解熱剤も点滴も効かない...もうどうしら...!!」
「ミディールさん!!諦めちゃだめだ!」
理人は必死に端末から音声を送る。
「地下室にある美亜を眠らせていたあの装置を使うんだ!!あのコールドスリープ装置には医療用回復システムが搭載されていた。もかしたら彼女にも効くかもしれない!!」
ミディールはすぐさまミナを抱え理人に言われた装置に彼女を入れ回復システムを起動する。
ミディールはメディカルスキャンシステムを起動するとプログラムが作動する。
「非常に危険な状態です。人体の組織が壊死し始めています。すぐさまヒーリングモニタリーシステムを起動し回復プログラムを起動してください。」
「これね!!お願いちゃんと動いて!!」
しかしエラー音が鳴りプログラムが作動しない
「なんで!!なんで作動しないの!!」
「本機体は阿久津美亜の身体に不足な事態が起きた場合を想定しプログラムされたものです他人に施す事はできません。」
「非常事態なの!!!お願いだから動いて!!」
ミディールはすぐさま端末についたキーボウトを操作し始める
「この一見にかかわった以上絶対に見捨てたりはしないわ。プログラムを強制的に書き換えて無理やりにでも動かしてやる!!」
「ミディールさん!!いそいで!!これ以上は!!」
美亜は必死になってミナを看病している。
カタカタカタカタ!!
ミディールはすさまじいスピード音を立ててキーボウドを操作する
「システムの書き換えは出来たは後は無事に動いてくれれば」
ヒーリングモニタリーシステムを起動しますいいですか?→「はい」「いいえ」
ミディールは迷いなくはいを選択する
すると装置はいきなり動き出し彼女の口元に呼吸を補助する器具が取り付けられ、次は彼女の左手に注射針のようなものがつけられ薬剤が注入されていく。そしてミナのからだ中に赤外線のようなものがなんども付けられていく。しばらくすると注射針が抜けられるとプシューー!!と大きなたてながら装置が開く。
回復プログラムは問題なく終わりました。ただし患者の容態はまだ安定していないためしばらく安静にしてください
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「私は出来る事はやり尽くした....これ以上やれる事は...」
「ミナちゃん?....」
美亜はゆっくりと歩み寄りミナの頬を触る。
彼女の息吹を美亜ははっきりと感じた。
「良かった」
美亜はジワリと涙を流すとそのまま床にもたれかかる。
(これでいいんですよね?師匠...)
ミディールは心の奥底で自分がしたことは本当に正しいことなのか何度も苦問した
どんなに科学や文明が進歩してもしてはいけない事がある。
それでもこの子を助けてはいけない理由なんてない。
私はこの子を助けたいと思った。だから私はこの子を助けた。
自然界のおきてなんか関係ない。ただ心の赴くままに私は私の思うどおりに行動する。
それが私....
私なんだ....