27話 夢
あいつはあの示された座標にいる。
俺はすぐにそう思った。
何故かわかる。
本能なのか?それともこれはただの妄想なのか?
どんな関係であろうとあいつは俺にとって血のつながった妹だ。あいつは今どんな状態にあるかわからないが多分あいつの心そのものが俺に何かを呼び掛けたのではないのだろうか?
なあ?おまえ俺の心に呼び掛けたんだろ?なら何でもいいから俺に何かヒントをくれよ。
みんなお前を探してる。おまえがいないとみんな先進めないんだよ....
「今日はもう遅いしこの施設に泊まって行ったらどうかしら」
理人と美亜はミディールの提案を受け入れ施設内で一夜を明かすことにした。
その日の夜夢を見た。いつもとは違う夢を。夢ではない現実の夢を。
「.........」
理人はゆっくりと目を開けると。まったく身の覚えのない場所に建っていた。
ああ...これは夢だ理人ははっきりとそう思った。
理人の隣には美亜がきょとんとした顔で一緒に立っていた。
周りをよく見渡すとどうやら巨大な神殿のような建物の中のように見える。長い道が続く廊下のような道があるがガラス窓などがなく顔を出せばあたり一面が見える状態だ。
「これ一体どういう事?」
「私に言われても...」
「これ絶対夢だよね」
「はい...確かに私は理人さんの隣で寝ているはずです....。」
「どう言う事だこれは..」
二人は神殿内部を探索する事にする。
内部の状態は見るからに歴史を感じる装飾が施されている。
二人は階段を上り、上へ上へと進んで行き次の階に入ると急に現代の雰囲気を感じさせるエリアに様変わりした。
その階を探索してみると巨大な扉を発見した
二人は扉を開けその先へ進むと非常に広い空間にでた。周りの見た目は文明のレベルが桁並みに高く見え高度な科学力を思わせるものとなっている。床は光沢のような素材となっており周りは明らかにこの世界の機械ではない何かが置かれている。その空間の真ん中に巨大なモニターのようなものとコンピューターの端末が置かれておりその前に位置する場所に美亜が眠っていたカプセル型の機械に似たようなものが置かれている。
二人はその中を覗こうとするが霜が入っているような感じになっており中が見れない状態になっている。
「ここは...本当に夢の中なのか?」
理人がそう思うのも仕方がないことだ。そばにいる美亜も理人本人もしっかりと意識を保っている。
夢にしてははっきりと尚且つ鮮明に意識がはっきりしている。
「わが孫の心に引かれ二人の心はここまで来てしまった」
一人の少女らしき存在が理人と美亜を監視しするように見ているが二人は気づいていないようである。
「多分彼女の心が美亜に干渉したため意識だけがこの場所に飛んできたのか?...しかしなぜ理人まで?」
少女は一本の杖を手に持つと地面にコンコン!!とたたき出す。
「我が孫と娘よ今はまだこの場所に干渉してはならない自分の元いた場所に戻りなさい」
「大丈夫....運命の日にはきっと会えるよ」
.............
二人はいつの間にか夢から覚めて研究所のベットで横になり天井を見つめていた。
本当に夢だったのだろうか?あの場所はいったい何だったのだろうか?
「なあ、俺たち寝ているうちに神殿みたいな場所にいなかったか?」
「いました。間違いなく」
「夢って他者と共有できたっけ?そもそもあれは本当に夢なのか?」
「わ...私に言われても(汗)」
まったく意味が分からなかった。なぜあのような夢をしかも二人は夢そのものを共有するような形になったのか?
「あ!」
理人は重大な事に気づいた。
「くそ!!あの端末調べておくべきだった!!」
カプセル型の機械の正面に研究所に置いてある端末と似たようなものが置いてあった事に理人は気づいた。
二人はまだ知らなかった。彼らがこの時真実の一端に触れていたことに....。
1人の少女がカプセル型の機械の正面に置いてあるpcのような端末を操作している。
周りの背景からして理人と美亜が夢で探索した神殿の中のようである。
「.......」
少女は無言で端末を操作し続ける。
「私は.....」
「私はこれで二回目だ..........」
...............
いろいろリアルで問題がありましたがようやく27話を公開できる状態になりました。
滅茶苦茶中途半端な終わり方となりましたがここで章をまたぐ展開なります。
今後4章に入り次第に戦闘シーンなども多々見られるような状況となります。
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イラスト編集者有栖さんとの話し合いにより既に数年前に出来上がっていた台本をある程度「改変」したうえで後悔する事となりそれに伴い公開が遅れる事となりました。特に25話以降の話の展開は非常に問題となり改変せざる経ない状況となりました。話の内容を見てもらえればある程度は憶測ながらも気づいた人もいらっしゃる方思います。はっきり言ってここの話ではどう表現すればいいのか非常に悩みました。見る人によっては非常に不愉快になる可能性もありいろいろ配慮したうえで改変する事になりました。しかしこの25話の部分の話の本質は元の台本とは変わってはいません。主人公理人にとって進むべき大きな理由を体現するにはどうしても必要な部分なのですから。
次回から4章に入りますが今後もよろしくお願いします。




