2話 アナタの人生はどんな色?
今私は電脳世界に意識を飛ばされ自身の様子の設定や年齢設定をする段階にいる。
いわゆるオンラインゲームなどを一番最初に始める際のスタート時にキャラクターを作成し設定する状態である。
名前=阿久津 理人
ん?年齢はどうするか?...
せっかく人生をやり直すのだどうせならもう一度学校とか行って人生を満喫したい。それに妹が言っていた次の人生はちゃんと学校に行ってみたいと言っていたしな。
先生には妹がダイブした直後の時間に合わせて私をあちらにダイブするように頼んだ...だから
年齢=16歳
理人は自分の姿などの設定は全く変えることなく若かったころの自分の姿そのものにした。
理人は次の人生にたいしてどうするべきなのか人生的な成型を事前に立てていた。
①=妹と再会する。これはもはや大前提である。
②もう一度学生からやり直し自分のやりたかったこと心おきなくする。
③これは一番大事である。夢であったコンピューター関連のシステム関連の職業に就くこと。
理人はコンピューターのプログラム関連の資格を持っていたが夢であったシステムエンジニアの仕事に就くことはその人生ではかなうことは決してなかった。
高校での成績はかなりいい方だった学年でも上から数えたほうが早いほうだった。卒業した後はコンピューターを主に扱った大学に進学。そこまではよかった。
理人には5歳年下の妹がいた。彼女が15の時に白血病を患い入退院を繰り返すようになり理人は妹を養うために夢を捨てた。
その後、理人は事務系の仕事を転々としながら妹と暮らしていたが彼女が20歳になったころに余命1年を言い渡され主治医から終末医療プログラムを打診されこれを受ける事となった。彼女がダイブする直前にある約束をした。いつになるかわからないが次の世界で再会しもう一度二人で人生をやり直そうと。
そして妹は次の世界に旅立った。
妹がいなくなった事は寂しかったがそれでも我慢した。
その後理人は職場の同僚と籍を入れ子供が、娘が生まれ一つの家庭をもつようになるが長く続く事なくに離婚することとなった。妻は子供ができたことで性格は激変し完全に夫婦の中はうまくいかなくなってしまった。
その後結局、離婚となった。
自分はただ。大切な人と一緒に静かに暮らしたかった。
贅沢な望みはなく、暖かい時間と何でもない静かな夜を......
でも妻にはその望みは通じなかった妻は子を産み一つの家庭を築きたいという願いが強かった。
しかし妻には罪はない。私は妻の願い通りにした。
願い通りにしたのにこのざまだ...。
子供なんていらなかった。私が欲しかったのは.....
娘を内心では憎くて仕方が無かった。
妹と二人で暮らしていたころがすごく懐かしい。すごく優しくて純粋で何より私のことを何よりも思ってくれていた。あの手を離したくは無かった。でもそうせざるえなかった。そうしなければ...いずれ別れの時が来る。ほんの少し離れるだけだあの時はそう思っていた。だが時の流れは私にとって長すぎた。
末期ガンといわれ余命1年を宣告されたときは迷いはなかった。
これで妹と再会できる。もう一度人生をやり直せる。本当に大切な人と暖かな時間と静かな夜を何の変哲もない、移り変わりもない時間をすごす。
そして私は主治医に頼み妹がダイブした世界の座標と時間をもとに送り込んでもらった。
次の世界では、次の人生では自分が望む選択を選べる、自分の意見がはっきり言えるそれが許されるそんな自分でいられる。自分でいたいと強く思った
他人の目など関係はない、気にする必要はないのだ。
人の人生は人それぞれ色合いが違うのだ。
私の次の人生はどんな色に染まるのだろうか?
そんなこと予想できるはずもない....
わかるはずもなかった....




