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Never Island  作者: 阿久津ゆう
2章 めぐる日々
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22話 パラドクス

あの後、彼らは何のやり取りもなく話す事も無く無言でちりぢりに各自帰宅した何も話す事も無く顔を会わす事も無く無言で。

ミディールは一人その場に取り残されその後彼女はどうしたのかは誰も知らない。


今回の一件でわかる事。それは今行動しているこの6人は、誰も悪くはないという事だ。

ミディールの話でどうひっくり返ってもあのブリザードが直撃した日に何をどうしてもどう行動していても何も変わらなかったことが明らかになってしまったことで完全に一行は心が折れてしまい。何も行動する事も無く1週間が経ってしまった。


彼らはこの一週間何も考える事も無くただただ無心で「いつもの日常を」おくっていた。

昼間は学校で夜はいつも通り各自自宅で。彼らにとっての普通の日常を過ごした。完全に彼らは諦めの境地へと進んでしまった


たとえ彼らが諦めたとしても彼らにとっての日常はいつも通りやってくるのである。


その日、理人と美亜は港に二人で釣りに来ていた。


「仲いいね~ここ最近よくここに来るけど成果はあるかい?」


どうやら最近は二人はよくこの場所に釣りに来ているようである。

冷凍ボックスの中には結構な数の魚が入っている。


「こりゃたまげたおじさんも負けてはいられないな」

そう言って結構な歳の行ってそうなおじさんが勢いよく釣り竿を海に向けてかざし勢いよく針を飛ばす。


二人は海の風にあたりながの昼食を食べていた

美亜が朝早く起きておにぎりとサンドイッチをを作ってくれた。

おにぎりの中身はシンプルに梅干しがはいっている。


どこまでもつづく青い海を見ながら二人はおにぎりを食べている。

その姿はさながら仲の良いカップルである。

「結構な量が釣れたし今日はここまでにして帰るか」


二人はキリのいところで切り上げ帰る事にした。


何でもない日常が過ぎていく。

どうする事も出来ずただただ過ぎていく。

皆同じことを思っていた。

これじゃ駄目だと。

このまま時が過ぎていけば取り返しのつかない事になると。

手遅れになると。

しかし彼らはどうする事も出来なかった。


何をどうしても無駄。

もしも何ていう展開など願っても無駄。

ミディールの会話から完全に彼らの心の灯を消してしまった。


理人は美亜を心の拠り所にしかろうじて正気を保っていた。

美亜はそれを理解しているのかそんな彼を受け止めていた。


隆太は目の色に精気を失ったような状態で理人から教わった技術を無心で頭の中にぶち込むような日々を過ごしていた。理緒はそんな彼を心配しながら彼と共に行動を共にする。


奏花は学校で教師代理として下級生たちに色々と教えていた。簡単に言うと彼女が中心になり授業をやっていた。


理人はその日も美亜と一緒に寝ていた。なぜか彼女がそばにいてくれると何の違和感もなく普通に練られていた。


俺は彼女の事が愛しくて仕方なかった。何故だろうか?彼女の事がすごく懐かしく感じるのだ。

始めて彼女の顔を見たときからこの気持ちを感じていた。

始めは美香の代わりにしていたからだと思っていたがしかしそれは違った。美香と同年代だから?何となくあいつに似ている雰囲気があったから?いやそれも違った。


でも凄く愛しくて仕方が無いんだ。


それと同時に凄く怖かった。彼女も、美亜もどこかに消えてしまうんではないかと。

怖くて恐ろしくてしょうがなかった。


一つだけはっきりと言えることがある。

俺は美亜を守らなければならない。

これははっきりしている。


なぜそう言えるのかな?

彼女の事が好きだから。それはもうわかっていること。

しかし何故かそれは俺の中で「義務」みたいな気持ちにもなっていた。


俺は夢を見たあの時のような現実のような夢を


女の子が体中に包帯を巻かれどこかの病院のベットで寝かされている。


「彼女の両親はたったいま息を...」


「血圧が下がってきている早く輸血!!を」

女の子を助けるために医者と看護婦が必死に動いている


「彼女の血液型は?なに!!!彼女の両親は__だっただと!!ならどうしようもないぞ!!」

(何故だかうまく聞き取れない)

「仕方ないガーボンヒューマンの生体から一部を移植手術を!!!」


「先生、彼女は元々、体が弱かったようでそんな手術もちませんよ!!」


「先生、いま検査の結果が出ました彼女の身体には疾患を抑えるためにすでに人口生体が移植されていました!!!しかもガーボンヒューマンからです!!」


「どうするんですか!!これ以上は...」


「輸血ができないんだしょうがないだろう!!!両親が生きて無事であったなら何とかなったがこれしか方法が無いんだよ」

プツン!と映像が切れたようになりいきなり場面が変わった。


「手術は成功した。しかしその影響は大きく彼女の身体は顔と頭部以外の半分がガーボンヒューマンの人口生体となってしまった。」


「先生、それでも彼女は元々....あの子の両親は...」


「言うな、彼女は愛されて生まれてきたのだそれは間違いはない。彼女の両親が命を懸けてこの子を守ったのだ。悪いのはそれを認められないこの世の中だ。高いお金を払ってまで人口生体を移植させてまで普通に生きてほしかったのだから」


俺はここで夢から覚めてしまった。

この夢はいったい何だったのだろうか?あの女の子は美亜だったのだろうか?


自分の横で寝ている美亜の顔を見ていると....なぜか涙が....よくわからない気持ちがわいてくる。


一方そのころ------。


ミディールはパソコンのキーボウトを操作しあるデーターを見ている

「これは私が招いた失態。あの子たちには罪はないわ」

............


「師匠、あなたの代わりに私が何とかするわ絶対に」

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現実世界〔恋愛〕
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