21.5話 名前の意味
私がこの世界に来て早1年以上が過ぎた頃の事、学校から帰って来るとお婆ちゃんがいきなり地下室の研究室に来てくれと言われ案内された。普段はここは立ち入り禁止の場所で私ですら入ることを禁止されている。だけどその日、お婆ちゃんから約束を守るなら今日から好きに出入りしていいと言われた。
地下室の研究室の中にカプセルのような形をした機会が置かれその中に私と同じくらいの背丈の金髪の少女が寝かされていた。
「私の娘だよ血は繋がってはいなから義理だけどね」
そういうとお婆ちゃんはクス!と笑い私に笑顔を見せた
「この子はあんたの叔母さんという事になるわね」
またお婆ちゃんはクス!と笑い私に笑顔を見せる
この子がこの場所で眠っていることは絶対に言ってはならないと言われた。
機械に入れられている女の子は病気で衰弱した状態であり眠らされている状態であることが説明された。容態が安定したら回復処置を施しこの装置から出すらしい。
「もう少しでここから出してあげる事が出来るそうしたらこの子と仲良くしてあげてほしい」
私はこの地下の研究室で女の子に異変が無いか毎日のように確認したり様子を見たりしに来るようになった。この子が目を覚まし話しかける日が本当に楽しみだった。
きっとお兄ちゃんが来たら年下の叔母さんがいる事にビックリするだろう。
この時彼女はそう想像していた。
ある日の事だ、お医者さまが女の子の容態を診察しにきた。
「血圧も心拍数も問題はない。そろそろ頃合いだね」
お婆ちゃんと先生は女の子の寝ている装置についてる端末を確認しながら会話をしている。
「いよいよこの子が目覚める日が訪れる。その時はどうかこの子に優しく接してほしいたのむよ」
先生はそう言うと私に笑みを見せた。
女の子はよく見ると初めて見たときよりも顔色がよくなっている。
たしかに容態が良くなっているようだ。私はこの時、安堵するとともにすごく嬉しかった。
この子を助けるために様々な技術と医療が投入された。
女の子を助けるために使われたこの装置はお婆ちゃんが開発した最新鋭のコールドスリープ装置だ。
「娘の命を守るためならばどんな苦労も惜しまないよ」
お婆ちゃんは毎日のようにそう言っていた。
またある日の事である。私はこの子の名前を聞いてみるとこう説明された。
「実は言うとあんたの名前に意味を付ける形でこの子に名前を付けたんだよ」
「この子の名前は「美亜」と言うんだよ」