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Never Island  作者: 阿久津ゆう
2章 めぐる日々
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21話 No, no one's bad.

「あんたたちは阿久津理人のクラスメイトでしょ?大人しく彼の居場所を教えなさい」

 銃を構えながら戦慄した顔つきをして女性は隆太と美亜をにらみつける


「人に話を聞く態度かそれが...」


「私の失態が彼女を危険にさらせてしまった!!美香ちゃんが行方不明になってしまった...彼女を何とかして見つけ出したいのよ」

「だから彼の居場所を教えなさい!!!」

 謎の女性はけたたましく二人に怒鳴りつけ再び銃を構える。


「ん?....」

 美亜が女性の顔を見つめる


「ん?.....」

 それと同時に女性も美亜の顔を見つめる


 ....................


 双方に長い沈黙の時間が...


「おい?どうしたんだ何かおかしいぞ?」

 急に二人が見つめ合うと静かな時間が訪れたため何が何だかわからない隆太。


「あんたもしかして美亜ちゃん!!!」


「ミディールさん!!!!」

 美亜は彼女の名前を呼ぶと同時に彼女に飛びつく!!

「はぁ?どういうこと」

 隆太は何がなんだかわからなかった。ただ明らかな事は両者に誤解があった事それだけは彼は瞬時に理解できた。


「この人はミディールさんお婆ちゃんの助手だった人、お婆ちゃんと一緒にいろんなことを研究していた人なんですよ」

 美亜は彼女、ミディール・バソーカを隆太に紹介する。


 二人はミディールからこれまでの詳細を説明された。


「ち...まじかこんなレベルのもんが直撃するなんて聞いてないぜ」


「おい!!奏花おまえは先にシェルターに行け!!俺はあいつを迎えに行く」


「ちょ!!無理だよここからどれだけ距離あると思ってるの?さすがに無理だよ」


「無理でも行くんだよあいつを見捨てろてえーのか!!」


 奏花や島の住民が慌てて彼を制止する

 そんなやり取りをしている彼らの横を爽快に走りばれない様に行動する女性がいた

 そうその人物こそがミディールである


「ごめんなさい、あなたを囮にするようなことをして...」


 美香が行方不明となった直後に起きたA級ブリザードあの日、ミディールは美香を救出するために屋敷に足を運び屋敷中を彼女を探したが美香を見つけ出すことができなかった。


 ミディールは屋敷の地下に入り美亜が眠っているカプセル型の装置、コールドスリープ装置を確認する。

「良かった...彼女は無事ね」


 そして彼女はそのまま地下室でブリザードが通過していくのをやり過ごした。


「ごめんなさい、あなたを囮にしてまで屋敷に行ったのに結局彼女を助けられなかった」


「その話マジか...」

 ミディールの話を聞いた隆太はショックと共に落胆する

 結局のところ彼があの時、無理を通して屋敷に向かっても美香はすでに行方不明となっていたのだから...。


「でもね?それでも不幸中の幸いと言ったら悪いかもしれないけど美亜ちゃんは無事に目覚めてくれたそれだけは本当に良かった...」


「彼が..理人さんが起こしてくれたんです。彼が助けてくれたんです。」

 美亜は理人がこの島に来てからの事をミディールに説明する。


「ごめんなさい...どうやら私はとんだ誤解をしていたようね.....本当にごめんなさい」

 ミディールは深々とお辞儀をして二人に謝罪する。


「彼がここに戻ってきたら更に詳しく説明するわ。あなた達に協力させてちょうだい。

 彼女は極めて彼らに協力することを誓った


 その後理人たちが戻ってきたのだが.....


「まさか探していた人がそちらから出向いてくるとは.....」

 理人 奏花 理緒の三人は想定外な展開に混乱しているようである。


 ミディールは彼らに更に詳細を説明していく


 まずミディールと美亜は正真正銘顔見知りで友人である。

 美亜が那智の家族となった後に那智から紹介され友人となった。

 美亜が眠っていた装置も那智とミディールが開発したものである。


 彼女の容態が急変し急を要する事態となったのだが今現在での文明レベルでは治療ができないために急遽あの装置に入れる事となり容態が安定したら回復システムを使用しようとしていた。

 美亜が眠りに付いたと同時に美香がこの島にやって来た。


 あのプロジェクトはこの頃には例の問題が発覚して凍結中止となった。


「ちょっと待ってくれ、ならそこのパソコンに入っていたデーターを残したのはもしかしてミディールさんなのか?」

 理人はミディールにそう問いかけると彼女は「その通り」だといい更に説明していく。


 凍結中止の要因は2つ美亜の回復の優先、そして那智の病状の容態が原因である。

 那智はその当時、心臓病に侵されていた。もう長くないと悟った彼女はせめて美亜だけは何とかしようとしていた。プロジェクトは当然無期の中止となった。

 しかし何といっても相手はシンギュラリティー(技術的特異点)那智なしでは制御不可能なのは当たり前。彼女の死に際の意向により無期の中止から完全に凍結中止となった。

 しかし、二人の意向を無視して秘密裏に二人以外の研究者たちは極秘にプロジェクトを進めてしまった。

 那智の死後、彼女の代わりに美香と美亜の面倒を見るために屋敷に居座り続けた。美亜の容態を監視するためにも当然である。


 そしてあの日、島にブリザードが直撃した日、。その日は美香は天候が荒れていたので学校に行っていなかった。ミディールは屋敷でパソコンからネヴァーランドのサーバーにアクセスしてデーター処理をしていた。そして彼女は衝撃の事実に直面した。ネヴァーランドで研究者たちはシンギュラリティー(技術的特異点)をついに完成させてしまっていた事実を知る、ミディールは起動だけは何とか阻止するために一時アイランドから離島してネヴァーランドへしかし時遅し研究者たちはシステムを起動させてしまうがはまだ完全には覚醒しておらず端末ごとブロックをかけ封印処置を施した。その後彼女はアイランドに帰島するがその同時時期に島にブリザードが直撃。慌てて屋敷に戻ったが時遅し美香の姿は無かった。


 ミディールは説明し終えると一行に深く土下座する

「すべては私の安易な行動が招いた失敗......申し訳ございません.........」

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現実世界〔恋愛〕
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