18話 シンギュラリティー(技術的特異点)
彼らは真実の一端の一部を見る事となるが...
隆太は理人の師事を受ける形でパソコンやそれらに関わる技術を教わり始めた。
まずはキーボウドの日本語入力の操作から始める事となった。
彼のセンスは目覚ましくたった二日で日本語入力をマスターするにまで上達した。
隆太のその行動に興味を示した理緒も理人に師事を受ける形でPCの操作など学び様々なテクノロジーに興味を示す事となった。
二人はメキメキと技術的な操作を覚えるまでに上達した。
「これは面白い彼らはなかなかの逸材かもしれない」
理人はすごく楽しくてしょうがなかった。
彼らに教えれば教えるほどその技術を物にしていく。
理人が二人に教えはじめ一週間が過ぎた頃だ。
隆太は美香の行方を探す過程で学校の校長室のパソコンを調べていた。
「なんだこれは.......」
隆太は見るからに怪しいデーターファイルを見つけた。
データーファイルは「シンギュラリティー(技術的特異点)」
「見るからにやばい匂いがするじゃん!!に!!にいちゃーーん」
彼らに奇妙な事象が今舞い降り始めた。
隆太からのSOSにかけつけた理人は校長室にあった那智のパソコンからデーターを画面上に出し始める。
美亜と理緒、更に奏花も駆け付けた
「間違いないこれは婆ちゃんが残したデーターだ」
ネヴァーアイランドの自給自足プログラムを促進する形で開発が進められた人工知能AIの完成に成功。ネヴァーランドのマザー端末にインストールに成功。
しかし器となる存在の端末ががいまだに完成していない。そもそもこの端末では人工知能AIを補うことは不可能。
様々な過程を駆使し私たちはこのシステムを完成させるべく試行錯誤巧み観た。
その結果とんでもない事実が判明した。このシステムはシンギュラリティー(技術的特異点)その者であった。
私達が元いた場所で得た情報とプロセスを元に造られたそれは、人類が手にしてはならない領域「シンギュラリティー(技術的特異点)」だった。しかも我々が完成させたシンギュラリティー(技術的特異点)はあくまで複製体であることが判明した。アメリカのとある研究者が作り出したその存在の情報を元につくりだしたそれが複製体として我々は完成させてしまったのだ。
これは危険だ人が手にしてはならない。
シンギュラリティー(技術的特異点)はまだ完全には覚醒しておらず眠った状態である。
端末ごとブロックをかけ我々は封印することに成功した。
この過程を踏まえネヴァーランド計画は凍結完全中止とする。
なおこの端末を起動しこのデーターを見たものにこのシンギュラリティー(技術的特異点)がどれだけ人類にとって脅威となる存在なのか伝えることとする。なぜならばこの存在を世に放てば恐ろしい事態となる興味本位で関わることを止めさせるためだ。
先もいったが我々が作り出したものはアメリカのとある研究者が作り出したその存在の複製体だ。
つまり既にオリジナルとなる物が存在し既に世に恐ろしい災いとなる被害を葬った。
わかるだろう?あの2次大戦でアメリカが使用した「それ」もシンギュラリティー(技術的特異点)が作り出したものだ。
なお先に作り出された存在は作り出した存在である人物がデリート削除を行い完全に消滅させた。
その後このシステムは二度と世に放つことは許されないロストテクノロジーとなった。
しかしその存在を作り出したことは決して無駄な事では無かった。
やがてそのAI技術は人が作り出した人口生命体たるガーボンヒューマンに活用され普通の「人」と全く同じ思考をもつことに成功した。
話は長くなってしまったがここまでの話をきけばわかるだろ?けして興味本位で関わらない事だ。
いいね?
出された情報ここまでのようである
「.......」
「.......」
「.......」
「.......」
「.......」
五人は固まった状態でその場で硬直している
「.....マジかよ」
理人は頭を抱える。気のせいか汗をかいている。
「おい...兄ちゃんが婆さんの部屋で見つけた資料によると美亜の体調悪化が原因で計画が中止になったと書いてあったじゃねぇーかこれはどういうことだ」
隆太の言うとおりだ。しかしこれはあくまで理由の一部であったという可能性もある。しかもあの資料には「一時中断」と書いてあった。つまり...
「これは婆ちゃんが残したデーターではない」
という事になる
「このデーターを残したのは婆ちゃんと一緒に計画を進めてきた研究者の誰かが残したものだ」
「婆さんは美亜の介護についている間に何者が計画を進めそして事の真相に気づき端末ごとブロックをかけたんだ」
「てことはお婆ちゃんと行動を共にしていた研究者の人たちが存在するという事だよね?」
奏花はとんでもないことに気づいた。学校の端末にこの情報が残っていたという事はこの島にまだその研究者たちがいる可能性がある。
「な~理人ッちが見つけたお婆ちゃんの資料の最後は2007年12月14日が最後なんだよな?」
理緒が何か気づいたような素振りを周囲に見せる
「この端末には年数も日にちも書いてない。ばっちゃんが中止の意向を出した時期とこの人が中止と判断した時期は別なんじゃないかな?」
「つまりどういう事だ?」
「その研究者たちの誰かが美香ッちの行方をしる人がいるかもしれないってことだよ」
ついに尻尾を掴みとる事ができた。