17.5話 A-20H0e8iSe-i-1-15
始まりは、お婆ちゃんが私に渡した紙切れだ。
お婆ちゃんは無言で私にその紙をわたした。
紙にはA-20H0e8iSe-i-1-15 g:yq@bbfgwfq@/q@と書いてあった。
何かの暗号なのだろうか?
私が何を聞いてもお婆ちゃんは何も話さなかった。
その後しばらくしてお婆ちゃんは老衰で亡くなった。
この暗号のようなものは幼かった私にはまだ理解することができなかった。
その後私はお兄ちゃんと二人で暮らす事となった。
両親のいない私にとってお兄ちゃんはたった一人の家族であり信頼できる人であった。
友達や友人がいなかった私をいつも支えてくれた。
私が15歳の頃に白血病を発症し入退院を繰り返すようになった。
主治医になった人はなんとお婆ちゃんの主治医だった人だ。
まさか私の主治医にもなってくれるなんて..
お兄ちゃんは私のために夢を捨てて別の仕事に就いた。
私はなにも出来なかった。
私はある日、お婆ちゃんから渡された紙切れの事を思い出した。
先生にこの紙切れをわたし書いてあった内容を見て驚愕し一瞬にして顔色を変えた。
そして先生から思いもよらない言葉が....
「彼女は那智さんは生きている...」
何を言っているのかわからなかった。
誰でも知っている夢のようなシステム...人生をやり直すことができる「グロウベルグシステム」お婆ちゃんは秘密裏にそのシステムを使って死に際に別の世界に転移している可能性があった。
紙切れに書いてあった暗号は転移する世界の言わば座標のようなものだらしい。
しかし、後の方に書いてあったものは何かのモールス信号のようなものだったらしく先生は解読を進めたらしいが結局これが何を意味するのかは結局わからなかった。
私には時間が無かった....でもお兄ちゃんを一人にはできなかった...したくなかった。
お婆ちゃんの居場所...座標だけはわかっている
そして私は決断した。
グロウダイバーとしてグロウベルグシステムを使いお婆ちゃんが転移した世界に私も転移する事を。
そしてお兄ちゃんも今いる世界で寿命を全うしたあとに私が転移した直後に転移してもらいあちらの世界で再会する...。
そしてもう一度一緒に人生をやりなおす。
お婆ちゃんの事は話さなかった。
これはサプライズにするつもりだった。
頑張って生きて来たお兄ちゃんへのご褒美
はずだった....
病室で二人は最後の時間を迎える
「大丈夫、すぐ会えるさ」
そう言うと理人は美香の手を握る
「私はお兄ちゃんと同じ時を過ごす」
「そのためにほんの少しのお別れです」
美香は力いっぱい笑顔を理人に見せた
そして転移した先で私はお婆ちゃんと再会した。....
そしてーーーー。
お兄ちゃん待ってるよ。
この謎を解けた人はおおよそ中盤にかけての展開は予測着くと思います。