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Never Island  作者: 阿久津ゆう
2章 めぐる日々
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13話 In Search of Eternal Rest

  本日は理人と美亜の学校への初登校である

が、学校には理人たち5人のほかに生徒が数名がいるだけでほとんど学校としては機能していない。

彼らは自主的に勉強したり庭にうえた野菜や果物などの世話などして一日終わってしまう。


 今いる生徒のほとんどが孤児の子供たちであるため、自給自足で暮らすためこうして日々過ごしているのである。理人の祖母、那智が生きていたころは彼女が子供たちを面倒見ていた。

資金面も彼女が負担していたため。子供たちの生活面での問題は全くなかった。

いわばこの学校は一種の孤児施設のようなものである。


  婆ちゃんあんたつくづく凄い人だったんだな。


  しかし彼女が病死してしまったためその施設の機能は完全に失ってしまった。

子供たちは自分たちの力で生きるため自給自足で生きようとしている。

この島での行政はまったく機能していないため彼らを支援してくれる大人はいない。

自分たちで生きていくしかないのである


昼ご飯は奏花と理緒が、理人は得意の料理のシチューを作り昼食に出した。

野菜をじっくり煮込んだシチューである。


 生徒たちは夕方になると自分たちの住んでいる家に帰っていく。


 俺は美亜と共に再び学校にあった資料を読みあさっていた。


 この島の建物は日本と琉球が共同で開発計画が進められ、一軒家や多数の住宅が作られた。

 しかし寒冷化により世界的な文明の衰退により開発計画は途中で断念してしまった。

建てられた一軒家や住宅地や多数の建物はそのまま放置されることとなったのだが、そこに目を付けた婆さんは日本と琉球の二国に多数の資金をてにして交渉して島ごと買い取った。

そして、二国間での難民たちが移り住むようになった。

それがこの島「アイランド島」である。


 一応適切な申請さえすれば空いている建物にはどこでも暮らせるようになっているらしい。

というか基準はどうなっているのか全く分からないが何故か争いごとになったことが一度もないらしい。


 初の登校日は殆どが自主的な活動で一日が終わった。


 それでも理人にとって有意義で新鮮な一日であった。

ここから始めよう。俺の学校生活を。新しい友人と友達との生活を。


 帰り道、理人と美亜は奏花、隆太、理緒と共に街にある図書館に立ち寄っていた。

少しでもいいから美香に関する情報が欲しかったからだ。


 5人は図書館に保存されていた新聞を手あたり次第探ってみることにした。


 「これと言った気になる事件というか話の展開が進む内容な情報はないな」

隆太は新聞を見ながら日付と時間を照らし合わせている。


 「この島で殺人事件なんて一度もおきたことすらないからね~」

理緒が物騒なことを言い出した。

 事実この島は本当に平和そのものである。

島の長の那智とその孫娘の美香か行方不明になったことは大事件であり島中が大騒ぎになったほどだ。


  2010/3/10

島の長、賢者「那智」の孫娘、行方不明、島中で捜索されるもその行方は見つからずその安否は不明。


  中々はでな一面記事となっている.......

て!!婆さんこの島では賢者として拝められていたのかよ


 更に気になる記事があった。


 人工島計画「ネヴァーランド計画挫折」

何だろうこの記事は?


 「あーこの記事か、この島以外にも安息で住める島を作る計画があったんだけど。思うようにうまくいかなくて計画は中止になったんだよ」


 隆太によるとこの島は元々は何もない島だったらしく、計画進行の際は木々やたくさんの緑が人の手で植えられ、アイランドのように移住区がつくられ第二の安息の地として期待されたが、計画はうまくいかず挫折、島はそのまま放置されたらしい。


  更にいろんな記事を見てみたがこれと言った変わった記事はなかった。

その後五人は、暗くなってきたので現地解散で自宅に帰ることにする


 その日の夜、理人はなぜかネヴァーランドの計画が気になったため那智の部屋にある資料を調べることにした。

祖母の机から一つの資料を発見。

その内容は何もない更地の島に人の手で緑や木々を移植したあとに自給自足で生活できる安息の地を作り出すと言った内容だった。

 しかしその資料には肝心な事に島の場所がどこにあるのか書かれていなかった。


 さらに祖母の部屋にある本棚などを調べてみると気になる内容の書類を発見・彼はその書類を手に取り読んで行く。


 [2007-7-27]

緑や木々などの移植はほぼ成功、しかし私は心臓に重い病気を患ってしまった。どれだけの猶予が残されているかわからない。計画は急がねばならない。


 「....な!!!!」

理人の書類を手にする手がふるい始める


 「理人さんそろそろ夕食に...て、どうしたんですか?」

理人は美亜に那智の部屋に合ったネヴァーランドの書類を見せ。その続きを読んで行く


 [2007-9-24]

人口島「ネヴァーランド」に自給自足プログラムを設置これである程度の生活は出来るようになるはずだ。あとは島の歩浮力に問題、歩進に関してはまだまだ問題がある。


 [2007-10-29]

最大の問題となる島の電力供給はエモータルシステムで何とかなるはずである。


 何なんだこの書類は...


 「私はこんな話まったくお婆ちゃんから聞いてませんよ?...」

文字通り、美亜の言葉に嘘偽りはないようだ。

つまり婆ちゃんは計画の全貌は関係者以外、美亜どころか島の人たちにすら何も話さずにこの計画を進めていたらしい。

 しかしいったいなぜ?大まかな計画の内容は世間に知られてはいたが肝心な部分は欠けていた。


だいたいこの島にとっても重要な案件だ


二人はさらに資料の先を読んで行く


 [2007-7-19]

自給自足プログラムはほぼ問題なく動き続けている。しかし島の歩浮力と歩進に関して問題があり。島が歩進し続けると島の周りの海域が著しく荒れ始めてしまう。これでは外部から島への上陸はほぼ不可能である。


 計画はかなり難航していたようである。計画が中断したのも納得いく。しかもあの人は心臓に病気を患っていたようだほんとにどれだけ苦労していたのだろうか。祖母の心中をうかがえる


  [2007-12-14]

私の家族の一人美亜が原因不明の体調不良による高熱により一時意識が混濁。私の命ももはやどこまで持つかわからない...計画は一時中断し彼女の命を最優先にする



  え?.......

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現実世界〔恋愛〕
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