12話 真相は夢の中
彼はある日の夜、夢を見たそれは明らかに自分の夢ではなかった。
それはまるで誰かの夢を見ているようだった
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私は死んだ、生きるために死んだ次の人生という可能性に賭けて死んだ。
でも私は人間ではないうまくいくかわからない。
でもそれでもいいあんな身勝手な人たちのために私は死にたくない。
私は人の手で作られた。
人に作られ生まれた。
私は引き取りてにわたされる直前に肺に欠陥が見つかった。
知恵のある人間たちは私の身体は肺以外に欠陥がないとわかるとすぐに肺以外の臓器を次の個体に生かすために処分を決行しました。
そして私は逃げました。そして生きるために死んだのです。
私にも心があります。
私にも痛いという感触がちゃんとあります。
私にも喜びという気持ちがあるんです。
私たちガーボンヒューマンにも心があります。
私たちも自由にいきる権利があります。
私が望み逃げた先の世界は廃墟が進み寒冷化が進む世界でした。
私は成功しました。
私は自由にいきる権利を得ました。
そしてお婆ちゃんは私を娘として迎えてくれました。
家族が出来ました。
私の体は病弱でした。
お婆ちゃんは私を助けるためにあらゆる知識を使い私のために尽くしてくれました。
そして私は眠りに付きました。
病気の進行を止めるために眠らされたのです。
どれくらい寝ていたのかはわかりません。
目が覚めたときは2年の歳月が経っていました。
私を起こしてくれた人は凄く優しい人でした。
その人はお婆ちゃんの「家族」でした。
彼も私と同じように心に傷を負っていました。
でもその心の傷は私のものとは少し違いました。
その傷は「愛」なのです。
彼が大切な人を失ったことにより心に負った傷は失った人たちへの無償の愛の形なのです。
私はいま彼の隣にいます。
私は彼の心の傷を愛だと知りました。
そして私は彼に求めるようになりました。
私を見てください。
私はあなたを愛しています。
私にも心があります。
私にも他人を愛することができるのです。
私はあなたの力になりたい。
私はどんな時でもあなたの味方です。
これだけは信じてください。
私は絶対に裏切ったりしません
理人さん
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んう.....なんだ夢か?
それにしてもやけにリアルな夢だったな...
理人はどうやら夜中に眠りから覚めてしまったようだ。時計の針はちょうど夜中の2時
それにしてもやけに鮮明にはっきりとした夢だったな。
なんかすごく心の中が温かく感じる夢だった。
今も胸元が温かい感触が感じる。
いや....普通に暖かくて柔らかい感触が.....
は?.....
!!!!!!!!!!!
何と理人は美亜をベットの中で抱きながら横になっていた
あれ何でこんな状況になってんだ?
いやいやこんないたいけな少女普通にまずいだろ?
昨晩の事である。理人の悩み話を美亜が聞いているうちになにやらおかしな展開になってきたのである。
「睡眠障害ですか」
「ああ、そうだ」
「どうやら元々俺がもっていた睡眠障害はこちらの世界に転移されてきた際にそのまま残ってしまったようだ。」
理人は重度な睡眠障害を患っていた。
どうやらこの疾患はこちらの世界に転移してきた際にそのまま残って....というより持ってきてしまったようだ。
厄介だなこの島には頼りになる医者もいないし睡眠薬もない
どうしたものか?
すでに3日は寝れていない。
しかも今日に限っては学校を見て回ったあとのあの展開はそうとう精神的に来ている。
今日ぐらいは流石にぐっすり寝たい
「理人さん、前の世界ではどうやって寝てたんですか?」
「そりゃー睡眠薬を飲んで無理やり寝ていたさ....しかし...」
....
「理人さん?」
「美香がそばにいた頃は....」
薬でも本当にどうにもならない時は、美香が気を察して勝手に布団に入ってきて添い寝してくれた....
こんな事を俺ははずがしげに美亜に話してしまった。で、こんな状況になってしまったのだが...この状況に至るまでまだ深い話があるのである
「私かわりになりますよ?....」
ちょっとマジで何言ってんのか君は?
さすがにまずいだろそれは?
いやそもそも実の妹に添い寝してもらっていたのもまずいか?
しかも美亜は見た目からして今の美香の年齢と同い年。
「私も眠れない日はお婆ちゃんと一緒にねていました。」
「え」
「私も最近、ほとんど寝れてないんですいろいろあったから」
「だから.....だめですか理人さん」
この時、美亜は恥ずかしそうに理人を恥ずかしそうに上目遣いで見つめて来た
こうして二人は同じベットの寝ることとなったのだが
「今夜はやけに冷えますしそれが理由ということにしましょう」
「ま、そういうことにしておこう」
ん?こ....これは?
やばい...暖かくていいかも....安心する...
え?何これ?すごく懐かしい...
ああ....これが...てんご....
....
(注)現在
え?うそある意味まずいじゃん俺
「ん...むにゃむにゃ」
美亜は理人の胸の中で気持ちよさそうにむにゃむにゃと寝ている。
いや男としてはうれしい状況なんだろうけど相手はいたいけな少女、しかも妹と同い年。
そもそも添い寝なんて妹にしてもらったことしかな.......
いやそれもまずいだろ俺。
「んう...」
理人の胸の中ですやすやと眠り続ける美亜。
や...やばいやわらかくて...ああ...また...もうだめ...すうすう。
zzzzzz.....
理人は深い眠りの中に落ちていく
安眠と熟睡という名の天国へ
ちゅんちゅんちゅん!!!(朝)
ぴんぽーん!!
「おーい!!兄ちゃんよー学校行こうぜぇー」
「理人っちー!!!迎えに来たよー」
かば!!!!
「え!!!もうこんな時間!!美亜起きろ!!!」
「ふ...ふえ?」
その後............
「おい、兄ちゃんどうしたんだ何かやつれているように見えるぞ?それになんだその目の隈は?」
「なんでもない、昨日はあんまり寝れなかったんだ」
久々に熟睡出来たのにもかかわらずほとんど全くと言っていいほど意味がなさなかった理人であった。
それにしてもあの夢は何だったのだろうか?
ある意味、深夜の出来事は真相は闇の中である




