97話 「もう一つの結末」
...............................
なぜ.......................
なぜ..........
こんな現実を俺に見せた。
「あなたは誰?」
俺は...........
「ごめんなさい、私目が見えなくて....。」
理人はとっさに彼女を抱きしめる
「え?」
何故だろう?この感じ....すごく懐かしい感じがする....これはまるで
「遅くなって.....すまなかった...」
「どういうことですか?」
「すまない、今は詳しく話せないが...俺は君のお兄さんから生前にことずてと身の回りの世話を頼まれてきたんだ。この人たちは俺と同じでお兄さんの友人の方々だ。」
理人は仲間たちの自己紹介をする
そしてこちらの世界の美香から事情聴くことに。
「君のお兄さんの理人さんの身に何があったのか聞かせてくれないか?」
こちらの世界の美香の話によると何とこちら側の俺は白血病により数年前に亡くなっておりそして美香は末期癌によりすでに余命いくばくもない状況でほとんど目が見えない状態である。
俺たちとは立場が完全に逆になっている。
理人と美香が話しているのを遠くから見ながら隆太たちは二人には聞こえないようにひそひそと話している
「なぁ、これからどうする?美香をこのままここに置いていくわけにはいかないだろ?」
「で..でもこっちのほうの美香っちは『私たち』の理人っちの事情すらしらないんだよね?やはりちゃんと説明したほうが...」
「それにこのままじゃいずれ美香ちゃんという存在が二人になっちゃうよ?どうするの?」
「なんか話が滅茶苦茶こんがらがってきたのぜ」
「こりゃ~まいったわね」
話がややっこしくなってしまった。兄ちゃん...これからどうする。
悪いんだがここにいる美香は姿かたちは全く同じだが兄ちゃんが心から愛してやまない美香とは違うんだぞ
「今話し合ったのだがこれからどうするかしばらく考えさせてほしいとのことだ。答えが出るまではあの自宅にすきにいてもらっても構わないとのことだ」
ええええ~....マジで言ってんのかよ兄ちゃん。あんたもうあいつを引き取る気満々じゃないか
そして彼らはあの自宅でしばらく間過ごすことに....
懐かしいな....世界が違うというかこれは並行世界だもんな....
理人は自宅の部屋の隅々を見てしんみりとする。
時間の流れが違うだけで形そのものは全く同じなんだな
ん?........これって...
仏壇がおいてある座敷上の部屋に飾られているドレスをみて驚愕する理人
そんな.....このドレスは.......俺があいつのために.....。
「どうしたんだよ兄ちゃんそのドレスがどうしたんだよ」
「このドレスは...俺があいつのために作ったものだ...」
「え?...」
「こっちの世界の俺も同じことしてたんだな」
「兄ちゃん...」
ドレスを見ながらため息をつく理人
「このドレスはお兄ちゃんが私のために用意してくれたものなんだ...」
「...........」
何も言えず下を向き続ける理人
ああそうだよ.......
「お兄ちゃんは私より先に行ってしまったけれどちゃんと私に残してくれた。私を愛してくれたという事実を」
何やってんだよ...この世界の俺.......
これがこちら側の二人の結末です。悲しいけどこれが現実なのです。
なお今回の話は34.5話と対比になっています。
見た感じ両方の世界とも救いのない結末に見えそうですがあちらのほうでは甘夏目と新田が関与したことである意味では救いのあるものとなっています。




