91話 「追憶の彼方」
これが爺ちゃんと婆ちゃんの出会いとそして結ばれるまでの過程...。
この二人が後に俺や美香に繋がっていく。
婆ちゃんが残した記録にはまだ続きがあった
「その何だ?結婚したほうが別人を演じやすそうだしこうつご...いてててて!!」
那智は雁惰の耳たぶをひっぱり不満そうな表情を見せる
「もっとまともなプロポーズの仕方は無いの?」
「苦手なのだよこう言うのは」
「真顔でなにいってんのあんたは」
「どんだけ一緒に過ごしてきたと思ってんのよ!!!こういう時ぐらいまともなこと言えないの!!!」
「苦手だと言った!!」
ピンポーン!
インターホンが鳴ったのだが二人は言い争っていて気づいていない。
ピンポーン
「まったく.......外まで声が聞こえているのに...あの二人は」
彼の名前はケヴィン・グローバー(22)
彼らの仕事仲間である
「何だ鍵が開いてるな」
どおどおとドアを開けて真正面から入っていくケヴィン
「もっとロマンチックな場所で言えたりしなかったの!!!」
「だから苦手なんだってばそう言うの!!!」
「あの、外まで聞こえてるんだけど」
「え?」「え?」
「まったく何やってるんだよ毎度のことながら君たちは」
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「なあ?俺たちは一体何を読まされているんだ?これ那智の婆さんだよね?こっちの男性は兄ちゃんの祖父にあたる人だよな?」
「し!!データーが残されているという事は何か重大な事を僕たちに知らせようとしているという事だよ。我慢して!! 」
「こんな若いころからなにやってたんだこの二人は....」
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「ケヴィン、何しに来たんだ」
「何しに来たんだとはつれないな?結婚の祝日言くらい言わせてよ」
「冷やかしなら帰れ」
「ちょっと!」
「流石にそれはね...」
「で何しに来た?」
ケヴィンは封筒から資料をだし二人に見せる
「人工的にアニマを作成し物体に癒着させる実験をついに生態科学研究施設が成功したようだね君の手腕のたまものだよ流石だね」
「ついにやったんですね」
「これで君の愛刀にアニマを癒着させることも事実上可能となったわけだ」
雁惰は日本刀をさやから取り出し二人ら魅せる
「この刀はただの日本刀ではない日本史で言う鎌倉時代に作成された業物だ」
「君の剣術ではただのナマクラじゃ耐えきれずにたちまち折れてしまうからね」
「この日本刀ではそう簡単には折れたりはしないだろうが何度も使用すれば劣化していくだろからな」
「そこでアニマを愛刀に宿らせて事実上強化させる。君の発想は毎度のことながらびっくりさせられるよ」
「宿らせるアニマは私自身のアニマだ」
「これでこの日本刀は事実上壊れたり折れたりすることはぜったいにあり得なくなるよ。事実上最強の武器だ」
「ただし宿っているアニマ本人でなければ武器の使用は絶対に不可能になるがな」
...............
この日本刀ってまさか
「でもなぜ俺がこの刀を鞘から取り出し使用することが出来たんだ?」
「そりゃ兄ちゃんがこの人の孫で血が繋がってるからだろ?アニマだって似てるだろうし」
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「ガーボンヒューマンの件はどうなっている」
「既にアニマを宿らせることは成功しているよ」
「だけどこんな事していいのだろうか?人がいちから人間を作り出す。これは明かに神への冒涜だとおもうけどね」
「この肉体はケガや病気、不治の病で余生短い人たちのために用意する体だ。これからの人類にとって必要不可欠だ」
「実用するまでにはまだまだ時間がかかるだろうね」
この後のデーターに婆さんがのこした言葉が残されている
しかしガーボンヒューマンには致命的な問題が起き完全には実用はされなかった。
人が怪我や病気などで体の一部が切断せざる得なくなった場合ガーボンヒューマンの体の部位を移植するなどごく一部に活用するにとどまった。
そして作成されたガーボンヒューマンは独立した意識が芽生えやがて人間とまったく同じようにしゃべったり歩いたりするようになった。
「まさかあのガーボンヒューマンがこんな過程で誕生していたなんて」
そして私は転移した先で出会った孫の美香に瓜二つな少女美亜。この子の体はガーボンヒューマンの臓器や体の一部が移植されていた。これが原因で彼女もまた私と同じグロウベルグシステムを使用しこの世界に転移してきたことがわかった。
婆さんがのこしたこのメッセージの後に再び過去の話が再開した。