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Never Island  作者: 阿久津ゆう
 6章 Episode of Another Japan~悲しみの亡国もう一つの結末へ
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86話 「歪」

 俺がこの世界に転移してくる時期にずれが生じたのはあのオーロラの発生源でもある磁気嵐が原因だった。

まさかこんな事で俺たちの人生が......。


 「それは人為的に何かの手段をもちいて何者かが理人君の転移時期をずらした可能性が高いわね」

陰で潜み二人の会話を聞いていたミディールが話に割ってはいる形で姿を現した。


 「あら陰でこそこそと盗み聞きとはどういうつもりかしら」


 「一応私はこの子たちの保護者役ですからね、それに貴女もいろいろと疑わしいところが沢山あるわなんで貴女はそんなこんな事がわかるの?科学の専門家の私からしたら尚更のこと不思議で仕方がないわ」


 「実は言うとね私たちがこの施設にたどり着く前にラピズが虹色に輝くオーロラを見つけたのよ。その後に全てのエアーダーガルがほぼ同時におかしくなったのよ」


 「でも俺たちが乗って来たエアーダガールがおかしくなることは無かったですよ」


 「そういえばあの時ラピズがオーロラから不吉なアニマを感じ取ったと言っていたわね」


 「やはり何か意図的な物を感じるわね」

今回発生したオーロラと月見さんやラピズ、旅団の人たちが遭遇したオーロラ。そして本来おれが転移してくるはずだった時に現れたであろうオーロラこの事象になにかつながりがあるのだろうか?まさか本当にミディールさんの言うとおり何者かが意図的に発生させたものなのだろうか?


 「ごめんなさい、話が長くなってしまって。あなたもそろそろ寝たほうが良いわね」


 「月見さん、あなたはこれからどうするつもりですか?」


 「わたし?さっきも話したと思うけどみんなとここに残ってなんとか時間を稼ぐつもりだわ。あなたはあなたの役目をまっとうして。」

そういうと月見は理人の方に手を置きポン!とたたかく


 「月見さん、ふたりをここに置いていこうと思う二人はあなたと一緒にいたほうが良いと思う。きっと戦力になる」

このまま二手に分かれて行動するなら戦力は分断したほうが良い。ラピズは俺以上のアニマ感知能力をもっている。そもそも彼女がここに残るなら隆太もおいて行くしかない。二人は一定以上の距離を離れることが出来ないのだから。


 「ダメよここに残ったら二人を危険な目にあわすだけだわ。」

親心と言うやつかなら....。

 

 「ミディールさんはこっちに残ってください」


 「あなた何を言ってるの?」


 「俺は本来はいい歳した初老の大人です!!あなたがいなくてもあいつらは俺一人でも何とかして見せますよ!!」


 「あなた何を言ってるの?」

..............


 「あなたは美香ちゃんと再会して人生やり直すんじゃなかったの?」


 「なら二人にもやり直す権利がありますよね」


 「あなた何を言って」

理人はミディールの言葉を静止して言い放つ

 「二人は何年もお母さんと離ればなれになっていた。俺と美香の様に」


 「あなたは...。」


 「兄ちゃんやめろよ」

まさか...隆太とラピズも隠れて話を聞いていたとは...


 「お前たち二人はここに残るんだそしてお母さんを守るんだ!それが君たち二人の役目だ!!」


  ピシャン!

ミディールは理人に頬をひっぱたく


 「いっぱしに大人ぶるな!あんたやっぱり大人になり切れてなかった様ね」

理人は頬にてをあてふてくされた表情を彼女に見せる


 「自分の境遇と対比させて正当化させる。みっともないわね。それガキのする事だわ」


 「それでも俺が二人に俺のようになってほしくないと言う気持ちは本当のつもりですよ」

理人はミディールに睨みつける。


 こ...こいつ......確かに...この圧気は....


 「ごめんなさい」

月見はそういうと頭をさげる


 「私たち親子のためにこれ以上言争わないで...」

彼らは沈黙し黙り込む


 「今日はみんな本当に寝たほうがいいわねこれ以上言い争っても何もならないし....」


 「行こうぜ兄ちゃん」

 

 「すぅ...すぅ.....」

ミディールが床に転がり寝ている。

隆太は彼女を抱きかかえおんぶする


 理人は二人の後に続くように歩き出す


 「月見さんこんな遅い時間に申し訳ないんだけど見てほしいものがあるの、あなたも科学的な知識が多少はあるのでしょ?」


 「ええ、構わないけど見せたいものとは?」

ミディールは一つの封筒を月見に手渡す


 「この封筒の中にある資料は一つの「真実」が書き示されているだけどこれはあくまで科学的な物であって本当に現実かはわからないの」


 「なぜこれを私に?」


 「親としての目線で見れるあなたなら何かわかるかと思ってね」

月見は封筒の中の資料を目にする。その内容は理解が出来ない内容だった。


 「これは一体何の冗談?このDNAのデーターの一致の仕方はまるで...」


 「科学的にはそう言うことになってしまうのよ」


 「でもあの「二人」の年齢からして絶対あり得ないわ」

毎度、いろんなタイミングで出てくるこの話は実は言うと重大な伏線です。

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現実世界〔恋愛〕
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