9話 行方
美亜の体調も良くなったことだしそろそろ学校に通い始めようと考えていた。
美亜も学校に通いたいと言い出したので時期的にも良いかもしれない。
そう言えば学校の場所どこだっけか?奏花が案内してくれると言っていたがこれだけ日が経ってしまったからな。
と言うわけで奏花の家に尋ねることに(住所は事前に教えてもらっていた)
この付近の建物では割ときれいな建物だ
ぴんぽーん!(チャイムの音)
...あれ?
ぴんぽーん(チャイムの音)
「あれおかしいな」
「誰も出ませんね」
困ったな知り合いというか頼りにできる人は奏花しかいない。日を改めて出直すか?
「おう!あんたら誰だ?」
俺たちと同じくらいの歳ぐらいの男子が話をかけて来た。
見た目は身長は160センチ台?スポーツとかやってそうな見た目な顔つきをしている
「奏花に用事でもあんのか?おれこいつの家の近所に住んでんだ」
理人と美亜は彼に事情を話す事にした。
「てーことはお前たちは転校生てわけか」
「でも転校してくる奴はたしか一人だけだと聞いてたんだがこのちっこい奴も転校生てわけか?」
「美亜ていいます!よろしく!」
「.....まーいいか奏花の奴は今、学校にいるはずだから家にいない...」
「てー普通この時間はみんな登校してんだから、家にいるはずないだろ」
「...それもそうか....だがなんで君は登校してないんだ?」
理人がそう尋ねると彼は急に顔色を悪くする
「...ち....色々あって行きずれぇんだよ...」
「わかったよ俺が案内してやるよついて来いよ」
「君の名は?なんて言うんだい」
「隆太、祥雲隆太だ」
「阿久津 理人だよろしく」
「な...!!理人て...てことはお前...美香の...」
「美香の事知っているのかい?」
「知っているも何もクラスメイトだ」
「ち.....」
隆太は舌打ちをし顔を下に向け頭を抱え辛そうな表情を二人に見せる
「すまん何も出来なくて」
........
「いや俺がもっとはやくこの島に来ていればこんなことにはなっていなかったかもしれない、どうか顔をあげてくれないか」
そういうと理人はかれの肩にに右手をポンと置く
彼の表情から察するに美香の事で相当心に傷を負っているようだ。
話を色々聞くと彼もまた美香のためにいろいろとを手を尽くし彼女の消息を探してくれていたようだ。
「お前の婆さんにはいろいろと俺たちは助けてもらっていた。婆さんが亡くなった後に...美香が行方不明になった....たく...なんでこんなことになっちまったやら」
美香がいなくなってしまったことに彼は相当こたえているようだ。
「俺も会いたいよもう何年もあってないんだ....」
その言葉を聞くと隆太は苦しそうなしかめ面を浮かべる
「ち.....」
彼は再び舌打ちをするそして...
「行こうぜここで話しててもどうにもならねーぜ」
彼の案内で二人は学校まで案内してもらうことに。しかし彼の歩みかたは重く感じられた。
あいつの兄として俺は彼に何か言えないだろう?してあげられることはないだろうか?
余計な事をすれば余計に傷つけるのでは?でもこのままではダメだ....話を聞く通りだと学校は共同で一つのクラスしかないこれから彼とはクラスメイトとしてやっていく事となる。
このままではだめだと理人はそう思った
......雰囲気が重い...
だがそんな思い雰囲気に地雷(?)を刺す存在が現れた
「隆太君と美香さんてどういう関係だったんですか?」
おい...美亜さすがにダメだろそれは
「話してくれませんか?」
ダメダメ、それはダメだって雰囲気よんで
「おまえいったいなんだ?人の心の傷をさら深めようてぇーいうのか?」
うわ....もろにやっちまったよ...
これはもう取り返しがつきそうにないぞ.....
終わった...俺の2度目の人生。
「おいガキかわいいつらしてなめるなよ」
そう言うと隆太はギラっと美亜を睨め付ける
「あなたの心の傷つきようは尋常じゃない...」
「美香さんが行方不明になる前に、多分あなたと美香さんに今までとは何か違った事があったのではと思ったんです。だから...」
「それだけじゃない...あなたの心の傷を感じるから聞きたいと正直に思ったんです」
「え.....」
「大丈夫だよ、ちゃんと話を聞くよ」
「あなたの心の傷はあなたの心の優しさの証」
「おまえ.....」
地雷では無かった....
「私も理人さんも力になるよだから大丈夫、話して?...」
ふう....一時はどうなるかと思ったが....
「話聞かせてくれないか、君の事、美香の事」
「何か手掛かりが欲しい。話してくれないかい?」
「わかった場所変えよう...ついて来な」
隆太の案内で近くの喫茶店に入り話をすることとなった。
「たく...仕方ねぇーな...」
「1か月前婆さんが亡くなり数日後に行方不明になった。」
「これはあの婆さんが亡くなった後の話だ」
彼の話によると婆ちゃんが亡くなった後、普通なら葬式をするはずなのだがそれは一切なかった。
遺体は近くの墓地に通常通り納骨された。行方不明になったのはその後。しかし不自然なのだ亡くなった後にだれもその遺体を目にすることはなかった
「おい...マジかお前の兄ちゃんほんとに来るのかこの島に」
「うん!予定ではそろそろだよ」
「またなんでこんな島に....」
「理由なんてないよ(笑)ただ私がここにいるからそれだけ」
「婆さん亡くなったことはちゃんと兄ちゃんには連絡したのか」
その返答には明らかに不自然なものだったらしい
「お婆ちゃんの話をしても多分しばらくは信用してくれないよ...きっと」
隆太にはその意味が理解できなかった。
そして行方不明前日
その日、活発な低気圧が発達し朝から大雪にそして....
A級ブリザードが島に直撃した。
島全域がシェルターに避難警報が発令され学校の生徒数名もシェルターに慌てて避難してきた。
俺はあいつを迎えに行こうとしたが.....
「ち...まじかこんなレベルのもんが直撃するなんて聞いてないぜ」
「おい!!奏花おまえは先にシェルターに行け!!俺はあいつを迎えに行く」
「ちょ!!無理だよここからどれだけ距離あると思ってるの?さすがに無理だよ」
「無理でも行くんだよあいつを見捨てろてえーのか!!」
奏花や島の住民が慌てて彼を制止する
ブリザードがさったあとに隆太は屋敷に行ったが
いなかった屋敷の中をどこを探しても美香は見つからなかった
島の住民が血相かいて島中を探したが結局彼女は全く見つからなかった
「俺はあいつは生きてると思ってる。」
「あいつが死んだところなんて誰も見てないんだからよ」
「そうだろ?」
「あいつの兄ちゃんよ」