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アリバイつくります  作者: 山口 佳
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アリバイつくります5

1月14日、休みをとれる日が来たから、たまには一緒に出かけようと、二人で遊園地に来ていた。


都内からは出れないと亮が言うので、水道橋で電車を降りて、ドームまで来た。


二人とも絶叫系がすきだったので、園内の絶叫系を制覇しようとはしゃいだ。


空音は楽しすぎて、亮の手を取り次の乗り物の方に向かおうとした時、亮の手がビクッとして一瞬ためらったようだったが、すぐに空音の手を握り返してきた。


普段手を繋いだりしないからかなと、空音は違和感を覚えたがすぐにそんな事は忘れて亮と遊園地を楽しんだ。


亮は自撮り棒を以前から持ち歩いてたので、何枚も2ショット写真をとりながら・・・


夜、空音の家に帰って来ると、亮が写真を印刷したりして、ノートに貼っていた。


「何を貼っているの?」


空音が覗き込むと、そのノートに空音と亮の写真や書き込みが沢山してあった。


「ずっと作ってるんだ。だから、たまに見てくれる?」


そのノートは細かく記載と写真の張り付けがされていた。


10月4日

品川の水族館で。

写真を購入。この日から二人は恋人になりました。

(水族館側で撮影し、購入した写真が台紙と共にはりつけてある。)


12月12日、空音の誕生日。この日から、僕たちは同棲する事に決めました。この写真は21時。イタリアンレストランのお店の前で。


12月14日空音の家に住みはじめる。

昼12時に、空音は日勤に行っている。僕はひとりでご飯を食べてます。


すべての写真に撮影された場所と時間まで記載されていた。


「すごいね。マメだね・・・。こんな事してたの?」

「職業柄だろ。」


空音が知らない亮の行動が、書いてあったりして空音も面白く眺めた。あたしとの思い出を丁寧に綴ってくれていたことに、亮も好きで居てくれるんだと実感した。


「あー、この写真ブサイクだから、やだー!」


亮はイケメンなので、写真写りがいいけど空音は自分の写りが気になる写真が沢山あった。


「大丈夫だって、空音はかわいいよ。魅力的だよ。とても。」


そう、言われて照れた。

「でも、亮は今までモテたでしょ?モデルにでもなれそうだもん。」


「ははは、そうかな?見た目はどうでもいいんだ〜。結局僕は裏の顔として生きる人生しか歩めないんだ・・・。」


そう言う亮の瞳には、何か強い苦しみのような、決意みたいなものが感じられた。


空音は、たまに亮の心の奥の深い部分がわからないところがあるように感じたけどそれが何かはわからなかった。


ノートから顔をあげると、亮が空音の顔を見つめて目を離さなかった。

空音もその瞳に吸い込まれ、見つめあったまま止まった。

空音を見つめる亮の瞳は優しく、空音を愛しく見つめていた。


亮は手を伸ばし、空音のほほを包みこむように触ってきた。


「亮。好き。」

空音の言葉を聞き亮は、


「うん、わかってる。大丈夫。わかってる。僕も好きだから。大丈夫・・・。」


空音は、我慢できず、自分からキスをした。

亮は、今までになかったくらいに優しくキスを受け入れ、何度もキスを繰り返した。


亮の事が好きだ。

今日の亮は特に、胸が苦しくなるくらい好き。

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