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アリバイつくります  作者: 山口 佳
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アリバイつくります 25

買い物に行き、颯人と街を歩いているときに、

「亮くん!」

見知らぬ男性から話かけられた事があった。

颯人と同僚の人らしいが、ニコニコしていい人そうな、40代半ばくらいだろうか。

空音は、会釈した。

「この人か、亮くんの奥さん。かわいい人だね〜!」


颯人もニコニコして、会話している。

その男性は、

「いつも、奥さんがかわいいって照れながら話してくれるよ。自慢話をしてくるんだ。

本当に亮くんは愛妻家だなって。

すごい好きなんだってさ、空音さんのこと。」

それを聞いた颯人は、顔を赤らめて、

「ちょっと、やめてくださいよ。恥ずかしいっす!」



空音は、その話を聞いて意外だと思った。

他人に私のお世辞を言うような性格ではなさそうだし、颯人が空音を好きで一緒にいる訳ではないのに、空音の話をそんな風に他人に話をしている事が。


空音は、話を合わせる事も出来ないのでぎこちなく、話をして、その男性と分かれた。

横を歩く颯人はその後また無口だったが、顔が嬉しそうにしていて、空音をチラチラ見ながら横を歩いている様子を見ると、空音に対して、全く気が無いわけではなさそうだった。

一緒に住んでいて、情も移るだろうから、空音に対して好意が少しでもあるのだろうか。


ある夜、布団は別に寝ていたが、颯人の寝顔は、本当に亮に似ていたので、こっそり亮が恋しくて、寝ている颯人をしばらく眺めた事があった。

愛しい気持ちが溢れキスをしたくなることがあった。

でも、ぐっと我慢した。


その数日後、同じ事を、颯人が空音にしているのをうっすら浅い眠りの中、気が付いた事があった。

寝ている空音の顔をしばらく見つめ、顔を手で撫でると、優しくほっぺにキスをした…。


空音は、寝ているふりをしていて、動かなかったが、その後のドキドキと複雑な気持ちが忘れられなかった…。

颯人は、私の事が本当に好きなのかもしれないと。

しかし、心からは認めることができなかった。

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