アリバイつくります 20
3日間、既読にはならず亮からは何も返事がなかった。
仕事から帰って、ソファでぼーっとしていると、玄関の扉の鍵を開け、扉が開く音がした。
空音は、慌てて玄関に行った。そして、そこに亮が立ってるのをみて、泣きそうになった。
「…亮、なんで…。もう、心配したよ…。」
「…。」
玄関に立ち尽くしたまま、部屋に入ってこない亮を見上げる。
少し興奮して、色々問いただしたかったが、数秒亮を見つめると、何か違和感を覚えた…。
「亮じゃな…。」
そこまで言って、慌てて手で口を覆った。
そのまま、また亮を見上げ目を合わせると…。
「俺は、亮じゃない。」
「…。」
そう言うと、靴を脱ぎ家に入ってきた。
空音の横を通り過ぎ部屋に入っていく姿を目で追いながら、
「鈴木颯人が捕まったって聞いたのに、なんで亮じゃなくて、あなたが居るの?」
空音の手が震えできた。
捕まっているのは亮なんじゃないか?!
それとも、もう釈放されて颯人がここに来てるのか。
「ねぇ、亮はどこにいるの?知ってるでしょ?」
「…しばらく帰ってこれねぇんじゃねーの?あいつ…。」
「えっ…。どういうこと?あなたが、捕まったんじゃないの?亮がなんで…!」
颯人の後ろから、颯人のTシャツの裾を捕まえ握りしめる。
空音は、混乱して呼吸が荒くなる。
「亮が帰って来れないなんておかしい。あなたがここに居るのに。亮はあなたの身代わりで捕まったんじゃないの?」
そう言い切った所で、意識がなくなった…。




