アリバイ作ります 18
8月に入り日照りが強く、室内は汗ばむ陽気で、朝から冷房を付けて過ごしていた。
空音は、少し不安だった。
最近亮が家に居る時間が少ない事や、連絡が取れない時がたまにあった。
テレビを付けてその前にあるソファに座っていたが、テレビの内容は頭に入って来なかった。
亮との事もあったが、空音自身の体調もすぐれなかった。
5月の茨城の旅行は楽しかったし亮とずっと離れずに一緒に居たいと思った夜だったのに、今になると、空音を不安にさせる出来事になっていた。
ボーッとして、座って居たが、11時が過ぎた頃、何人かの足音がして、インターフォンが鳴った。
重く感じる体を持ち上げて、インターフォンを確認し、通話する。
「こんにちは。警視庁の者ですが、お話聞きたいので出てきてもらってもいいですかね。」
「えっ…?何の用ですか?」
「鈴木颯人さんについてお聴きさせていただきたいんですが。」
「鈴木颯人さん、知りません。間違いだと思います。」
そう言うと、警視庁の警察官は、少し顔をしかめて、
「じゃ、鈴木亮の方は?知ってる?」
「知ってますけど…。」
「二人は双子なんだけど知らなかった?」
…双子?!




