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アリバイつくります  作者: 山口 佳
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アリバイつくります12

4月29日。

日勤だった。

夕方、仕事が終わり更衣室でスマホを見ると常磐さんから着信が何度も残っていた。



勤務表を渡してあるはずなので、空音が仕事ということは知っていたはずだ。


空音は不審に思いながら常磐に折り返し電話をした。


「もしもし、こんにちは。」


「・・・、こんにちは。君は峰山空音さんかい?」


聞きなれない男性の声がしたので、空音は内心驚たが、数回の着信に何か異常なものを感じていたので、何があっても平静を装う気持ちは準備して電話をしていた。



「ええ、そうですが、常磐さんの携帯ですよね?」


「そうです。突然すいません。うちの家内がお世話になっているようで。」


その言葉から、常磐さんの旦那さんという事がわかったが、初めて話す相手に不安もあり空音の鼓動は速くなっていた。



「いえ、お世話なんて・・・。いつも仲良くしていただいています。」


「ところで、うちの家内とはよく会われるのでしょうか?私は家を空けている事が多いのですが、家内も家を空けている時間が最近増えたような気がするんです。自宅に電話しても出ない時がよくある。」


「・・・。ええ、常磐さんには何度もお会いしてます。どうかされました?」


「いや、なら、いいのですが。・・・、因みに4月14日は家内に会われてますか?」


「会いました。ランチを一緒に。」


それを聞いて常磐の夫から小さなため息がこぼれた。


張り積めていた糸が切れたような安心がまざったようなため息だった。


声のトーンも少し明るくなった常磐の夫から、感謝とご迷惑をお掛けしたと話があったあと、電話は終わった。


罪悪感と達成感が混ざりあった微妙な気分だった。

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