アリバイつくります11
アパートに帰り、夕飯を作った。
亮はまだ帰ってきていない。
常磐から言われた事が頭に残り、ずっとうわの空で家事をしていた。
夕飯を食べ終わるとうわの空で、お風呂に入った。
お風呂から出ると、亮が外出から帰っていた。
「ただいま〜。」
ソファーに座っている亮が明るく言ってきた。
空音は現実に戻り返事をした。
「お帰り〜。」
「今日常磐さんに会ってきた?」
「うん。会って写真撮って来たよ。ランチもして。
そう言えば、亮はどこか調子悪いところでもあるの?整形外科に行ったんでしょ?」
少し驚いた顔で亮がこっちを見た。
「大したこと無いんだ。少し腰が痛いだけだよ。」
「そうなんだ。なら、いいけど。常磐さんが見かけたんだって。」
それを聞いて亮は、安心した顔をした。
空音も亮の隣に座った。
そして、空音は少し口を閉ざしたあと、思いきって聞いた。
「ねぇ、亮はどこの出身なの?家族は誰がいるの?」
それを聞いて亮は少し困った顔をした。
「出身はわからない。家族も居ない。俺ずっと神奈川の施設で育てられたんだ。」
それを聞いて空音は驚いた顔で無言になった。
想像していない答えだった。
「だから、何も空音に教えてあげることはないんだ。ごめん。」
「・・・・ううん。いいの。私の方こそいきなり聞いてごめんね。」
気まずくなり、それ以上の事は聞けなかった。
亮がどんな人生を過ごし出来たかなど、空音には想像出来なかった。
身近にそういった生い立ちの人が居なかった。
教えてあげる事はないと言い切られたからにはもう亮について知る手段は無くなってしまった・・・。
そんな淋しい気持ちに空音がなっていると、亮が空音の手をつかんで、亮の方に引き寄せた。
そして、すかさずキスをして、空音の服の中に手を入れてきた。
「亮、今日飲んできたの?」
「そう、少しだけね。」
そう言うと亮は空音をベッドのほうに連れて行き、二人は愛し合った。
空音は、亮の首に手をかけて引き寄せキスをした。
少し強引な時の亮には空音も少し積極的に。
しかし、優しくキスをしてくれた時の亮はもっと好きだった。
空音を大切にしていてくれているように感じ、より気持ちが通じ合えてる気がするから。
亮が空音をどう思っているのか不安にはなる。
亮に釣り合うためにといつも自分を少しでも可愛く見せようと努力していた。
亮ほどのイケメンはそれほどいないだろうが、空音位の見た目の女性は何処にでもいるだろうから。
亮にキスをして、首を舐め、クチャクチャと耳を舐め回した。
空音のいやらしい感触に「はああっっ。」と亮が感じて体を震えさせたその時、空音は亮の横顔を見て違和感を感じた。
あれっと思って、空音の動きが一瞬動止まった。
亮がたまらなく感じている時だったので、
「・・・どうしたの?」
亮も空音の動きが止まった事に違和感を感じて聞いた。
「ううん。何でもないの。」
そう答えた空音に、亮は優しく、でも余裕のある笑顔を見せて、
「おかしな空音。」
そう言うと、
空音が気持ちよすぎて何も考えられなくなる位、亮は一気にイカせ続けた。




