表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつだってあなたが私を強くする  作者: 泥んことかげ
【第1部~出会いと約束】
81/111

第80話【旅立ちの珍道中編その2】


 その事実を知っていたのか、ノーメン達は無言で頷くと、少しだけ笑みが溢れるセリエと、それを大口(おおぐち)を開けながら聞いたバルクスは再び驚愕していた。


『噂には聞いていましたが、天災級のlevel-Ⅳを倒さないと行けないんですか?しかも――――《《二体》》も……』


『あれ、言わなかったかしら?私達は今、とんでもない事に挑もうとしているのよ?だから、《《覚悟しなさい》》って言ったじゃない?』


『level-Ⅳ何て、《《俺達でも》》――――いや、ノーメンの旦那でもこの前level-Ⅲでさえほぼ互角だったんだぜ?』


 セリエがそう言いながらバルクスに微笑みかけると、余計に青白くなる顔を見て、腹を抱えて笑っていた。


『そんなことはいいから先に行くわよ』とアイナが言って先に進む三人に対し、少しだけ覚悟が揺らいだバルクスだったが、頬を両手で叩き気合いを入れ直すと、石に(つまず)きそうになりながら追いかけた。


【屋敷前】


 アイナ一行(いっこう)を送ったミフィレンと弟子達は、その姿が見えなくなるまで立ち尽くし、四人の背中をしっかりと目に焼き付けていた。


『本当に行ってしまいましたね……』


『しばらくは俺達がこの子達の面倒を見ないとな……』


 男達がそう言ったのも束の間、ミフィレンはいつもニッシャにやってもらっていた、髪結いを自分で行うとこう言った。


『ミフィレンが朝食を作るので、お弟子さん達は朝の稽古をしてください!!練習(メニュー)は、道場に貼っているので各自それを見て下さい!!』


 自分の背丈を優に越え、百人は入る屈強な弟子達に向かってそう叫んだ。


 男達は相思相愛の如く同じ感情が芽生えていた。そう――――アイナさんそっくり……と。


 小さな体に圧倒された男達は急いで道場へと急ぎ、平常の稽古同様に鍛練と汗をかきに行った。

『後は、ラッシーのミルクとオムツ交換に朝食作りと各所の掃除ね!!皆ヨロシクね!!』


 ミフィレンは腰に手を当て、そう言って地面に座る4匹を眺め、それに呼応する様に早朝から響く様々な生き物達の鳴き声と、ニッシャから譲り受け首元で輝く1輪花のネックレスは、確かにミフィレンの勇気になっていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ