表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつだってあなたが私を強くする  作者: 泥んことかげ
【第1部~出会いと約束】
32/111

第31話【現れし闇】(暴食編その1)



 視認出来ない巨大な「何か」は、力付くでノーメン達を屋外へと追いやり、寝ぼけていたセリエが手放した【蟲毒玉】を吸収した。

 その瞬間、突然変異が起こったのか、眩い閃光が辺り一帯を数秒だけ照らし出したが呑み込むようにして暗黒が覆う。


 子犬の灯りがあってもせいぜい2M先がいいところであり、正体を見るために灯りを持つことにより反対に己の位置を教え、こちらが不利になる事は明白だ。

 右手を優しく握りしめるとただ一つの灯火(ともしび)は消え、洞窟から吹き付ける奇妙な風と呑気なセリエの寝息だけが残された。


 普段感情を表に出さないノーメンは寝ている相棒に代わり、その「何か」と戦うことを固く決意すると、留め具を外す音が小さく鳴り、鼻で新鮮な空気を取り込むように数度程、深呼吸をし口を開く。


「マスクを外すのは実に5年振りだな。ここは()()()()だ……太陽の光さえ届かず、それでいて周りに危害を加えることはない。セリエが起きる前に文字通り瞬殺してやろう。」


 依然として敵の姿や危険度levelは分からないが、【深淵の渓谷】の攻略難易度はニッシャが暮らしていた、【外の園(アウトガーデン)】よりも極めて高い数値であり、平均levelは【Ⅲ】である。

 なぜそんな危険区域に2人だけしか()()()()()()()

 いや―――()()()()()()

 ノーメンの魔力(マナ)は、視認できる範囲全てに効果があるため大人数は(かえ)って不利になり、セリエに関しては大規模かつ広範囲な技のためやむ無く昔からの顔馴染みである二人組で行動している。


【敵の正体】を瞬時にして記憶していたが、今まで見てきたどの生物(せいぶつ)よりも奇怪(きかい)かつ、見るに耐えがたい容姿をしており、記憶が正しければ協会にある書物に、こう記されていた。

 そいつは、森や渓谷、荒れ地などに生息する【美食(グルメ)百足(センチピード)】の亜種にして超希少種、【掃除屋(ザ・クリーナー)】と呼ばれている個体だ。



暴食(グラトニー)万足(センチピード)】=【危険度level-不明】

(食い荒らされた死肉のみを食すため積み重なった毒は計り知れず、渓谷では暗黙の了解もあり他の危険種は見て見ぬふりをするため永らく生き延びてきた強運の持ち主である。【蟲毒】を吸収した事により【危険度level】が変動し、【足】の数は食してきた数だけ増殖するとされている)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ