第15話【再戦と構え】
と
挑発はしたが私には持ち合わせた物がない。
只、虚勢を張るしかなかったのだ
守りたい人のためだとか、プライドだとかが有ったのかもしれない。
師匠がいつも弟子に教えていた基本的な【型】を見よう見まねで構える。
武器はない。
だけど、師匠がいつも言っていた
「無から有を、想像はやがて創造となり、己を守る刃となる。」
姿勢は低く
視野は広く
視線は相手を見据え
ただゆっくり深呼吸をし
相手の攻撃に合わせて...
【基本壱の型】
それは、単純な動作だった。
ただ、両手を下から上空へあげるだけの技だった
それだけだったが、確実に潰せる相手だと手加減した自分へのダメージは動揺を誘い見た目以上の怪物を脳裏へ生んでいた。
当てるはずでいた
否、先刻の彼女なら当たっていたその攻撃を
自分自信で上空へ衝撃を逃がしたのだ。
鈍い音がドーム内に響き渡ったが、全くもって傷がつかない。
依然、お互いの距離は15Mと離れている。
「面白い技を使うわね...ならこれはどうかしら...この前のより強くてよ。」【暴風雨】
私は、目の前に起こった事に対処ができなかった
吹き荒れる風はドームを縦横無尽に駆け回り
横殴りに降り注ぐ雨は小さな体を鞭のように痛め付けた。
あくまで【型】は対人相手に発揮するのであって規模が大きいと対処は至難の技だった。
それでも尚、構えを解かない私に痺れを切らしたのか
「あら、どうしました?弾くだけでは私は倒せませんわよ?」
「そうだそうだ!早く楽しませろ~☆」
挑発には目まもくれず、相手のペースに呑まれぬ様に必死にそれでいて冷静に物事を考えた。
「1つ聞くけど、どうしておじいさんを殺したの?」
ほんの少しだけ間が空いた。
「それは....どうゆう事ですの?殺したのはあなたでは?」
「あわわわわ...お姉さま、一体どうなってるの~☆?」
その瞬間、ドームの一部が崩れ、大きな音と共に天井から小さな【なにか】がくるくると回転しながら降ってきた。




