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6年1組

はい、どうも俺こと、天野真です。今始業式が終わり、担任の教師と一緒に教室に向かって歩いてます。でもあれだな、ああいう始業式みたい場で全校生徒の前で紹介されるって、いくら元37のおっさんでもめちゃくちゃ緊張したし、めちゃくちゃ恥ずかしかったな、紹介されてる奴等は、俺達兄妹のほか3人ぐらいいたな。

それにしてもこの小学校、児童が少ないような気がするな、だって母親に色々聞いたら一学年二クラスしかないらしい。そして一クラス平均30人いるかいないかだそうだ。こういうのを聞くとやっぱり少子化ということなんだろな、でも周りを見ると教室は結構多いような気がする、多分昔は相当、児童がいたんだろうな。

と、ひとしきり色々考えていると担任の教師が声をかけてきた。


「えーと天野君はこれからみんなの前で挨拶できる?」


と聞いてきたのがこれから俺が入る6年1組の担任の浜村敬子先生だ。髪型はなんというか、うーん、オカッパだな、顔はなんというかリスっぽいな。身長は俺の頭がちょうど肩ぐらいにきてるから150後半ぐらいか。

ちなみにだが俺は精密検査で色々調べた時初めて自分の身長と体重を知った。身長は145でなんと体重は38キロ多分平均ぐらいじゃないだろうか、でも意識が目覚めた直後は今よりも5キロも痩せていたらしい。だってこの身長で5キロも痩せてたら本当の肉と皮しかないぞ、うーんそう考えただけでも恐ろしいな。


「はい、大丈夫です、ただちょっと緊張していますが」


「でもあれね、天野君は敬語が上手ね、これから行く私のクラスのみんなはほとんどの人はまだ敬語、ダメなのよね」


うーん、それははっきり言って厳しいんじゃないだろうか、結局学校でいくら教えようが、本人が目上の人には敬意を払う、ということが認識できないと多分無理だと思う。それに俺自身もそうだが敬語を誰かに習った記憶もないし、いつの間にか自然に出来ていたような気がする、まあ人それぞれあると思うが要は自分しだいということだろう。


「そんなことないですよ、俺だってまだまだですよ、多分、その内みんなも自然とそうなってくるんじゃないですか」


俺がそう答えると浜村先生は、だといいんだけどね、と軽くつぶやいてまた前を向いて歩きだした。

浜村先生と軽いいわゆる世間話的なものをしながらようやく6年1組と書いてある札が目に入り、浜村先生がドアを開けた。


「はい、みんな自分の席に着きなさい」


ドアを開けた瞬間、第一声で浜村先生はそう告げて教室でワイワイガヤガヤ、している児童達を注意した。

そして俺は教室の中を食い入るように見ていた、なんと黒板がなかった、その代わりに黒板と同じぐらいのホワイトボードが置いてあった。そしてなんと教室の中にはエアコンもついていた。なんかあれだな、色々かわってるんだな、まあ細かいところで気になるところもあったが今はいいだろう。

そしてふと気がつくと児童達はみな席に着いていてその全員が俺の方を見ていた。

おいおい、なんかこれだけ視線が集まると緊張しちゃうな、あーなんかマジでヤバい。そう思っていると浜村先生から呼ばれた。


「天野君、真ん中の方に来て下さい。今から6年1組のみんなに紹介しますから」


そうして俺は浜村先生の言う真ん中に移動して、どこに目線を合わせようかキョロキョロしていると、いよいよその時がきたようだ。


「それでは天野君、みんなに自己紹介しましょう、ゆっくりでいいですからね」


「えーと、天野真です、神奈川県の方から引っ越してきました、よろしくお願いします」


まあここは簡単な挨拶でいいだろう。元社会人の俺が本気を出せばもっとましな挨拶は出来ると思うがあまり目立つとめんどくさいしな、そして挨拶が終わると全員から拍手を貰った。挨拶をしてその返しが拍手ってあっているのか?、まあこの学校の伝統なのか、なんんなのかわからんがよしとしよう。


「じゃあ、天野君、真ん中の列の一番後ろの席に着いて下さい」


そう言われて俺はそそくさとその場所に向かう。ちなみにだが母親に聞いたのだが千葉県は生まれた順番で出席番号を決めるらしい。全国でもそういうふうにするのは千葉県だけらしいと、母親は言っていたが本当の所はどうだかわからんが、これを聞いた時俺も思わずそうなんだと軽く驚いてしまった。そして俺の誕生日はどうやら9月15日らしい、ということなのでだいたい出席番号的には真ん中ぐらいだろう。

俺が席に着いたのを確認するとまた浜村先生はみんなに呼びかけた。


「はい、みなさん春休みの宿題を出して下さい、やっていないというのはダメですよ」


んーあの有無もいわさせない笑顔は怖いな、まあ当然だけど俺はそんなもの出さなくていいし出すものもない、はっきり宿題ってやるヤツはやるし、やらないヤツはやらないと思う。だから結局は本人しだいなんだよな。

と、考えたり、眺めたり、あーだこーだしているとそろそろ終わりの時間らしい。

なんか始業式の時は始業式が終わっていわゆるホームルーム、みたいなものが終われば終了となるらしい。時計を見ると11時過ぎぐらいだった。へー、やっぱり学校っていいな、元社会人の俺からすれば天国だな、でもここで油断して俺の楽してダラダラが出来なくなっても困るししばらくは様子を見よう。

そんなことを考えていたら、浜村先生の話しは終わり、ちょうど何のチャイムかわからんが鳴った。


「じゃあみなさん、今日はこれで終わりです、気をつけて帰りましょう」


そして児童達は浜村先生に向かって、さようなら、と声を合わせるように言うと、一斉にみながランドセルを背中に装着し足早に教室から出て行ってしまった。

えーと、なんというか子供って凄いな、色々と。

まあ、とりあえずこうして俺は小学6年生としの人生をスタートさせたのであった。



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