表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/37

お金持ち2

今、俺は蕎麦屋にいた。先程、財布を拾った落とし主から昼飯をおごらせて欲しい!と言われて、断るのも悪いと思ったのでこうしてご馳走になる事にしたのだ。


そして俺の反対側には財布の落とし主である夫婦が座っていた、席に着いて少し経った頃、夫婦の男性が声をかけてきた。


「そういえば、まだ自己紹介がまだだったね!」


そう言うと男性は名刺を差し出してきた、というか俺みたいな子供に名刺を渡すとは、なんか違うような気もするが、まあ良いか。

そして差し出された名刺を見てみると、ある会社の代表取締役、今関優一と書かれていた。


「私は今関と言う、こっちは妻の厚子だ!」


「厚子です!、この度は本当にありがとう、遠慮なく食べてね!」


二人の夫婦はそう自己紹介をしてきた、今関優一という旦那の方はキッチリとした七三分けで黒髪、そして整えられた髭面、一言で言うと黒髪にしたチャップリンに似てるな。


そして奥さんの方は黒髪のロングで狐顔だな、それに着ている物や身に着けている物が全部、高級そうな感じがするな。


「いやー、ただ財布を拾っただけですから、こんなにして貰わなくても良かったんですけどね!」


俺は軽い感じでそう答えた。そう言うと目の前の夫婦はこちらに向かって勢い良く声を発してきた。


「いやいや、そんなことはないぞ!、今のご時世、財布を拾っても届けてくれる人は少ない、ましてやソコソコのお金が入っている財布なら尚更だ。」


「そうよ!、天野君みたいに真面目な人はなかなかいないわ!」


そう言われて悪い気はしないが面と向かって言われると恥ずかしいな。


「いや、当然のことをしただけですので、それにこうしてお昼ご飯をご馳走してくれるんですから!」


「うーん、しかしなお礼がこれだけっていうのもな?、私の気が済まない、かと言って、お金を渡すのもな?」


「ねえ!、あなた、私達の家に招待しましょうよ!、そうすれば今回のお礼もちゃんとできるわ」


いやいや、俺としては普通にお金を渡してくれた方が嬉しいんだがな、でもあれだろうな、こんな子供に直接、お金を渡せるはずないもんな。


「いや、本当にご飯をご馳走して貰うだけで良いですから」


「いや、これぐらいのお礼では全然足りない、是非とも私達の家に招待して改めてお礼としたい、どうだろうか?」


そのガンガンくる迫力に気圧され俺は了承してしまった。その後、食事が運ばれて来て食べながら色々な話しをした。


まず二人の夫婦はもう60近いらしい、全然そんなふうには見えないな、まあお金がありそうだから色々と若作りをしているのかもしれないな?、そしてこの今関優一という人は一応、代表取締役と言う肩書きらしいが数年前に部下にすべて任せてもう身を引いていて、要は肩書きだけらしい。なので今はほとんどやる事がないらしく、夫婦で気ままに自由な時間を過ごしているという事だ。それに無駄にお金があるし子供もいない為、趣味に時間を使ったり、旅行にも夫婦で良く行っているとの事だ、行った場所を聞いて驚いた、世界の主要な国の名前がどんどん出て来たので、俺は一瞬、たじろいてしまった程だ。


なんと言うか、羨ましい!、その感想しか出てこない、今、目の前にいる夫婦は俺が将来、こういう人生をおくりたいと思っている、見本になるような人生だ。


でも、恐らくはここまでになるには相当、苦労しないと無理な用な気がする、話しを聞いていると、とてもじゃないが一般人からは想像もつかないような考え方だし、やっぱりお金持ちになる人は普通の人とは何か違うのかもしれないな!。


そして、食事も終わり、一息ついていると夫婦が声をかけてきた。


「じゃあ、食べ終わったしそろそろ出ようか?」


「いや、あなた、天野君が家にくる日を決めなくていいの?」


「あー、いかんいかん、忘れてたな、でも今、この場で決めるのは無理じゃないか?、天野君だって予定があるだろうし、なあ、天野君」


「そうですね、今すぐは決められないので後日、連絡という形で良いですか?」


「無論、構わんよ、それになんだっら天野君の家族も連れて来なさい」


「え、でもそれじゃあ迷惑になるんじゃ?」


「そんなことはない、気にする必要は全然ないぞ」


「そうよ、それに天野君のご家族にも是非ともご挨拶しておきたいわ、だから気にせずいらっしゃい!」


その後、後日、連絡という事でお互い別れた。

ふうーなんか疲れたな、今日はもう帰るか、なんか知らない人と話すと疲れるな、多分、普通の子供だったらこんな事は思わないだろうな。まあ精神年齢が37の俺からすれば知らない人と話すとどうしても気を使って話してしまうからどうしても疲れる。


その後、自転車で帰りながら、いつ今関夫婦の家に行こうかなと考えながら自宅に向かって帰って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ