会社やめます
素人が書く小説です。至らない点があると思いますがよろしくお願いします。
「馬鹿やろう!こんな簡単な仕事も出来ないのか、お前何年この会社にいるんだよ」
目の前で黒髪の40すぎの男がものすごい剣幕で怒鳴り散らしていた。そして周りにはそれを哀れむでもなく当然だといわんばかりの目線で怒鳴り散らしている人物を見ていた。
はい、絶賛説教中です。
俺の名前は山本真 37歳 頭は丸刈り体型メタボそして糖尿病の治療中である。この会社に入社して5年自分なりに一生懸命やってきたつもりだったが不遇にも上司がクソだった。タバコの買い出しから缶ジュースやお菓子などの雑用はもとより仕事中においてもミスをすればなすりつけてくるし、こっちがいい案を出せば自分の手柄、典型的なクソ人間だった。
「お前いついなくなったて誰も困んないだよ!変わりは幾らでもいるからな!」
今までの鬱憤が限界にきていたのだろう。普段は聞き流しに徹しのらりくらり回避していたが遂に自分の中で、はじけた。
「分かりました。自分ではもう役にたたないと思いますのでやめさせて頂きます。お世話になりました。」
そして周りが唖然とするなか俺はその場から出ていった。周りは何故唖然としていたかというと、いつも通りならのらりくらりかわして時間がたてばいつも通り作業に戻るからだ。上司も周りの人間も要はストレスのはけ口が俺だった。
そそくさと帰る準備をし事務所に退職する旨を伝えようと移動しようとした時、後ろから肩を掴まれた。
「おい!待て、そんなに簡単に辞められると思ってるのか?、ふざけんじゃねえぞ」
グチグチ言ってきたのは二度と顔もみたくねえな、と思っていたクソ上司だった。
「すいませんがもう辞めると決めたので、それに役立たずがいなくなったて困らないんじゃないですか?」
「そういうことじゃねえぞ、お前には社会人としての常識がないのか?、普通は1ヶ月前に言うだろが、それになお前ここ辞めてどうするんだ?お前みたいなヤツ雇ってくれるところなんかないぞ、今だったら辞める話はなしにしてやるから、考え直せ。」
このクソ上司は自分のはけ口がいなくなるのが困るのかあろうことか引き止めてきた。はっきり言ってこのクソ上司は自分の保身しか考えていない、こんなヤツの為に時間を取られるのは無駄だろう。
「すいませんが辞めるで」
有無も言わさずその場を立ち去った。その後事務所で退職手続きを済まし会社を後にした。
「辞める手続きも意外と呆気なさすぎたな、もっと色々聞かれると思ってたけど。」
だけど気持ちは晴れやかだった、この5年間肉体的にも精神的にも休まることがなかった。思えばこの会社に入ったのがすべての始まりだった。とまあ過去を振り返ってもしょうがないんでまずはゆっくり過ごそう。
「よし!まずは食料と、あとゲームソフトと、dvdレンタルとまあなんだ、色々しよう」
とりあえず働きずめ、だったこともありとりあえず半年間ぐらいは何もせずに暮らしていける蓄えがある。まあ今のご時世なんにもしてなかったらあっというまにお金なんかなくなってしまうだろう。
だけどちょっとばかし休憩するのはいいだろう。自分自身にそう言い聞かせなんだかんだで家路についた。
「ただいま!っと」
まあ誰もいないんだけどね、要はそれぐらい気持ちが晴れやかだった。いつもならば帰ってきたら明日も会社に行かなければ行けない、という重圧に苦しめられていた。しかしもう自由だという気持ちが何をやるにも嬉しかった。
「まずは風呂に入ろう、その後メシにしてさっき買ってきたゲームをやろう!」
そして風呂に入ろうと思った時、それは起こった。
「あああ、痛い、痛い、、痛い何だこれは」
今まで感じたことがない激しい頭痛に、そして吐き気、だんだん胸の心拍数も上がっている感じだ、遂に立ってられずその場で屈んでしまった。
「なんだよ、これまさか死ぬのか?、冗談だろ」
そして今までのことが走馬灯のように頭の中に駆け巡った。今まで人生何だったんだよ、いいことなんてなんにもなかった。人並みに、そして普通生きたかった。そんな考えがふとよぎった途端意識はなくなった。