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嫌われ聖女と魔王  作者: REI
プロローグ
2/3

プロローグ2

頭が、痛いと感じる。

今日はやはり元気ではなかったのかもしれない、と思い姉に伝えようとする。



「お姉さま、やっぱり私体調が悪いかもしれないわ」


そう言うと姉は入学式なのに!とむくれた顔をする。

まだ、なにか燃えている匂いがした。


「お母さ…」


母に相談しよう、そう思った瞬間にボッ!!!!!!と大きな音がした。







そこから私の記憶は、なくなった。









目を覚ますと、知らない天井が見える。

先ほどの団欒は夢だったのかもしれない、と体を起こす。



「お父さ…」





「!?!?目を覚ましたのね!?!?」




そこにいたのは神殿にいる神官の人であった、何故神官の人が?と首を傾げていると慌ててその人は部屋の外へと飛び出した。







「ー意識は、あるんだね?」



男性の神官様を呼び、包帯をしゅるりしゅるりとほどかれていく、首を縦に降ると神官様は残酷なことを言った。






「君の家族は残念だけれど…」





嘘だ、と思った。





「家が火事にあって」





言葉がゆらりゆらりと漂うかのように響いた。




「亡くなられたよ」






私は、天涯孤独の身になった。


これから、神殿で孤児として暮らすようになると神官は言葉を続けたが、私は嘘としか思えなかった。



「幸い君は治癒魔法の使い手だったんだね」


だから、助かったんだと


言われたけれど、そんなこと頭には入らなかった。

なにかほかのことも言っていた気がしたが、いつの間にか部屋には誰も居なくなっていた。






炎のような目から、たくさんの水がこぼれ落ちる。




頭の中には母や父や姉が、まだ笑っている気がして、しょうがなかった。


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