プロローグ2
頭が、痛いと感じる。
今日はやはり元気ではなかったのかもしれない、と思い姉に伝えようとする。
「お姉さま、やっぱり私体調が悪いかもしれないわ」
そう言うと姉は入学式なのに!とむくれた顔をする。
まだ、なにか燃えている匂いがした。
「お母さ…」
母に相談しよう、そう思った瞬間にボッ!!!!!!と大きな音がした。
そこから私の記憶は、なくなった。
目を覚ますと、知らない天井が見える。
先ほどの団欒は夢だったのかもしれない、と体を起こす。
「お父さ…」
「!?!?目を覚ましたのね!?!?」
そこにいたのは神殿にいる神官の人であった、何故神官の人が?と首を傾げていると慌ててその人は部屋の外へと飛び出した。
「ー意識は、あるんだね?」
男性の神官様を呼び、包帯をしゅるりしゅるりとほどかれていく、首を縦に降ると神官様は残酷なことを言った。
「君の家族は残念だけれど…」
嘘だ、と思った。
「家が火事にあって」
言葉がゆらりゆらりと漂うかのように響いた。
「亡くなられたよ」
私は、天涯孤独の身になった。
これから、神殿で孤児として暮らすようになると神官は言葉を続けたが、私は嘘としか思えなかった。
「幸い君は治癒魔法の使い手だったんだね」
だから、助かったんだと
言われたけれど、そんなこと頭には入らなかった。
なにかほかのことも言っていた気がしたが、いつの間にか部屋には誰も居なくなっていた。
炎のような目から、たくさんの水がこぼれ落ちる。
頭の中には母や父や姉が、まだ笑っている気がして、しょうがなかった。




