プロローグ
人という生物にとって生まれもった見た目、というものはかなり重要である。
私はその生まれもった見た目がかなり異常であったと思う。
白い陶器のような肌は良しとして、淡雪のように白い髪、まつげまでも白く、頭の先から指の先までまるで雪妖精のようであるが、瞳は赤く紅く燃える炎のように赤く輝いていた。
この世界では様々な髪の色があったが、白い色の髪色はかなり珍しいものであり、赤い瞳もかなり珍しいものであった。
そう、私はこの世界で、かなり異端な存在であった。
異端であっても、私には家族がいる。
愛おしい家族であった。
「アイリーン、体調はどうだい?」
茶色い髪に青い瞳である、父が私を尋ねる。
私はかなり体が弱く、病弱であったがそんな私でも両親はかなり大切に育ててくれた。
今日の朝も心配して父が私を起こしに来てくれた、凄く嬉しい朝である。
「お父さま、今日は元気そうですわ!」
元気だというアピールに微笑んでみせると、父は私に微笑んで頭をなでてくれた。
「じゃあ準備してアイリーン」
私の姉、エイヴァは扉からひょっこりと顔を出す。
今日も私の姉は可愛らしく、三つ編みにした髪をゆらりゆらりと揺らしながら私に声をかけた。
「今日はエイヴァお姉さまと魔法のお勉強ですわね!」
楽しみだ、と告げると姉は待ってるわ、と言いながら父と共に部屋の外へ出ていく。
私は着替えを行い、肌が弱いので魔法の薬…曰く太陽の光を遮断する薬を体に塗り込むと、家族が待つリビングへと足を動かす。
「おはようございます」
そう言いながら私は家族へと挨拶をする。
「アイリーン、スープを受け取ってちょうだい」
母は忙しそうに父と同じ色の髪をゆらりゆらりと揺らしバタバタと動いている。
そう、私は家族とは違う髪の色をしていた。
そんな私を家族は受け入れ、世話をしてくれている。
今日もそのことに感謝しながら母からスープを受け取った。
「今日の鳥のスープは最高!」
そう姉が言うと父が当たり前だろう、と胸をはる。
母のことが大好きな父が私は大好きであった。
「私も、母さんの作るスープが大好き」
そう言いながらスープを啜り、白くてふわふわなパンを口に放り込む。
母は恥ずかしそうに微笑んで早く食べなさい、と私と姉を急かした。
スープを食べ終わると、姉と魔法学校への準備を始める。
七歳から始まる魔法を学ぶ学舎に、今日から私は通うことになる、緊張するしとっても家族から離れたくないがそれ以上に魔法を学ぶ、ということが楽しみでワクワクしていた。
そんなわくわくや幸せなど、すぐに消えてしまうのに。
「母上、なんだか焦げ臭いわ!」
と姉が準備の途中に母に声をかけるが、隣の家が焦がしてもしたんだろうと母が返事をした。
そう
この時に私は気がつくべきであった。
家が燃えているということに




