第3話…闇に消えた
なぜ妹は俺に口を聞くようになったのか?
「おしおきだ!」
という一言に何か意味があったのだろうか?
多分違うだろう、
じゃあなぜ…?
それが解らない…
灯…俺はお前に何をしてやれていたんだ?
キーン、コーン…
授業終わりのチャイムが鳴った…
生徒たちは気だるそうに外へ出た、
「俺も帰るかな」
バッグに荷物を詰め、立ち上がったその時、
「よっ!」
友人に声をかけられた、
「あぁ…」
「どうよ妹さん?」
「どーもこーも…」
「変わってないというわけか…」
「分かってんなら聞くな」
「わりいわりい、じゃ、俺帰るわ!」
陽気な奴だぜ、全く…
俺はため息を一つつくと外へ出た。
雨はやんでいた、
俺は車に飛び乗りアクセルを踏む、
ブロロ…というエンジン音が鳴り、車は動き出した、
「さ〜て…」
車の外にあるのは、
見飽きたビル、
小さな民家、
色も形も様々な車、
「見飽きた景色だぜ…」
俺は少しだけ強くアクセルを踏んだ、
「…アイツの好きな水羊羹買ってくか」
俺は和菓子屋に立ち寄ろうと方向を変えた、
それはすぐ近くにあり、俺はすぐさまそこへ入った、
「どーも…」
中には年よりの店主がいるだけだった、「あぁ…いらっしゃい」
無愛想に店主は俺に言う、
「水羊羹二つ、」
「あいよ…」
店主はすぐにそれを取りだし、俺に渡した、
「いくらですか?」
「500円だよ」
俺は提示された金額を渡すと足早に店を後にした、
外へ出ると、空には雲がかかっていた、
しかしその雲の切れ間からはうっすらと光が漏れ辺りを照らしていた、
「…今何時だ?」
俺は携帯電話の時計に目をやった…
時計は6時15分を示していた、
「早く帰らないとな…」
俺は急いで車に乗ると、エンジンをかける、
ブロロ…がまた鳴り響いた…
家に着くとさっそく俺は妹を探した…
「ただいま…おーい、水羊羹買ってきたから食わないか?」
俺は廊下を歩きながらそう言っていた、
「お前好きだろ?」
俺はリビングのふすまを開けた、
「いないのかぁ?」
風呂にでも入っているのだろうか…?
それともトイレだろうか?なぜか灯の声はしなかった
「あかりぃ…?」
返事は無い…
「出掛けてるのか?」
分かってる、そんなはずは無い、今の灯が外へ出るなんて…
「灯…?」
俺は灯の部屋の前に来ていた…
「入るぞ…?」
そっと部屋の扉を開けると俺はあるものに目が行った
「…ん?」
それは円盤状の薄い物体…
「…CD?」
その円盤には何も記されてはいなかったが、何故かそれは俺を引き付けた…
「……」
胸が何か恐ろしい物を予知していた…
ドクドクと音が鳴る…
俺は大事にそれを手に取り目の前に近づけた…
「…なんだってんだ?」
俺はその奇妙な物体を、CDプレイヤーへセッティングした…。




