第2話…登校
「行ってくるぞ〜!」 俺はあえて明るく声をだした…
「…いってらっしゃい」 コイツは暗いままか…
「おう!じゃあな!」
俺はボロボロの車に飛び乗り、大学へ向かった…
俺の大学は家のすぐ近くにある…
しかし自転車や歩きでは遠いうえ、小さな大学のため電車は通っていない…
全く…不便な学校だ…
しばらく進むと、雨が降ってきた…
「ついてないな…」
そういえばあの日も雨だった…
母から妹の様子がおかしいと連絡があり、俺は実家へ車を走らせていた…
そしてその時も今のように
「ついてないな…」
そう言ったのだ…
「何があったんだ…」
家に着くと俺はあえてゆっくりと鍵をあけ、扉を開けた…
「久しぶり…」
返事はない…
焦る気持ちを圧し殺し、俺はリビングへ向かった…
「おい…」
そこにあったのは心配そうに見守る両親と、
ぐったりとした灯だった…
「灯!」
俺は悲鳴と雄叫びの混じったような声を上げた、
「……」
「灯!どうしたんだ灯!」俺は灯の肩をガクガクと揺らした、
「返事をしろ灯!言うこと聞かないとおしおき…
お尻ぺんぺんだぞ!」
子供のころふざけあっよくて言っていた文句を言った
「…お…にい…ちゃん?」
「…灯!?灯!」
「お兄ちゃん…」
灯は喋ってくれた…
なんとか喋ってくれた…
ただ妹は俺にしか喋らなくなった…
そのため俺の家に住むようになり、数日後高校も中退した、
「…着いたか」