表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/20

第15話…図書館

俺は固まった、またあの鐘が鳴ってしまった…。

ということは奴らがまた俺の前に現れる…、

俺は不意に後ろを見た、

「…っ!!」

俺は驚愕した、

さっきまではまったくの無人だった図書館は人で溢れていた、いわば普通の図書館…。

ただその人間が怪物である以外は…。

しかし怪物は俺に目もくれずに本を探し、受付の女はただひたすら、

「イラッシャイマセ…」

「カシダシキカンハニシュウカンデス…」

「オキヲツケテ…」

をぶつぶつと繰り返していた。その光景は何かゾッとするものがある…。

俺はすぐにそこを逃げたかったが、外へ出ればさらに多くの奴らがいることが予想できてしまった…。

俺はフゥと一呼吸つき、もう一度怪物たちを見た。

奴らは未だに本だけをフラフラと探していた。

…俺には気付いていないのだろうか?

もしこのまま大人しくしていてくれるのなら俺はここでもう一度鐘が鳴るのをまてるのだが…。

しかしそうしているわけにもいかない…、

こうしている間にも灯は危機的状況にあるかも知れないのだ、

外に出れば危険…だが行くしかないと俺は外へ出ようとする…


…が…、


「ぬっ…く…あぁ…」

背中に圧力がかかる、

「…マテ…」

俺の背中には怪物が張り付いていた、

「…ウロチョロスルナ…、ココハ…トショカン…」

「くっ…分かってる…騒がしくして悪かった…」

隅で考え事をしていた俺に対して怒っているようなので俺は頭を下げる、

「…ウルサイ…シズカニシロ…」

しかしそれは俺を掴んで離さない、

それに乗じて他の怪物も俺に近づいてきた、

「…ウルサイゾ…」

「ジャマスルナ…」

客はもちろん、受付の女までも…、

「…オアズカリシマス…オキヲツケテ…」

「…くそっ…」

俺は右手の包丁を強く握り締める、

勝てる見込みなどない、むしろまともに戦ったら殺される…、

…だったら逃げる他ない…。

俺は目を瞑る、そして思いっきり包丁を振り上げ俺に張り付いている怪物に…

…降り下ろした…、ザクッ!という音…、

そして怪物のうめき声と共に俺を掴む力が弱っていく…、

俺は目を開き怪物を蹴りつけ走り出す、

ドアは開けっ放しのためすぐに外には出れる、

しかし外は予想通りの光景…、大量の怪物たちの巣窟…。

俺は構わず怪物たちの間を走り抜ける、行く場所は決まっていた…、

…病院…、先の本にあった男…、

《清水嘉治》の正体を、

怪物達との関係を探るために…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ